25 February 2008

プレルジョカージュ《受胎告知》@新国立劇場

Triple_bill2008年2月16日(土)
新国立劇場 小劇場


10日ほど前になりますが、プレルジョカージュの《受胎告知》を観に新国立劇場へ行ってきました。 
少し時間は経ってしまったけれど、この日、上演された三つの作品の中で一番強く心に刻みつけられ、今も鮮明に目に浮かんでくるのは、やっぱりプレルジョカージュの作品です。

プレルジョカージュさん本人も語っているとおり《受胎告知》を主題とした美術作品は、これまでに数え切れないほどつくられて来ました。しかし、舞踊芸術では見たことがありません。
そんな訳で、今回、流れてゆく時間と空間の中で身体によって表現された《受胎告知》に接する貴重な体験ができました。

Annunciazione真っ暗な舞台の一点にスポットライトが当たると、そこには白いシンプルな衣裳のマリアが一人座っています。
真っ赤な床、舞台半分を囲うように配されたL字型の箱。
そこに、現れた大天使ガブリエルの衣裳は青。

赤青白のみの世界は、聖母マリアの赤と青の衣裳、そしてマリアの純潔を象徴する白百合の花を私に連想させました。

抑制された無駄の無い動きによって表現されるマリアの驚きや戸惑い。
派手な跳躍や目を見張るような技巧はほとんどなかったけれど、静かな動きに秘められたメッセージが、こちらに迫ってくるダンスでした。

ヴィヴァルディの《マニフィカト》とステファン・ロイの《クリスタル・ミュージック》がコラージュされた音響は、街の喧噪が聞こえたりもして、聖と俗との境界を表現しているようにも思えました。
解りやすい主題のようでいて、なかなか難解な作品でした。


一方、この日、一緒に上演された平山素子&中川賢《Butterfly》は、スピード感にあふれ見栄えのする面白い表現でした。
でも、《受胎告知》の後では、単なる表面的なダンスとしてしか私には感じられませんでした。

野坂公夫《曲線(カーブ)した声》は、う〜む、2006年に創られた作品にしては、ちょっと古臭かった。(^^;;; 


蛇足ですが、《受胎告知》終演後、カーテンコールにも登場したプレルジョカージュさんが、私のすぐ近くの席で後半の舞台を鑑賞されてました。目立たないようにスッと席につき、熱心に見入ってらっしゃいました。
思ったよりも小柄で、シャイな感じの方でした。(^^)


  ◇  ◇  ◇
 
ダンスプラネットNo.26
《未来へ繋ぐトリプル・ビル》

 アンジュラン・プレルジョカージュ:受胎告知
 平山素子&中川賢:Butterfly
 野坂公夫:曲線(カーブ)した声

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16 May 2007

衝撃! アラン・プラテル・バレエ団《聖母マリアの祈り vsprs》

Platel2007年5月15日(火)
テアトロ・ジーリオ・ショウワ

昨夜、アラン・プラテル・バレエ団の《聖母マリアの祈り vsprs》を観ました。

一晩たった今も、まだ、衝撃から抜け出せません。
プレルジョカージュの《N》以来の、いえ以上の挑発的で刺激的で強烈な舞台でした。

今まで私が観たり聴いたり接してきたものは一体なんだったのだろう?
「美しさ」って何?
私の中にあった価値観が、根底から揺さぶられ崩されるような舞台でした。
まだ、頭の中が、ちゃんと整理できてません。

ふと気がついたら幕がおりていて、しばらく拍手もできないほどショックだったけれど、涙が一粒こぼれました。

この後、Bunkamura オーチャードホールでも、17日(木)、19日(土)、20日(日)と上演されます。
おすすめ!


【追記】

早稲田大学で、アラン・プラテルさんの公開講演会が開かれるそうです。

2007年5月18日(金)16:30~18:30
西早稲田キャンパス14号館801会議室
講演会「現代ダンスの政治/詩学-彼自身によるアラン・プラテル」
講師:アラン・プラテル氏(通訳あり)

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15 May 2007

パリ・オペラ座バレエ団《結婚》

Noces11先日のラ・フォル・ジュルネで、ムジーク・ファブリーク&カぺラ・アムステルダムによる素晴らしいストラヴィンスキーの《結婚》を聴いてしまったものだから、そのあと無性にバレエが観たくなってしまい、久しぶりにビデオ鑑賞。


Noces12このパリ・オペラ座バレエによる《結婚》は、1990年1月「ディアギレフの夕べ」と称して、バレエ・リュスが1923年6月13日パリのゲテ・リリック劇場で初演した当時の、舞台装置、衣裳、振付を再現したもの。
(この時《ペトルーシュカ》《ばらの精》《牧神の午後》も再現されました。)

Noces13まず最初に驚いてしまったのが、その振付け。
とても84年も前のものとは思えないくらい斬新で抽象的。
今、こうして見直してみても、まったく古臭さがなく、むしろ新鮮なくらい。民族舞踊らしきステップもあるし、独創的なポーズが、とても面白い。

Noces15そんな振付けや、シンプルな舞台装置、モノトーンの衣裳は、ストラヴィンスキーの音楽にもピッタリ合っていて、見事だなぁと、つくづく感心してしまう。

それにしても、《結婚》というお祝い事のイメージとはかけ離れた、暗く質素な舞台と、終始、陰鬱な表情の花嫁花婿とその両親たち。まるでお葬式みたい。

Noces47そうか! そうだった。
これはロシアの農民の結婚の儀式だったんだ・・・
ふと、エルンスト・バルラハの彫った、貧しいロシアの農婦の像を思い出してしまった。

それから、第1場「花嫁の部屋で」の歌詞の中にも何度も繰り返し出てくる花嫁の長い長いおさげ髪が、何か象徴しているようで、とても気になる。
ロープのような髪を、花嫁の友人たちが手に持っているのが見えるでしょうか?


  ◇  ◇  ◇


音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:プロニスラワ・ニジンスカ
美術、衣裳:ナタリア・ゴンチャロワ

ダンサー:エリザベート・プラテル(花嫁)
     カーデル・ベラルビ(花婿)

歌手:LYDIA MAYO
   DORIS LAMPRECHT
   ANDREAS JAGGI
   JACQUES SCHWARZ

ピアニスト:MONIQUE BOUVET
      FRANCOISE MACCIOCHI
      JEAN-BERNARD DARTIGOLLES
      JEAN-YVES SEBILLOTTE

指揮:ミシェル・タバシュニク
パリ・オペラ座バレエ団
パリ・オペラ座合唱団
パリ・オペラ座管弦楽団

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27 March 2007

グルック《オルフェオとエウリディーチェ》@新国立劇場

Orfeo2007年3月23日(金)
新国立劇場 中劇場

先週末、グルックの《オルフェオとエウリディーチェ》を観てきました。
もともとはオペラとして作られた作品が、バレエ&オペラとして、どんな風に生まれ変わるのか、けっこう楽しみに出かけたのでありますが・・・

残念ながら、結果は、どっちつかずの中途半端なものになってしまったのではないかしら?というのが率直な感想です。

物語はメインの舞台でダンサーを中心に進められてゆくのですが、サイドで歌っていた歌手が、メイン舞台の上に入ってくる場面が数回あったり、一階客席後方からダンサーのオルフェオと歌手のオルフェオが登場したりと、二人のオルフェオ、二人のエウリディーチェが、見るものの前に同時に現れるのですが、そうすることで一体何を現わそうとしているのか? 私にはつかみきれませんでした。

ダンサーたちは主に白っぽいコスチューム、歌手たちは黒いコスチュームだったのも、しっくりきませんでした。
私の固定概念かもしれないけれど、どうしても「陽と陰」と見てしまうのですよね・・・
そのせいなのかな? 歌手の方々を含め、音楽面のほうが少し力不足だったような気がしました。

でもでも、第2幕のオルフェオがエウリディーチェを冥界から連れ戻す場面は、緊張感あふれるダンスが舞台床に光によって現された迷路の上で繰り広げられ、造形的にもシンプルで美しく、振付けもとても見応えがあり、イイなぁと思いましたよ。(^^)

振付けをしたウォルシュさんによると、今回の舞台は「モダンとコンテンポラリーをミックス」したダンスなのだそうですが、私には、そんなにコンテンポラリーしてるようには見えず、どちからといえば、かなりクラシックに近いものに見えました。
時々、キラリと光るイイ動きもあったので、それらがもう少し長く持続され「あ~目が離せな~い」って思えたならば、もっと楽しめたのかもしれません。
これは、振付けというよりも、ダンサーの魅力の問題なのかな?(^^;


  ◇  ◇  ◇

新国立劇場エメラルド・プロジェクトNo.2
《オルフェオとエウリディーチェ》

【ダンサー】
エウリディーチェ:湯川麻美子
オルフェオ:中村 誠
アムール:丸尾孝子・グリゴリー・バリノフ・冨川祐樹

【歌手】
エウリディーチェ:安藤赴美子
オルフェオ:吉川健一
アムール:田上知穂

演出振付:ドミニク・ウォルシュ
音楽:クリストフ・ヴィリバルト・グルック
編曲・指揮:デヴィッド・ガルフォース

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

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05 February 2007

ナチョ・ドゥアト&スペイン国立ダンスカンパニー《バッハへのオマージュ》

Homage_bach2007年2月4日(日)
神奈川県民ホール 大ホール

ナチョ・ドゥアト率いるスペイン国立ダンスカンパニーの初来日公演 《バッハへのオマージュ》 ~マルティプリシティ、静けさと虚ろさのかたち~ を観てきました。

まず一言。
無理してでも行って良かった!(^^)
今も、すごく幸せな気分♪

コラージュされたバッハの曲にのってダンサーたちが楽器になったり音符になったり♪
ナチョ独特の振付が次から次へと出てくるので、ちっとも飽きないし、とにかくとても楽しいし、そのアイディアの豊かさには感心してしまうほど。

衣裳の色も素材も上質で品があるし、コンテンポラリーダンスなのだけど、どこかクラシカル。
新国立劇場での公演「ナチョ・ドゥアトの世界」の時も、とても感動したけれど、今回は、それを更に上回るものでした。

そして、何よりも、グレン・グールドの《ゴルドベルク変奏曲》にのって踊るナチョ・ドゥアト自身を観ることができて最高でした。
今年、50歳になるというドゥアト!
う~ん、ステキでした。


実は、クリスティの《レ・パラダン》の時と同様、ずっと前から、とても気になってはいたものの、この時期って3月締め切りの作品をかかえて「時間が足りな~い!」と叫んでいる頃だろうなぁと予測し、チケットを買い控えしてたんです。

でもね、舞台を観るチャンスって、この日、この時を逃したらもう戻ってこないのよね。
絵のほうは、いざとなれば徹夜して挽回すればいいのよね。
うんうん、そうそう。
な~んて、自分で自分を説得というか言い訳を作って、行くと決めました。(^^;

そうと決まったら早い早い!
大急ぎでメイクして着替えして、横浜へいざ出発~♪

2日前に、県民ホールのチケット・センターに問い合わせした時は、たっぷり残席ありますよとのことだったし、念の為に、家を出る直前にも当日券の有無を確認したので、まず大丈夫だろうと思っていたけど、到着すると当日券を求める人の行列が!
うわぁ~
前日の評判が良かったのかなぁ?
それとも、コンテンポラリーダンスが売り切れることはないだろうから当日で充分充分と思ってる私みたいな人が多かったのかしらん?
何はともあれ、私も無事に当日券を入手。

客席に入ると、なんと、ほぼ満員でした。
すごい!  うれしい!(^^)
(でも、2階3階席と1階のサイドブロックは最初から使用されていませんでした。)

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09 November 2006

パリ・シャトレ座 ラモー《レ・パラダン》

Les_paladins052006年11月8日(水)
オーチャードホール

《レ・パラダン》観てきました~♪
私が今年観たオペラの中で、間違いなくナンバー1です!(^^)
とにかく楽しかった~♪
耳も目も心もホッカホカ~♪
幸せ~♪
ホールから渋谷の駅へ向かう帰り道、気がついたら、私、スキップしてました。(^^)ハズカシィ

だってだって、ラモーの音楽が「さぁ!あなたも一緒に踊りましょう!」って誘ってくる、そんな素晴しさだったんですもの。(^^)


Les_paladins01しかも舞台で繰り広げられたダンスは、私の大好きなコンテンポラリー・ダンスが中心。
頭でクルクルまわるダンス(ヒップホップって言うのかな?)や、お尻をフリフリするアフリカン・テイストな振り付けまで加わって、とても見応えがありました。

噂どおり男女2人づつのヌードダンサーも登場!
鍛えられた美しい肉体は、他のダンサーや歌手達の中で良いアクセントになっていました。
ま、プレルジョカージュのダンスを幾つか観てる私としては、あのくらいはどってことないかなぁ。(^^; うそ!うそ!アハハ

Les_paladins03衣裳は、とびっきりシンプルでカラフル。
まるでポップな絵本を開いたようでした。(決して悪い意味ではなくてです。)

雲の上で、裸ん坊さんからバロックの衣裳を身につけた人までが、ポーンポーンと楽しげに跳ねる映像や、ウサギやライオン、フラミンゴ、チンパンジーなど沢山の動物の映像も登場し、それが舞台のダンサーや歌手と巧に重なり合って、それはもうファンタジーの世界♪
選び抜かれた上質のおもちゃの箱をひっくり返したようでした。(^^)

Les_paladins04クリスティさんの指揮もステキでした。その手の動きの美しいこと。(^^)
そのクリスティさんに率いられたレザール・フロリサンの響きも、とても瀟洒で優雅。
心ゆくまで堪能しました。
それにしても、チロリロリン♪ポロポロリン♪と響いてくる音は何だったのかな?
とても心地よくてフワ~ンと天にも昇る気分でした。

Les_paladins02また、歌手も粒揃いで、歌ばかりでなく踊りも上手いのには驚きました。
アルジ役のドゥスラックさんなんて、ダンサーと見紛うほど手足が長くてスタイル抜群!
そうそう、ソリストばかりではありません、合唱のメンバーも楽しい踊りを披露してくれましたよ。

そして、昨夜は楽日だったからだと思うのですが、終演後のカーテンコールも華やかでした。
天井からトリコロール・カラーの沢山のリボンが垂れ下がり、全公演を終えた出演者やスタッフを労っていました。
ヒップホップ・ダンサーはノリノリの踊りを披露してくれ、客席からは手拍子も沸き起こりました。

が、しかし!
すご~く盛り上がっていたのは舞台の上だけで、客席は、ちょっと醒めた感じがしなくも無かったのも事実です。(^^;

その一つの理由に客席が半分くらいしか埋まってなかったことがあると思いました。

あ~どうしてなんでしょう?
こんなに素敵な舞台なのに、ああ勿体ない。

多分チケットの価格が高かったせいもあるのかなと思います。
実は、私も公演直前まで悩んで悩んで悩んだ末に、何とか安いほうから2番目のチケットを手に入れました。
(この冬、新調を予定していたセーターが一枚消えてなくなりました。(^^; もちろん後悔なんてしてませんよ。)

興行主さんは、こんなに楽しくて幸せな気持ちになれる素晴らしい公演を少しでも多くの人に見てもらいたいとは思わないのかな?
半分空席にしておいても採算がとれるのなら、お願いです、もっと一枚一枚のチケット安くして欲しいのですけどぅ。
もう少しお手軽な価格だったら観たかったという人を、私は何人も知ってますよ~

そういえば、以前から子供のためのクラシック・コンサートを支援している財団法人ソニー音楽芸術振興会から、何度も《レ・パラダン》のダンス・ワークショップや小学生から高校生なら35,000円のS席を5,000円で入手できるというダイレクト・メールが来ていたのを思い出しました。
こういった企画は大いに歓迎したいですよね。

そして、今回のような公演ならば、クラシック音楽やバレエ・ダンスは初めてという人にも、恐らく抵抗なく観てもらえるように思えたので、もっともっと広い範囲に情報が行き渡る手はないものかなぁと、つくづく思った夜だったのでした。


  ◇  ◇  ◇


《レ・パラダン Les Paladins (遍歴騎士)》
作曲:ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)

演出/舞台美術/ビデオ:ジョゼ・モンタルヴォ
振付:ジョゼ・モンタルヴォ/ドミニク・エルヴュ

アティス:トピ・レティプ(テノール)
アルジ:ステファニ・ドゥスラック(メゾ・ソプラノ)
ネリーヌ: アンナ・バヨディ(ソプラノ)
妖精マント:フランソワ・ピオリーノ(テノール)
オルカン:ジョアオ・フェルナンデス(バリトン)
アンセルム:ルネ・シレール(バス)

指揮:ウィリアム・クリスティ
管弦楽/合唱:レザール・フロリサン
ダンサー: クレテイユ&ヴァル・ドク・マルヌ国立振付センター/モンタルヴォ・エルヴュ・カンパニー

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08 September 2006

8月おぼえがき

◆本
ジョルジョ・ボンサンティ(野村幸弘/訳)『カラヴァッジョ』1995年、東京書籍
石川 和恵『マルタ島に魅せられて 地中海の小さな国』1997年、晶文社
紅山 雪夫『シチリア・南イタリアとマルタ』2001年、トラベルジャーナル
塩野 七生『ロードス島攻防記』1991年、新潮社(新潮文庫)
河合 隼雄他『鶴見和子の世界』』1999年、藤原書店
鶴見 和子/佐佐木 幸綱『『「われ」の発見―鶴見和子・対話まんだら 佐佐木幸綱の巻』2002年、藤原書店
中野 雄『丸山真男 音楽の対話』1999年、文藝春秋 (文春新書)
丸山 真男『日本の思想』1961年、岩波書店(岩波新書)
青柳 恵介『風の男 白洲次郎』2000年、新潮社(新潮文庫)

◆映画
ヤニック・ハストラップ《白くまになりたかった子ども》2002年、フランス/デンマーク
アンドレイ・タルコフスキー《僕の村は戦場だった》1962年、ソ連
アンドレイ・タルコフスキー《惑星ソラリス》1972年、ソ連
ウォルト・ディズニー《ファンタジア》》1940年、アメリカ

◆ダンス(映像)
アンジュラン・プレルジョカージュ《メディアの夢》2004年
アンジュラン・プレルジョカージュ《春の祭典》1993年
アンジュラン・プレルジョカージュ《MC14/22》2001年

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28 August 2006

プレルジョカージュ《メディアの夢》

Medee022004年にパリ・オペラ座バレエによって初演されたプレルジョカージュ《メディアの夢 Le Songe de Medee》を、シアターTVで観ました。

振付家プレルジョカージュは、今年1月に新国立劇場で初めて観たバレエ・プレルジョカージュ《N》そして《Les 4 saisons...》で強い衝撃を受けて以来、とても気になる存在になっていたのですが、今回も、その世界へグイグイと引き込まれ気がついたら画面に釘付けにさせられていました。

Medee03《メディアの夢》は、古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人 エウリピデスの代表作『メディア』をもとにした作品で、夫イアソンに裏切られたメディアが激しく嫉妬し、それによってもたらされた結果はいかに・・・という解りやすいといえば解りやすい、難解といえば難解なお話なのですけど、あの悲惨な結末が現実ではなくて、あくまで「夢」ならば、ま、いいのかなぁって思いました。(^^;

何はともあれ、ガガ~ンとさせられる、とてもショッキングな場面もあるのですが、一方で「おお!そう来たかぁ。やるな~」と感心もさせられた、見応えある素晴らしい舞台でした。

Medee01

その大きな一役を担っていたのが、なんと言っても、パリ・オペラ座バレエのダンサーたちでしょうか。

メディアとイアソンの堂々たる容姿は役にピッタリだし、テクニックも素晴らしかったです。
そして、イアソンとグラウケの官能的なパ・ド・ドゥも、とっても魅惑的で、恐ろしいまでに嫉妬するメディアのソロ、激しい感情のぶつかり合うパ・ド・トロワと、その表現力の豊かさに圧倒されました。

衣裳や舞台美術も、とてもシンプルで私好み!(^^)
宙に吊るされた沢山のブリキのバケツや床に並べられたバケツも、なかなか印象的でした。
最初は子供にミルクを飲ませるために使われ、遊び道具にもなったバケツが、最後には、とても悲惨な結末に使われるのです。
当分、ブリキのバケツを見るたび(最近、見かけないですけどね(^^;) メディアを思い出してしまいそうです。

そして、音楽も、ダンスやドラマと、とてもよく合っていて良かったです。
もう、バリバリの現代音楽って感じです。(^^)
それもそのはず、ピエール・ブーレーズも所長を務めたことのあるパリ・ポンピドーセンターの現代音楽研究所IRCAMが手がけたものだそうです。


新国立劇場で、またプレルジョカージュのコンテンポラリーダンス上演してくれないかなぁ~(^^)


 ◇  ◇  ◇


振付 : アンジュラン・プレルジョカージュ
音楽 : マウロ・ランツァ
メディア : マリ=アニエス・ジロー
イアソン : ウィルフリード・ロモリ
グラウケ : エレオノーラ・アバニャート

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27 March 2006

新国立劇場バレエ団「ナチョ・ドゥアトの世界」

nacho_duato2006年3月25日(土)
新国立劇場 中劇場

先日、スペインの振付家ナチョ・ドゥアトのコンテンポラリーダンスを観てきました。

過去、既に新国立劇場バレエ団によって上演されたことのある《ドゥエンデ DUENDE》と《ジャルディ・タンカート JARDI TANCAT》に加え、日本初演の《ポル・ヴォス・ムエロ POR VOS MUERO》の3演目すべてがナチョ・ドゥアトの作品という、なかなか贅沢な舞台でした。

まず初めは、クロード・ドビュッシーの音楽にのって舞われた《ドゥエンデ DUENDE》。
ドゥエンデとは、スペインに古くから言い伝えられている不思議な魔力のことだそうで、密林を思わせるような東洋風模様の描かれた背景とドビュッシーの音楽が、思いがけずピッタリとした、美しい舞台でした。

次の《ジャルディ・タンカート JARDI TANCAT》は、近代化前のスペインにおいて厳しい労働をしいられた民衆によって歌われた労働歌が使われ、スペインでは大衆的人気のある歌手マリア・デル・マル・ボネによる哀愁の漂う歌声とモダンな振付が、これまた不思議と違和感なく調和していて感心させられました。

そして、最後に演じられたのが《ポル・ヴォス・ムエロ POR VOS MUERO》
美術、衣裳、音楽、そしてもちろんダンスと全てがとても美しいステキな舞台で、3つの中では一番のお気に入りになりました。

使われた音楽は、15世紀~16世紀のスペインの古楽。
最初、ダンサー達はシンプルなベージュのタイツに身を包み現れるのですが、次の曲に移ると中世風のシックなドレスに変わり、一瞬にして音楽と同じ世界へとトリップ。
・・・と思いきや、とても重厚な舞台上で繰り広げられるステップやポーズは、古いものが取り入れられているのだけど、とても斬新でモダン。
宗教的なもの世俗的なもの、古典的なもの現代的なものが入り混じり、かつ美しく調和した時間を超越したものだったのでした。

3つの作品を通して感じたのは、ナチョ・ドゥアトのダンスはコンテンポラリーなのだけど、奇を衒ったところがなく、兎に角、とても上品でかつ優雅だということ。
ダンサーたちの優れた身体能力や振り付けの面白さを堪能できたしただけでなく、ナチョ・ドゥアトの美の世界を存分に味わえた、とても素晴らしい舞台でした。

それから、スペインの古楽っていうと、トマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548?-1611)くらいしか知らなかった私なのだけど、これをきっかけに他の作曲家の作品も聴いて見たいなと思いました。
最近、ちょっとスペインづいているなぁ。(^^)

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06 February 2006

バレエ・プレルジョカージュ《Les 4 saisons...》

les_4_saisons2006年2月4日(土)
新国立劇場・中劇場

バレエ・プレルジョカージュのBプログラム《Les 4 saisons...(四季)》を観てきました。
先日の《N》が、ずしんと重たい舞台だったせいか、ちょっと浮かない気分がつづいていたのですが、《Les 4 saisons...(四季)》を観て、すっかり元気を取り戻しました。(^^)
とても瑞々しく、生命の躍動や喜びが感じられる舞台は、とても楽しかったです。

音楽は、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲《四季》。
使われていた録音は、なんと昨年9月に観たバロック・オペラ《アンドロメダ・リベラータ》のヴェニス・バロック・オーケストラ のものでした。このバレエのために録音したものなのかしら?ちょっと変わった感じの演奏ではありましたが。
生演奏に慣れてる私としては、最初スピーカーから流れてくる音楽に違和感も感じたのだけど、ダンサーが登場してから次第に気にならなくなりました。

明るい色彩で統一された美術も若々しくて良かったです。
ファブリス・イベールのオブジェもひとつひとつが面白く、次は何が上から落ちてくるのだろう?と楽しみながら見ていました。
裸んぼうのダンサーが身につけていた透明ビニールのクマさん着ぐるみは、特にナイスでした。(^^)

そして、なんと言っても忘れてはいけないのは、ダンサー達の美しい身体と、その身体の動き、次から次へと変化する振付のバリエーションの豊富さでした。
とても、楽しい舞台をたっぷり堪能させていただきました。

angelinコンテポラリーダンスって、観客の層も若いし、同じ新国立劇場でもオペラと違ってチケットも楽に買えるしで、これはいいかもしれないって思ったのでした。

また、ダンス見に行こう!(^^)

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01 February 2006

バレエ・プレルジョカージュ《N》

preljocaj2006年1月31日(火)
新国立劇場・中劇場

昨夜、バレエ・プレルジョカージュの《N》を観てきました。
今までに一度も体験したことのない、とても衝撃的な舞台にヘトヘトになって帰ってきたのでありました。

終演直後は、余りのショックで頭の中が混乱していたけれど、時間が経つにつれプレルジョカージュが、あの舞台で何を言おうとしていたのか私なりに考えられるようになり、じんわりと感動が込み上げてきたのでした。
実は、このAプログラム《N》を見てから、Bプログラムの《Les 4 saisons...》も見に行くかどうか決めようと考えていたのですが、これはBプロも見逃せないです。
早速、ぴあに行かなくっちゃ!

さて、公演はというと・・・

真っ暗な舞台の上には、裸体の折り重なる山が二つ。
複数の手足が絡み合ったままヒクヒクとうごめく様子は瀕死の人間のようでもあり、まるで体内で臓器が動いているようでもあり、とにかく不気味でした。
低周波のノイズ音は、私が座っているイスにもブルブルっとその振動が伝わり、頭の上から巨大な鉄の塊でも転げ落ちてくるような音までしてきて、いかにも何かが起こりそうな感じで舞台は幕を開けたのでした。

その後は、「暴力」「闘争」「虐待」「侮蔑」といった人間のやれる限りの「悪」を、ダンサー達の肉体と優れた身体能力によって、これでもかこれでもかと突き続け、その、あまりに執拗な「音」と「動き」の反復には 「お願い!もうやめて!」と、思わず耳と目を塞ぎたくなる衝動にかられました。(でも凝視してた私(^^;)
そして実際、暗闇から始まった舞台は、目も開けられないほど強いストロボの点滅で終わったのでした。

楽しい舞台ではありません。はっきり言って苦痛でした。
重たく辛いテーマに、ただ呆然として涙も出ませんでした。
でも、プレルジョカージュの中にある人間のおかした罪にたいする「憤怒」や「絶望感」は、とても強く私に伝わって来ました。
2004年フランスで初演された作品ゆえに、この混乱の同時代を生きている私達こそ、今、見ておくべきだと思いました。

N終演直後は、その絶望感と疲労感から、正直、拍手するのが精一杯でした。
なので、今、改めてプレルジョカージュとダンサー達に心から「ブラーヴィ!」

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05 November 2005

新国立劇場バレエ団 オルフ《カルミナ・ブラーナ》

Carmina012005年11月3日(木)
新国立劇場オペラ劇場

1995年に初演されたバーミンガム・ロイヤル・バレエ芸術監督デヴィッド・ビントレーの《カルミナ・ブラーナ》が、新国立劇場で上演されることになったので観てきました。

新国立劇場《カルミナ・ブラーナ》

《カルミナ・ブラーナ》は、ドイツの修道院で発見された12~13世紀のものとされる詩集のことで、後にカール・オルフがその中から選んだ詩に音楽をつけ「世俗カンタータ」として1937年にフランクフルトで初演されました。

今も演奏会形式の上演は時々あるけれど「楽器の伴奏を持ち、舞台場面によって補われる独唱と合唱の為の世俗的歌曲」という副題どおりの上演は珍しく、私も初めて観ることができました。

オケピットには、オケ(東フィル)だけでなく合唱、3人のソロ歌手も入って大混雑でしたが、指揮者バリー・ワーズワースさんは手堅い音楽を聴かせてくれました。
それにしても、カウンターテナーのブライアン・アサワさんは、あれっぽっちの出番のために来日してくれたの?
う〜ん、新国って太っ腹!(笑)

さて舞台ですが、モダンでシンプル、いつものことですが私の好きなタイプでした。

踊りは、何といってもバーミンガム・ロイヤル・バレエから招かれたシルヴィア・ヒメネスさんの運命の女神フォルトゥナが、ひときわ光っていました。
carmina02

真っ黒なピチピチのキャミソールドレスとハイヒール、目隠しをして踊り出した瞬間、これは魅せてくれる舞台になりそうと思いました。
一体何なのでしょう? あの存在感は。

躍動感あふれるコールド、怪しく官能的なパ・ド・ドゥ。
そして迫力ある合唱に独唱。
なかなか楽しめた1時間でした。

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