グルック《オルフェオとエウリディーチェ》@新国立劇場
先週末、グルックの《オルフェオとエウリディーチェ》を観てきました。
もともとはオペラとして作られた作品が、バレエ&オペラとして、どんな風に生まれ変わるのか、けっこう楽しみに出かけたのでありますが・・・
残念ながら、結果は、どっちつかずの中途半端なものになってしまったのではないかしら?というのが率直な感想です。
物語はメインの舞台でダンサーを中心に進められてゆくのですが、サイドで歌っていた歌手が、メイン舞台の上に入ってくる場面が数回あったり、一階客席後方からダンサーのオルフェオと歌手のオルフェオが登場したりと、二人のオルフェオ、二人のエウリディーチェが、見るものの前に同時に現れるのですが、そうすることで一体何を現わそうとしているのか? 私にはつかみきれませんでした。
ダンサーたちは主に白っぽいコスチューム、歌手たちは黒いコスチュームだったのも、しっくりきませんでした。
私の固定概念かもしれないけれど、どうしても「陽と陰」と見てしまうのですよね・・・
そのせいなのかな? 歌手の方々を含め、音楽面のほうが少し力不足だったような気がしました。
でもでも、第2幕のオルフェオがエウリディーチェを冥界から連れ戻す場面は、緊張感あふれるダンスが舞台床に光によって現された迷路の上で繰り広げられ、造形的にもシンプルで美しく、振付けもとても見応えがあり、イイなぁと思いました。(^^)
振付けをしたウォルシュさんによると、今回の舞台は「モダンとコンテンポラリーをミックス」したダンスなのだそうですが、私には、そんなにコンテンポラリーしてるようには見えず、どちからといえば、かなりクラシックに近いものに見えました。
時々、キラリと光るイイ動きもあったので、それらがもう少し長く持続され「あ~目が離せな~い」って思えたならば、もっと楽しめたのかもしれません。
これは、振付けというよりも、ダンサーの魅力の問題なのかな?(^^;
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新国立劇場エメラルド・プロジェクトNo.2
《オルフェオとエウリディーチェ》
編曲/指揮:デヴィッド・ガルフォース
演出振付:ドミニク・ウォルシュ
音楽:クリストフ・ヴィリバルト・グルック
【ダンサー】
エウリディーチェ:湯川麻美子
オルフェオ:中村 誠
アムール:丸尾孝子、グリゴリー・バリノフ、冨川祐樹
【歌手】
エウリディーチェ:安藤赴美子
オルフェオ:吉川健一
アムール:田上知穂
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団