文庫版『須賀敦子全集』
先日、本屋さんをブラブラしていて、偶然イイモノ見つけてしまいました。(^^)
2000年に河出書房新社から全集が出た時も、いいなぁ~欲しいなぁ~とは思ったものの、一冊5,000円以上する本を全9冊揃えるのは、私には財政的にちょっと厳しく、諦めたままでした。(^^;
その全集の文庫版が、この秋から順次、河出文庫から出版されるようなのです。
手にとってページをめくると、紙面が小さいので余白はギチギチ、文字もぎっしりで、決してレイアウト的に美しい本とは言えないのでありますが、やっぱり、お手軽価格が嬉しいです♪
でもね・・・
これを揃えると、今まで集めてきた須賀さんの単行本や文庫本とダブってしまうのですよね・・・
本棚に並べておくには、文庫版全集は合理的なんだけど、古い本を処分するのも、ちょっと寂しいし・・・
どうしたものかぁ・・・
ところで、平積みになっていたこの本を見つけた瞬間、一番最初に私の目に飛び込んで来たのは、実は表紙の絵柄でした。
「あ、モランディだ!」
「あれ? 須賀さんの全集だぁ!」
ってな具合に・・・(^^;
でも、よくよく見ると、
「モランディの絵じゃない! 写真だよこれ~?」
ジョルジョ・モランディ Giorgio Morandi (1890-1964)は、イタリアのボローニャで生まれ没した画家。
若い頃描いた風景画も残っているけれど、やっぱりモランディと言えば瓶やカップの静物画ですよね。(^^)
未来派との交流もあり、キュビスムっぽい静物を描いていた時期もあるけれど、私は1940年位から晩年にかけて描かれた、単調なようでいて絶妙なバランスを保っている構図と、柔らかな色調の静物画が大好きです。
それにしても、表紙のモチーフ、モランディの絵画と驚くほどそっくり!
もしかして、現在、ボローニャに再現されているというモランディのアトリエで撮影したものだったりして?
表紙の写真は、イタリアの写真家ルイジ・ギリの『アトリエ・モランディ』からのものだということが解りました。
Luigi Ghirri "Atelier MORANDI "
(16Jan2007追記)
アトリエにも、いつか行ってみたいな。
モランディの静物画のような、静寂な世界が感じられるのだろうか?
【画像】上から
《静物》 1939年
油彩、カンヴァス 41,5×47,3cm
モランディ美術館(ボローニャ、イタリア)
《静物》1948年
油彩、カンヴァス 35,9×50cm
モランディ美術館(ボローニャ、イタリア)
《静物》1948~49年
油彩、カンヴァス 26×35cm
Thyssen-Bornemisza Museum(マドリッド、スペイン)
《静物》1949年
油彩、カンヴァス 32.5×42.0cm
ニューサウス・ウェールズ・アート・ギャラリー(シドニー、オーストラリア)