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24 June 2013

ダニエル・ハーディング&新日フィル@すみだトリフォニーホール

Njp06222013年6月22日(土)
すみだトリフォニーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》

   ◇  ◇  ◇

久しぶりのコンサートはマーラーの6番。
しかも指揮者はダニエル・ハーディング!
否が応でも期待は高まる~♪

思えば2008年2月にもハーディング&東フィルの組み合わせでマーラー6番を聴いているのだけれど、今回の演奏は、その時とは随分違ったものでした。

1楽章は奇を衒うようなところのない安定したテンポで進み、どこか都会的でシャキンと洗練された印象。オケはしっかりとハーディングの指揮についてゆき、ヒヤヒヤさせられる場面も、ほとんどありませんでした。

ところが、2、3楽章になると、アルプスの風景が目に浮かび、まるで夏の高原でまどろんでいるような、のどか~な雰囲気に。ゆったりとした気分で音楽に身を委ねてしまいました。

そして4楽章で、また一転。今度はググッと緊張感が高まりました。
さまざまなパーカッションが登場し、見応え聴きごたえたっぷり。注目のハンマー係の打楽器奏者さんはカウベルを鳴らしに舞台裏に引っ込んだり戻ってきたりと大忙しのご様子でした。

最後列のコントラバス奏者お二人は舞台からはみ出して袖のドアに身体が半分隠れてしまうほど大編成のオケは、もう迫力満点!
とっても楽しかった~♪

11月のマーラー7番も聴きたい!

【関連エントリ】
ダニエル・ハーディング&東フィル@サントリーホール(2008/02/21)

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16 June 2013

《天鼓》@国立能楽堂

Noh_jun2013年6月8日(土)
国立能楽堂

今月もまた能を観に行ってきました♪
ほんの数年前までは敷居が高くて近寄り難かったのに、変われば変わるものです。近頃は、あの能楽堂の空間に居心地のよさを感じています。

さて、狂言《昆布売》は、とっても面白かった♪
ただ可笑しいだけでなく、そこには武士と昆布売の立場が逆転するという、室町時代に広まった下克上の風潮が現されているのだとか。
昆布売に脅された武士が、謡節、浄瑠璃節、踊節など、いろいろな節まわしで売り声を真似する場面は、三味線の音を言葉に置き換えてみたり踊ってみたり。それぞれの雰囲気が良く出ていて、とても楽しめました。

ちなみに謡節は
「昆布召せ 昆布召せ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布 若狭の浦の召しの昆布♪」

それが浄瑠璃節になると
「つれてん つれてん てれてれてん♪ まづこれが三味線の心持ちじゃ 昆布召せ 昆布召せ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布 つれてん つれてん てれてれてん♪」

さらに踊節は
「昆布召せ 昆布召せ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布 召しの昆布 この しゃっきしゃ しゃっきしゃ しゃっきしゃっき しゃっきしゃ♪」

といった具合。
当時、世間で流行っていた節を取り入れているのだそうですが、今、聴いても楽しめてしまうところがすごい!

それから、武士のタツノオトシゴ模様の装束は可愛いし、昆布売の背中には二尾の大海老の模様が大胆にあしらわれていて、なかなか粋でした。

さて、休憩をはさんで後半は能《天鼓》。
この曲を見るのは二度目。今回も感動しました。
老いた父の王伯と若き天鼓の対比が見所のひとつだそうですが、その演じわけも素晴らしかったし、装束も見事だったし、面も美しくうっとり〜♪
登場人物は3人と少なく、シンプルな舞台なのに、こんなに魅せられてしまうとは!

ところで、天鼓が鼓を打つ場面では、お囃子の小鼓のタイミングと合う瞬間もあったり、鳴らなかったり。また、前回はお囃子に太鼓があったのに今回はなかったし、地謡は前回は4人だったのに今回は8人でした。
流派によって違うのかな?

   ◇  ◇  ◇

解説:村瀬和子

狂言《昆布売》(和泉流)
シテ(昆布売):高澤祐介
アド(何某):前田晃一

能《天鼓》(宝生流)
前シテ(王伯)後シテ(天鼓):武田孝史
ワキ(勅使):高井松男
アイ(勅使の使者):三宅右近

笛:一噌幸弘
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:佃良勝

後見:高橋章、渡邊茂人
地謡:内藤飛能、朝倉俊樹、亀井雄二、三川淳雄、小倉伸二郎、亀井保雄、高橋亘、金森秀祥

【関連エントリ】《天鼓》@矢来能楽堂(2010/06/28)

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