東京国立近代美術館「フランシス・ベーコン展」
ここしばらく大きな展覧会に足を運んでいなかったので、久しぶりに竹橋の近代美術館に行って来ました。
フランシス・ベーコン(1909年~1992年)
かろうじて名前と代表作を図版で知っていた程度で、実物の作品を観るのは初めて。
先入観なしのまっさらな気持ちで展示室に足を踏み入れました。
100号を超える大きな作品がずらりと並んでいるけれど威圧感がないのは大きさの割にはサラッと描かれているからなのか? 程よい間隔をとって展示されていたからなのか?
制作過程では画家のなかで様々な試行錯誤があったに違いないけれど、出来上がった作品を観る限りでは「肩に力が入ってなくていいな~」という印象を持ちました。
絵を描くようになってから、私自身のなかで絵画鑑賞のスタンスが大きく変化し、特に近ごろは、絵画は視覚芸術なのだから、あれこれ言葉による説明はいらないと思うようになりました。
だから、作品につけられていたキャプションは読みませんでした。作品名も見忘れました。
そういえば、会場内は比較的若い層の来館者が多く、丁寧にキャプションを読み、静かに画面に見入っていて、そこそこの人の入りなのに、シ~ンと静まりかえっていたのが印象的でした。
ベーコンの絵は、画面にあふれる感覚的な何かを読み取るという作業ではなく、じっくり考えることを強いられる作品だったのかもしれません。
だからなのか、私は今回の作品群から、残念ながら、言葉では説明できないようなハッとさせられる刺激や新鮮さを得ることはできませんでした。
ん〜 ただ単に私の感性が鈍っただけかな?!
エピローグのウィリアム・フォーサイスのダンスのインスタレーションは観られて良かったです。