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21 May 2013

東京国立近代美術館「フランシス・ベーコン展」

Baconここしばらく大きな展覧会に足を運んでいなかったので、久しぶりに竹橋の近代美術館に行って来ました。

フランシス・ベーコン(1909年~1992年)

かろうじて名前と代表作を図版で知っていた程度で、実物の作品を観るのは初めて。
先入観なしのまっさらな気持ちで展示室に足を踏み入れました。

100号を超える大きな作品がずらりと並んでいるけれど威圧感がないのは大きさの割にはサラッと描かれているからなのか? 程よい間隔をとって展示されていたからなのか?
制作過程では画家のなかで様々な試行錯誤があったに違いないけれど、出来上がった作品を観る限りでは「肩に力が入ってなくていいな~」という印象を持ちました。

絵を描くようになってから、私自身のなかで絵画鑑賞のスタンスが大きく変化し、特に近ごろは、絵画は視覚芸術なのだから、あれこれ言葉による説明はいらないと思うようになりました。
だから、作品につけられていたキャプションは読みませんでした。作品名も見忘れました。

そういえば、会場内は比較的若い層の来館者が多く、丁寧にキャプションを読み、静かに画面に見入っていて、そこそこの人の入りなのに、シ~ンと静まりかえっていたのが印象的でした。
ベーコンの絵は、画面にあふれる感覚的な何かを読み取るという作業ではなく、じっくり考えることを強いられる作品だったのかもしれません。

だからなのか、私は今回の作品群から、残念ながら、言葉では説明できないようなハッとさせられる刺激や新鮮さを得ることはできませんでした。
ん〜 ただ単に私の感性が鈍っただけかな?!

エピローグのウィリアム・フォーサイスのダンスのインスタレーションは観られて良かったです。

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17 May 2013

《田村》@国立能楽堂

Noh_may2013年5月11日(土)
国立能楽堂

この日は、思っていたより早く雨が降り出した。
あ~あ、これで今回もkimonoデビュー見送り決定か。降るのか降らないのかハッキリしない天気に頭を悩ますよりは良いけれど、やっぱり残念。
私、晴れ女だったはずなのにな~ 変だな~
能楽堂にはkimonoを着てゆくなってことなのかしら?
でも、客席には雨にも関わらず何人ものkimono姿が見られ、次回こそ私もと、ますます強く思った次第。
あれれ?何だかkimonoが着たいがために能鑑賞しているみたい。

さてさて余談はこのへんにして、肝心の公演のほうに話をうつします。

まずはじめに、すてきなkimonoを召された歌人の馬場あき子さんによる《田村》の作品解説。
知らない用語がいっぱい出てきて、時々、私だけ置いてきぼりにされてしまった気分になる。
解説の解説が欲しいよ~
日本語なのに解らないなんて悔しい。
もっと勉強せねば。

お話しが終わり馬場さんが舞台からさがると、直ぐに狂言《左近三郎》がはじまる。
ちなみに、これ、《さこのさむろう》と読むのだそうです。
三郎は狩人。
ある日、狩りに行こうとした時、僧に会ってしまいます。
そこで、殺生についての問答が始まるのです。
脅してみたり、誤魔化してみたり、つい本当のことを言ってしまったり。
その台詞や仕種の可笑しさを感じられただけでも充分に満足でしたが、仏教や作品の作られた江戸時代の世相を知っていたら更に楽しめたのだろうなと思うと、やっぱりもっと勉強が必要なようです。

休憩をはさんで次は能《田村》
今回は「替装束」「長胡床(ながあぐら)」という特別な上演方法でした。

まず前シテの能面が「童子」から美青年「喝食(かっしき)」に、後シテの能面は「平太」から「天神」に変わっていました。
喝食の面は、とても美しく、特に斜め前の角度から見た時の憂いある表情に魅せられました。

シテの武田志房さんは小柄な方で、その姿は童子そのもの。
だからこそなのですが、第一声が発せられた瞬間、それがバリトンだったので、私の中で違和感発生!
うーむ、ボーイソプラノとまでは言わないけれど、せめてテノール位の高さがあったら良いのになと思いました。
能って役に合わせた声質や音域は問わないのかしら?

それにしても、馬場さんが要注目とおっしゃっていた、童子(田村麿の化身)が橋掛を戻ってゆく場面は、見ている私まであちらの世界に連れて行かれそうな、とても神秘的な雰囲気でした。

後シテは、能面だけでなく、太刀も脇差から背中に差す大太刀にするという、時代設定に忠実な装束になっていました。
そして、鈴鹿討伐の場面は、ひとところに座ったままの「長胡床」です。
身体は動いていないけれど、心で演じているのだそうです。
この場面は、地謡とお囃子の重奏が素晴らしく、シテも長胡床とはいえ、足を踏み鳴らしたり身体の向きを変えたりと見事に馬上の姿を現していました。そして最後の舞で、ますます舞台は一体化し盛り上がっていったのでした。
前シテと後シテの演じ分けの上手さもあったのか、修羅物(二番目物)も、なかなか面白いなと思いました。

そして、パタリと曲が終わると、まるで何事もなかったかのように演者たちが順に舞台を下りてゆく。
このメリハリが良いんだな~

   ◇  ◇  ◇

狂言《左近三郎(さこのさむろう)》(大蔵流)
シテ(左近三郎):茂山七五三
アド(出家):茂山あきら

能《田村》替装束 長胡床(観世流)
前シテ(童子)後シテ(坂上田村麿):武田志房
ワキ(旅僧):高井松男
ワキツレ(従僧):舘田善博、野口能弘
アイ(門前の者):茂山童司

笛:藤田次郎
小鼓:大倉源次郎
大鼓:國川純

後見:観世恭秀、武田文志
地謡:武田崇史、小川明宏、佐川勝貴、岡久広、野村昌司、角寛次朗、小川博久、中島志津夫

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