クリスティアン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル@すみだトリフォニーホール
ドビュッシー:《版画》より
1.パゴダ(塔)
2.グラナダの夕べ
3.雨の庭
ドビュッシー:前奏曲集第1巻より
2.帆(ヴェール)
12.ミンストレル
6.雪の上の足あと
8.亜麻色の髪の乙女
10.沈める寺
7.西風の見たもの
シマノフスキ:9つの前奏曲作品1より
第1番、第2番、第8番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調op.58
◇ ◇ ◇
一音一音を慈しむように鍵盤をはじく指、すうっと薫るように湧き上がる響き、やわらかに重なりあう和音。
このうえなく美しいドビュッシーでした♪
ツィメルマンの弾くドビュッシーが聴いてみたい。
チラシを見かけた時からとても気になり、発売と同時に迷うことなく入手したチケットでしたが、その期待に違わぬ素晴らしい演奏でした。
悪戯に抒情的になりすぎることなく、かといって叙事に偏っているわけでもない絶妙なバランスが心地よく、改めて言うまでもありませんが、安心して聴いていられる完璧なテクニックと作曲家や作品と真摯に向きあう姿は感動的でした。
わがままですが、もっとたくさんドビュッシーが聴きたかった。
チケット発売当初はオール・ドビュッシー・プログラムだったのに~ 残念!
休憩をはさみ後半はシマノフスキの前奏曲から始まりました。
親しみやすい旋律の小品3曲は、初めて聴く曲でした。静かに耳を傾けていると自然に身体にしみこんでくるようでした。
そして最後はショパンのソナタ3番。
そうだな~ 一言で言えば、いぶし銀のショパン♪
甘ったるいロマンティック一直線の演奏ではなく、ビターチョコレートのような、大人にならないと本当の美味しさはわからない、そんなショパンでした。
演奏終了後、久しぶりに感じたこの清々しさはなんだろう?
ドビュッシーだけでなく、シマノフスキやショパンも聴けて、やっぱり良かった~と思いを改めました。
会場は観客で埋め尽くされていたわけではありませんでしたが(60%くらいか?)盛大な拍手でいっぱいに。
スタンディングオベーションもみられました。
ツィメルマンのチケットは値段も高く、入手が困難というイメージがあって、実は、ここ暫く足を運ぶことをためらっていましたが、これを機に、また続けて聴いてゆきたいと思いました。