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20 July 2012

神奈川県立近代美術館 葉山館「松本竣介展」

Shunsuke_matsumoto先日、葉山まで足を伸ばし「松本竣介展」を観てきました。

海の日を含めた三連休は梅雨明け前だというのに真夏を思わせる陽ざしに恵まれ、JR逗子駅は海水浴に向かう若者たちや小さな子供を連れた家族連れでいっぱい! 長い行列の出来た駅前のバス停から「神奈川県立近代美術館 葉山館」へ向かうバスに何とか乗り込みました。

神奈川県立近代美術館 葉山館を訪ねるのは今回で2度目。2006年の「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展」以来なので6年ぶりの再訪です。
この美術館、海岸沿いの恵まれたロケーションを活かした建物といい、ゆったりとした展示室といい、とても気持ちよく鑑賞できる空間が用意されています。今回の「松本竣介展」も、この晩秋、東京の世田谷美術館に巡回して来るのは分かっていましたが、折角ならばステキな美術館で心置きなく鑑賞したいと考え、はるばる時間をかけて足を運びました。

さて、肝心の展覧会も、松本竣介生誕100年を記念して企画された回顧展だけあり、大変見応えがありました。
これまでにも松本竣介(1912~1948)の作品は竹橋の東京国立近代美術館に所蔵されている何点かを目にしていましたが、今回はじめて、絵の勉強を始めた少年時代の作品から、黒い太い線を使った作品、繊細な線描と色面を組み合わせた洒落た作品、幼い息子の絵からインスピレーションを得て制作した作品など観ることができ、36年という短い生涯において常に研究や模索をつづけ様々な様式の作品を残した画家であることを知りました。

特に青緑と白を使った風景画はとても魅力的でした。あの清々しい色は何と何を組み合わたら出せるのだろう?と考え出したら、なかなか作品の前から立ち去ることが出来なくなってしまいました。
松本竣介って、ずっとモノトーンのどこか寂しげな都会風景や自画像を描く画家というイメージを抱いていたので、美しい色も使える画家だと分かったことも収穫でした。

第二次世界大戦下の過酷な時代に強い意志と決意を持って生きた画家松本竣介。
その充実した創作活動からパワーをもらいました。

【関連エントリ】
神奈川県立近代美術館 葉山館「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展」

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