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27 July 2012

マルク・ミンコフスキ&オーケストラ・アンサンブル金沢@サントリーホール

Oek2012年7月26日(木)
サントリーホール

指揮:マルク・ミンコフスキ
ピアノ:ギョーム・ヴァンサン、田島睦子
オーケストラ・アンサンブル金沢

ヴァイル:交響曲第2番
プーランク: 2台のピアノのための協奏曲ニ短調
ラヴェル:マ・メール・ロワ(バレエ版)

   ◇  ◇  ◇

あれはもうかれこれ3年前のこと。レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルを率いて来日したミンコフスキさんの紡ぎだす音楽の美しさ楽しさといったら他に比較するものがないほどでした。
そのミンコフスキさんが、今回初めて日本のオーケストラを振るという。それも、常々クオリティが高いと聞き及んではいたけれど、まだ一度も、その演奏に接したことのなかったオーケストラ・アンサンブル金沢との共演。
聴いてみたい!
一体どんなコンサートになるのだろう?

そんな訳で、陽が落ちても一向に気温の下がらないベトベトむしむしの猛暑の中、サントリーホールで爽やか~な一夜を過ごしてまいりました。

定刻になりオケのチューニングがすむと、髭をたくわえ一段と貫禄のましたミンコフスキさんが舞台袖から登場♪
クマさんのような体型なのに、とっても軽快でエレガントな身のこなしは以前のまま。身体の中から留まることなく湧き上がってくる音楽の喜びが、こちらにも伝わってくるステキな指揮でした。

さて、一曲目のクルト・ヴァイル(1900~1950)の交響曲は初めて聴く曲。
響きもきれいで耳触りも悪くはなかったのだけれど、その分、特に印象に残るものがなく何となく終わってしまった感じ。
代表作とされる《三文オペラ》はどうだったっけ?と思いだそうにも思い出せず。ダメだな~私。

二曲目はフランシス・プーランク(1899~1963)の2台のピアノのための協奏曲。
プーランクの作品の中でも特に好きな曲。かつてパスカル・ロジェの録音など繰り返し聴いた時期もあったので、随分と久しぶりに聴いたプーランクはとても楽しかった♪
あの独特なリズム感とエキゾティックな響き、ミンコフスキさんはバロックや古典だけでなく、こういう粋で小洒落た現代音楽もお手のものなのですね~さすが~と聴き惚れてしまいました。
2楽章のモーツァルトの引用部分も面白いです。
聴きながら映画《アマデウス》を思い出したりしてました。(最近、音楽を聴きながらの雑念が多いなぁ)
若い二人のピアニストも大健闘。ところどころオケに比べてピアノがやや力不足かな~と思う部分もあったけど、今回聴かせてくれたキラリと光る魅力を、今後、更に磨いていかれることでしょう。

そして、休憩をはさんで演奏されたモーリス・ラヴェル(1875~1937)のマ・メール・ロアも楽しかった♪
ラヴェルも大好き!
もうお馴染みのメロディなのだけど、色彩感あふれる何とも心地よい音の流れに身をゆだねられる喜び。
なんて贅沢なんだろう。
暑さ疲れが吹き飛ぶ爽快な演奏でした♪

来春のミンコフスキ&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルの来日公演も楽しみ!

【関連エントリ】
マルク・ミンコフスキ&ルーヴル@東京オペラシティ(2009/11/05)

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20 July 2012

神奈川県立近代美術館 葉山館「松本竣介展」

Shunsuke_matsumoto先日、葉山まで足を伸ばし「松本竣介展」を観てきました。

海の日を含めた三連休は梅雨明け前だというのに真夏を思わせる陽ざしに恵まれ、JR逗子駅は海水浴に向かう若者たちや小さな子供を連れた家族連れでいっぱい! 長い行列の出来た駅前のバス停から「神奈川県立近代美術館 葉山館」へ向かうバスに何とか乗り込みました。

神奈川県立近代美術館 葉山館を訪ねるのは今回で2度目。2006年の「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展」以来なので6年ぶりの再訪です。
この美術館、海岸沿いの恵まれたロケーションを活かした建物といい、ゆったりとした展示室といい、とても気持ちよく鑑賞できる空間が用意されています。今回の「松本竣介展」も、この晩秋、東京の世田谷美術館に巡回して来るのは分かっていましたが、折角ならばステキな美術館で心置きなく鑑賞したいと考え、はるばる時間をかけて足を運びました。

さて、肝心の展覧会も、松本竣介生誕100年を記念して企画された回顧展だけあり、大変見応えがありました。
これまでにも松本竣介(1912~1948)の作品は竹橋の東京国立近代美術館に所蔵されている何点かを目にしていましたが、今回はじめて、絵の勉強を始めた少年時代の作品から、黒い太い線を使った作品、繊細な線描と色面を組み合わせた洒落た作品、幼い息子の絵からインスピレーションを得て制作した作品など観ることができ、36年という短い生涯において常に研究や模索をつづけ様々な様式の作品を残した画家であることを知りました。

特に青緑と白を使った風景画はとても魅力的でした。あの清々しい色は何と何を組み合わたら出せるのだろう?と考え出したら、なかなか作品の前から立ち去ることが出来なくなってしまいました。
松本竣介って、ずっとモノトーンのどこか寂しげな都会風景や自画像を描く画家というイメージを抱いていたので、美しい色も使える画家だと分かったことも収穫でした。

第二次世界大戦下の過酷な時代に強い意志と決意を持って生きた画家松本竣介。
その充実した創作活動からパワーをもらいました。

【関連エントリ】
神奈川県立近代美術館 葉山館「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展」

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08 July 2012

ダニエル・ハーディング&新日フィル@すみだトリフォニーホール

Njp12772012年7月7日(土)
すみだトリフォニーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調《未完成》 D.759
R.シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》op.40

   ◇  ◇  ◇

昨日、生憎の雨になってしまった七夕の午後、すみだトリフォニーホールへ行って来ました♪

一曲目、シューベルトの《未完成》は、とても繊細で清廉な演奏でした。ハーディングさんの指揮は端正で、オケは落ち着いた響きでそれに応えていました。私も美しいメロディーラインにゆったりと身を任せることができ、あまりに有名なシューベルトの曲を、改めて新鮮な気持ちで味わうことができました。
シューベルト。歌曲やピアノ曲ばかりでなく、これからは交響曲も聴こうかな。

休憩後に演奏された二曲目のR.シュトラウスの《英雄の生涯》では、一転、華やかで輝くような響きが、いっぱいに広がりました。
ハーディングさんの指揮に敏感について行くオケの緊張の途切れることの無い熱い演奏に大満足!
コンサートマスターのチェさんのソロも素晴らしく、たっぷりと聴かせていただきました。チェさんのソロ演奏中、ハーティングさんも指揮棒を降ろし聴き入っているようでした。

ところで「英雄」って誰かと思ったら、R.シュトラウス自身のことだとか! なるほど、それで聞き覚えのあるメロディが登場したのねと納得しました。

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