マルク・ミンコフスキ&オーケストラ・アンサンブル金沢@サントリーホール
指揮:マルク・ミンコフスキ
ピアノ:ギョーム・ヴァンサン、田島睦子
オーケストラ・アンサンブル金沢
ヴァイル:交響曲第2番
プーランク: 2台のピアノのための協奏曲ニ短調
ラヴェル:マ・メール・ロワ(バレエ版)
◇ ◇ ◇
あれはもうかれこれ3年前のこと。レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルを率いて来日したミンコフスキさんの紡ぎだす音楽の美しさ楽しさといったら他に比較するものがないほどでした。
そのミンコフスキさんが、今回初めて日本のオーケストラを振るという。それも、常々クオリティが高いと聞き及んではいたけれど、まだ一度も、その演奏に接したことのなかったオーケストラ・アンサンブル金沢との共演。
聴いてみたい!
一体どんなコンサートになるのだろう?
そんな訳で、陽が落ちても一向に気温の下がらないベトベトむしむしの猛暑の中、サントリーホールで爽やか~な一夜を過ごしてまいりました。
定刻になりオケのチューニングがすむと、髭をたくわえ一段と貫禄のましたミンコフスキさんが舞台袖から登場♪
クマさんのような体型なのに、とっても軽快でエレガントな身のこなしは以前のまま。身体の中から留まることなく湧き上がってくる音楽の喜びが、こちらにも伝わってくるステキな指揮でした。
さて、一曲目のクルト・ヴァイル(1900~1950)の交響曲は初めて聴く曲。
響きもきれいで耳触りも悪くはなかったのだけれど、その分、特に印象に残るものがなく何となく終わってしまった感じ。
代表作とされる《三文オペラ》はどうだったっけ?と思いだそうにも思い出せず。ダメだな~私。
二曲目はフランシス・プーランク(1899~1963)の2台のピアノのための協奏曲。
プーランクの作品の中でも特に好きな曲。かつてパスカル・ロジェの録音など繰り返し聴いた時期もあったので、随分と久しぶりに聴いたプーランクはとても楽しかった♪
あの独特なリズム感とエキゾティックな響き、ミンコフスキさんはバロックや古典だけでなく、こういう粋で小洒落た現代音楽もお手のものなのですね~さすが~と聴き惚れてしまいました。
2楽章のモーツァルトの引用部分も面白いです。
聴きながら映画《アマデウス》を思い出したりしてました。(最近、音楽を聴きながらの雑念が多いなぁ)
若い二人のピアニストも大健闘。ところどころオケに比べてピアノがやや力不足かな~と思う部分もあったけど、今回聴かせてくれたキラリと光る魅力を、今後、更に磨いていかれることでしょう。
そして、休憩をはさんで演奏されたモーリス・ラヴェル(1875~1937)のマ・メール・ロアも楽しかった♪
ラヴェルも大好き!
もうお馴染みのメロディなのだけど、色彩感あふれる何とも心地よい音の流れに身をゆだねられる喜び。
なんて贅沢なんだろう。
暑さ疲れが吹き飛ぶ爽快な演奏でした♪
来春のミンコフスキ&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルの来日公演も楽しみ!
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マルク・ミンコフスキ&ルーヴル@東京オペラシティ(2009/11/05)