« 雨にけむる三千院 | Main | ヴォーリズ展 in 近江八幡 その1 »

02 November 2009

オルガンの音響く「明治学院礼拝堂」

Meijigakuin01昨日、数少ない東京のヴォーリズ建築の一つ「明治学院礼拝堂」へ行ってまいりました♪

一月ほど前のこと、東京文化財ウィーク2009のパンフレットをパラパラとめくっていると、そこには、2日間のみ特別公開される「明治学院インブリー館」と共に、ヴォーリズさんが手がけた礼拝堂も一般公開されるという情報が。
これは絶対行かなくちゃ!と楽しみに待っていたのでした。

Meijigakuin02この日は、ちょうど学園祭も開催されていて、道中、ブラスバンドとチアリーダーのパレードに遭遇したり、キャンパス内は学生さん達の元気な呼び込みの声があふれていたりと、なかなか賑やかでした。

そんな訳で、ゆっくり静かに拝見させていただくという訳にはいかなかったのですが(見せて頂いてるのに、そんなこと言うのは我が侭ですね)逆に学園祭期間中だったが故の幸運もありました。

Meijigakuin03飾り気のない小さな入り口からエントランスに足を踏み入れると、あ!オルガンの音がする♪
そのメロディーに導かれるようにして中に入ると、想像していたより、ずっと大きな礼拝堂には、これまた、とても立派な美しいパイプオルガンがあり、ちょうどバッハ(だと思う)が演奏されている最中でした。(翌日の演奏会のリハーサルだったようです)

Meijigakuin04入り口でいただいたリーフレットによると、2003年12月から2008年2月にかけて行われた礼拝堂の改修工事に併せて設置が進められていたオルガンは、オランダ人オルガン・ビルダーのヘンク・ファン・エーケンさんの「最高品質のオルガンを設置したい」という妥協のない制作姿勢により完成が大幅におくれ、つい先日の2009年10月末に奉献式を終えたばかりのピッカピカの新しいオルガンだったのです♪

そして、このオルガン、もちろん新品なのですが、18世紀前半の北西ヨーロッパの伝統を受け継いだ「古き良き音」を再現したものだそうで、19世紀に一度完全に途切れてしまったオルガン建造技術を復活すべく、材料の吟味から始まり、すべて工程で古来からの方法を使って手作りしたのだそうです。

Meijigakuin05ところで、1916年(大正5年)に竣工した礼拝堂は、その3年後にヴォーリズさんご自身も結婚式を挙げられた縁あるもので、その、むき出しの梁と木組みの天井が特徴の、とても素晴らしい建物でした。
堂々とした威厳を保ちながらも、暖かで優しさを感じさせるところがヴォーリズさんらしいですね。
ただ、礼拝堂翼部は昭和9年に増築されたものなので、もしかすると竣工当時と現在とでは外観も内部の印象も、かなり違ったものになっているかもしれないです。
オルガンの音色に耳を傾けながら、翼部の無かった頃を頭の中でイメージしてみたり、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

   ◇  ◇  ◇

明治学院礼拝堂
1916年(大正5年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
東京都港区白金台1-2-37

【関連エントリ】
明治学院「インブリー館」
明治学院「記念館」

|

« 雨にけむる三千院 | Main | ヴォーリズ展 in 近江八幡 その1 »