ヴォーリズ展 in 近江八幡 その1
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880〜1964)が1905年(明治38年)に24歳で来日して以来、活躍の拠点として生涯のほとんどをすごし、現在も建築ばかりでなく多くの功績の残っている近江八幡で、10月3日から11月3日まで開催された「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展 in 近江八幡」へ行ってきました。
ヴォーリズさんに関する展示を近江八幡市内に現存しているヴォーリズ建築に分散展示し、街を散策しながら、様々な角度から迫ったヴォーリズさんの横顔に触れることのできる画期的な展覧会でした。
また、公式ガイドブックに載っているモデルコースに従って街を巡っていけば、初めてこの街を訪れた私のような不慣れなものでも効率よくヴォーリズ建築をまわることができ、大助かりでした。
そして、各々の会場で案内役を務めてくださった市民ボランディアの方々と言葉を交わしたり、説明をしていただいているうちに、街の人々がヴォーリズさんに対して親しみや慈しみの気持ちを持ち続け、誇りに思っていらっしゃることが、とても強く伝わってきました。
そんな、今もヴォーリズさんの息づいている街を、私もタイムスリップした気分で、のんびりと楽しく散策させていただきました。
一番最初は「旧八幡郵便局舎」。
小さいながらも、とてもエキゾティックな外観が印象的な建物でした。
内部には、作り付けの木製カウンターや引き出しが当時のまま残っていて、細かな植物模様の刻まれたガラスが、とても繊細でステキでした。
次は「近江兄弟社学園ハイド記念館」。
近江兄弟社学園は、ヴォーリズ夫人の満喜子さんが開いた保育施設「清友園」から始まった現在は保育園から高等学校までが併設された学校で、私が訪ねた日は休日だったのですが、クラブ活動で登校していた生徒さんが爽やかな挨拶を、ごく自然にしてくださったのが、とても気持ちよかったです。
階段の下に引き出しが設けられていたり、小さな子供たち一人一人のための木製ロッカーなど、とても細やかな配慮の行き届いた、優しさにあふれた美しい建物でした。
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旧八幡郵便局舎
1921年(大正10年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
滋賀県近江八幡市仲屋町
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近江兄弟社学園ハイド記念館
1931年(昭和6年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
滋賀県近江八幡市市井町