アルバン・ベルク《ルル》@びわ湖ホール
2009年10月4日(日)
滋賀県立芸術劇場 ぴわ湖ホール 大ホール
アルバン・ベルク《ルル》
ツェルハ補筆による3幕完成版
指揮:沼尻竜典
演出/装置:佐藤信
ルル:飯田みち代
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:小山由美
アルヴァ:高橋淳
劇場の衣裳係/ギムナジウムの学生/ボーイ:加納悦子
医事顧問官/銀行家/教授:片桐直樹
画家/黒人:経種廉彦
シェーン博士/切り裂きジャック:高橋祐樹
管弦楽:大阪センチュリー交響楽団
◇ ◇ ◇
アルバン・ベルクの《ルル》は音楽的にも演劇的にも大変難しい作品だそうで、上演される機会も少なく、私も初めて観たのは、2003年11月に日生劇場で日本初演された時。(ルルを歌ったのは天羽明惠さん)次は、2005年2月に新国立劇場での2幕版。(ルルは佐藤しのぶさん)そして、今回が3回目。
まずは、飯田みち代さん演じるルルが、とても良かったです。
歌唱は勿論のこと、純真可憐かつ自然体で、男たちを次々と破滅に追い込んでゆくファム・ファタールを見事に演じていて、私がこれまで抱いていたルル像とは少し違う感じでしたが、「うんうん、こういうルルもありかもね。」と、しっかり納得させられました。
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢の小山由美さんは、役柄を、すっかり自分のものにされていて、余裕すら感じられ、安心して聴けました。しかも小山さんの男装の令嬢はビジュアル的にもカッコイイ!(^^)
シェーン博士の高橋祐樹さん、アルヴァの高橋淳さん、画家の経種廉彦さんら男声陣も、とても素晴らしく、オーケストラも良い意味で緊張感の保たれた密度の濃い演奏でした。
(これからも、大阪センチュリー交響楽団を応援しなくちゃ♪)
舞台美術は、正直、私の好みではなくて(^^;;; 「あっ!キレイ!」とハッとさせられたのは、唯一ルルが身体に貼りつくような薄いドレスの上に色鮮やかな着物を羽織ったところ位かな? それから、沼尻さんの指揮姿が映しだされた複数のモニターや舞台上のオケの意味が私には良く解らなかった。(^^;;;
でも、限られた道具を色々に見立たり、平面ではなく地下に部屋を配したアイディアは面白かったです。
◇ ◇ ◇
そんな訳で、1998年にオープンした当初から「素晴らしい劇場!」とオペラファンの間で絶賛されていた(なのに一時は休館危機に追い込まれたそう)憧れの「びわ湖ホール」初体験は、とても楽しいものとなりました♪
それにしても、何と贅沢なロケーションの劇場なんでしょう!
第一幕が終わり薄暗い場内からロビーに出ると、そこには青々と広がる雄大な琵琶湖。
簡単に建物の外に出て湖畔を散歩することもでき、パチパチ写真を撮っていたら、毎日、ホール周辺に犬の散歩に来ているという地元の方に「今日は何をやっているのですか?」と声をかけられ、「ルルっていうオペラです。滅多に上演されない珍しい作品なので東京から来ました。」と答えたら驚かれてしまいました。(^^;;;
劇場の運営は色々な面で大変だし、県民の方々にとっては負担かもしれないけれど、これからも良い形で維持していってもらえたら、一音楽ファンとしては、とても嬉しいです。
機会をつくって、また観に行きます♪
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