龍安寺の石庭
先ほどバスを降りた表通りに戻ってみると、やっぱり、ここもバスを待つ人々で溢れかえっています。
そこで、私は二つの寺を結ぶ「きぬかけの道」を歩いて龍安寺へ向かうことにしました。
ある夏の暑い日、宇多天皇(867~931)が雪見がしたいと言い出したため、衣笠山を白い絹で覆い雪景色に見せたという話から名づけられた「きぬかけの道」。
その由来から、もう少し風情のある道なのかと想像していたら、結構スピードを出した自動車が絶えまなく通る交通量の多い坂道でした。(^^;
でも、歩道が整備されていたので、鬱蒼とした竹藪や緑濃い大木に覆われた道を、足元にコロコロと転がる木々の実を観察しながら楽しく歩くことができました。
◇ ◇ ◇
さて、龍安寺は、石庭はもちろん、苔むした緑多き境内、そして睡蓮や蓮の咲く池が、とても美しかったです。
金閣寺から程近い場所なのに、修学旅行生の姿はパッタリと消えてしまったし、グループで訪れている海外からの観光客もドヤドヤと石庭の前まで来たかと思うと立ったままカメラのシャッターを1、2回切るとアッと言う間にいなくなってしまうので、細切れの僅かな時間ではあったけれど辛うじて静寂を取り戻した空間で鑑賞することができました。
そして、私は、すっかり石庭に魅せられてしまいました。
とても洗練されていてカッコイイ♪
また、長いこと私は、石の庭なのだからモノトーンの世界だろうと思い込んでいたのだけれど、実際に拝見して、それが全くの的外れだったことも解りました。
光の角度や強さで変化する石の複雑な表情、光を吸収して深みの増す浅緑色の苔、白砂の柔らかな輝き、そして菜種油を練り込んだ築地塀の微妙な色合い、そこには、とても色彩豊かな世界が広がっていました。
そして、極めてシンプルな造りである分、時間の経過や季節の変化によって限りないほど豊かな表情を見せてくれるのだろうなと感じました。
次は、凍てつく冬の日に拝見してみたいな。
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