雨にけむる三千院
叡山電車で出町柳駅に着くと、外は激しい雨。
あぁ、やっぱり天気予報どおりになってしまった。(^^;;
雨宿りをしないと、ずぶ濡れなってしまいそうなくらい降っています。
次に目指すは大原。
バスに乗ってしまえば濡れずにすむのだけどな・・・
大分遅れて京都バス17番がやってきました。
やれやれ、一安心です。
そして、一時間足らずの小旅行のはじまりです♪
しばらく高野川沿いを走ったバスは間もなく山の中に入り、激しく車体を揺らしながら雨の坂道を駆け上ってゆきました。そんなに急がなくてもいいのに・・・なんて思いながら車窓に広がる風景を眺めていると、バスは終点の大原に到着。一向に納まらない雨の中、また外に放り出されてしまったのでした。
三千院へと続く細い坂道は、流れる雨水が、まるで川のよう。ユルスナールの靴を真似て手に入れたストラップ付きの革製ウォーキング・シューズは、もう中までグッショリです。(涙)
兎に角ここまで来たら黙々と進むしかありません。
どのくらい歩いたでしょう?
やっと辿り着いた三千院は、まさに救いの場でした。
受付をすませ、幾重にも折れ曲がる廊下を進んで、まず「客殿」や「聚碧園」を拝見させていただきました。
そして、更に、その先の「宸殿」へと続く渡り廊下を、渡りきったその瞬間でした。
私は、目の前に広がった景色に圧倒されて、一歩も前に進めなくなってしまったのです。
すごい・・・
ふっくらと瑞々しく膨らんだ苔の輝くような明るい緑。
見上げるほどに大きな杉の樹々。
折り重なる木の葉が作り出す影。
そして、それらをすっぽりと包み込む雨だれ。
きれい!
何てきれいなんだろう。
しばらくして、やっと我に返り、ゆっくり縁側を進んでみると、今度は先ほどまで樹の陰に隠れていたお堂が姿を現しました。
「往生極楽院」です。
お堂からもれ聴こえる読経は雨音と程よく調和し、宗教心のかけらも持ち合わせない私ですが、あまりの心地よさに暫し時の経つのも忘れてしまいました。
雨が降ると、ついつい出かけるのが億劫になってしまいがちな私ですが、今回、雨だからこそ味わえるもののあることを知り、考えを改めました。(^^;;;
「雨の三千院」
素晴らしい出会いでした。