夕暮れの「大丸ヴィラ」
同志社大学のキャンパスで、私は一体どのくらいの時間をすごしたのだろう?
あっちをウロウロ、こっちをキョロキョロ、もう随分沢山の建物を観たつもりになっていたけれど、あくまで、それは今出川通りに面したほんの一部。
さらに奥へと進めば、「同志社礼拝堂」「彰栄館」「ハリス理化学館」「クラーク記念館」と、まだまだ沢山の重要文化財級建築があるのです。
しかし、ふと気がつくと、頬にあたる風も冷たくなり、太陽も建物の影に隠れ始めていました。
ああ、困ったな。
どうしても、今日中に見ておきたいヴォーリズさんの建物が、もう一つあったんだ!
陽が暮れるまでに間に合うだろうか?
う~ん、悩む。
でも、悩んでいる場合じゃない。
仕方ない、同志社は次の機会に、またお邪魔させていただくことにしよう!
そうと決まったら早いです。
今出川から丸太町に向かって京都御苑を左手に見ながら、とっとこ歩き出しました。
本当は、京都御苑の中を、のんびり歩きたかったのです。でも、私のことだから、またきっとキョロキョロしちゃいそうだったので諦めました。(^^;;;
そして、道すがら現れた日本聖公会の「聖アグネス教会」や平安女学院の建物に寄り道したい気持ちも何とか抑え、まだ見ぬヴォーリズさんに向かって脇目もふらず(^^;;;ひたすら歩いたのでした。
すると右手前方に、煉瓦を独特に積み上げた高い塀が見えてきました。
あ、これだ!この積み方はヴォーリズさんに違いない!間に合った~
何とか暗くなる前に到着です。(^^)
木製の大きな門の装飾窓を覗いてみると、京都に居ることを一瞬忘れてしまいそうなチューダー様式の洋館が建ってます。
以前、winter-cosmosさんのブログ「緑の森を楽しく歩いた」で拝見した時から、京都に行ったら必ずや訪ねてみたいと思っていた「大丸ヴィラ」です。(^^)
もともとは大丸さんを創業した下村家の邸宅として建てられましたが、現在は株式会社大丸が所有しているそうです。
非公開のため、高い塀と固く閉ざされた門と大きな樹に囲まれた建物に接近することは出来ませんが、いつもの如く、背伸びをしカメラを中に差し込む裏技で撮影させていただきました。(^^;;; スミマセン・・・
ところで、京都御苑周辺のあちこちで、藤袴の鉢植えが飾られているのを多く見かけました。
近年、絶滅の危機に曝されている野生種の藤袴を守ろうというプロジェクトなのだそうです。
わが家の庭にも赤紫色の藤袴はありますが、野生種の淡い紫色の藤袴は初めて見ました。そこはかとなく素朴でステキです。
大丸ヴィラの門の前にも飾られていたので、パチリ!(^^)
◇ ◇ ◇
大丸ヴィラ(旧下村邸)
1932年(昭和7年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区烏丸通丸太町上ル春日町