« August 2009 | Main | November 2009 »

28 October 2009

雨にけむる三千院

叡山電車で出町柳駅に着くと、外は激しい雨。
あぁ、やっぱり天気予報どおりになってしまった。(^^;;
雨宿りをしないと、ずぶ濡れなってしまいそうなくらい降っています。

次に目指すは大原。
バスに乗ってしまえば濡れずにすむのだけどな・・・

Sanzenin01大分遅れて京都バス17番がやってきました。
やれやれ、一安心です。
そして、一時間足らずの小旅行のはじまりです♪

しばらく高野川沿いを走ったバスは間もなく山の中に入り、激しく車体を揺らしながら雨の坂道を駆け上ってゆきました。そんなに急がなくてもいいのに・・・なんて思いながら車窓に広がる風景を眺めていると、バスは終点の大原に到着。一向に納まらない雨の中、また外に放り出されてしまったのでした。

Sanzenin02

三千院へと続く細い坂道は、流れる雨水が、まるで川のよう。ユルスナールの靴を真似て手に入れたストラップ付きの革製ウォーキング・シューズは、もう中までグッショリです。(涙)
兎に角ここまで来たら黙々と進むしかありません。

Sanzenin03どのくらい歩いたでしょう?
やっと辿り着いた三千院は、まさに救いの場でした。

受付をすませ、幾重にも折れ曲がる廊下を進んで、まず「客殿」や「聚碧園」を拝見させていただきました。
そして、更に、その先の「宸殿」へと続く渡り廊下を、渡りきったその瞬間でした。

私は、目の前に広がった景色に圧倒されて、一歩も前に進めなくなってしまったのです。

すごい・・・ 

Sanzenin05ふっくらと瑞々しく膨らんだ苔の輝くような明るい緑。
見上げるほどに大きな杉の樹々。
折り重なる木の葉が作り出す影。
そして、それらをすっぽりと包み込む雨だれ。

きれい!
何てきれいなんだろう。

Sanzenin06雨にけむる「有清園」です。

しばらくして、やっと我に返り、ゆっくり縁側を進んでみると、今度は先ほどまで樹の陰に隠れていたお堂が姿を現しました。
「往生極楽院」です。

Sanzenin07お堂からもれ聴こえる読経は雨音と程よく調和し、宗教心のかけらも持ち合わせない私ですが、あまりの心地よさに暫し時の経つのも忘れてしまいました。

雨が降ると、ついつい出かけるのが億劫になってしまいがちな私ですが、今回、雨だからこそ味わえるもののあることを知り、考えを改めました。(^^;;;

「雨の三千院」
素晴らしい出会いでした。

|

26 October 2009

心落ちつく「駒井家住宅」

Komaike01東寺を出る頃には、朝から降り続いていた雨もあがり空も明るくなってきました♪

天気予報では確か今日は一日中雨で、午後には、かなり激しくなると言ってたけど・・・

うふふ(^^)私の晴れ女パワーが効いてきたかな?と(いい気なもんだ(^^;;;)足取りも軽く、次の目的地、北白川へ向かうことにしました。

北大路で地下鉄からバスに乗り換え着いたのは、円熟期のヴォーリズさんが手がけた駒井家住宅。
それは白川疎水周辺に広がる緑豊かで閑静な住宅街にありました。

Komaike02半分開いていた小さな門から、そっと中へ入ると、すぐにスパニッシュ風アーチで飾られた玄関が見えます。
そして、そこに立った瞬間、横浜や神戸などに残る西洋式住宅とは何となく雰囲気の違うことに気がつきました。

Komaike03その理由は、ゆっくり建物の中を拝見させていただくうちに解ってきました。

まず、その一つが使われているスケールです。
実際に測ってみた訳でも図面を見た訳でもないので、あくまで私の勘ですが(^^; この住宅は西洋風な意匠だけれど使われた寸法は従来の日本のものだったのではないかと感じました。
もう一つは、過度の贅沢品や華美なものが一つもないこと。

Komaike04ヴォーリズ住宅に欠くことのできない暖炉すらありません。(暖炉と洋瓦は、周囲の景観に配慮した施主の希望により取り入れなかったのだそうです。)

だからでしょうか? あふあふと慌てて到着したにも関らず、その空間に身を置いた途端、我が家に帰ったような、すっと心落ちつくものを感じました。

Komaike05この住宅の施主である駒井卓さん(1886~1972)は、ダーウィンの研究でも知られている理学博士。京都大学で教鞭もとられていたそうです。

「日常生活の使用に対して、住み心地のよい、健康を守るに良い能率的建物を要求する熱心なる建築依頼者の需に応じて、吾々はその意をよく汲む奉仕者となるべきである。」というヴォーリズさんの建築理念に共感したことや、夫人の静江さんとヴォーリズ夫人の満喜子さんが神戸女学院の同窓生だった縁もあり、設計をお願いしたそうです。

Komaike06教え子など大勢の来客にも対応できる居間、庭に面したサンルーム、博士の書斎、窓から比叡山をはじめ周囲の山々が一望できる寝室など、どの部屋も、とても居心地が良さそうでした。

Komaike07_2また、作り付けの家具、腰掛の下の引き出し、機械仕掛けの梯子で登れる屋根裏収納、階段下のスペースを利用したトイレ等、細やかな工夫が随所にみられ、機能的にも優れた住宅だったことが解りました。

Komaike08庭には、ヴォーリズさんの設計ではありませんが書生さんの為の離れや小さな温室も残っていて、決して広いとは言えないスペースですが、博士が住まわれていた当時の雰囲気そのままを伝えているのではないかと思われました。

カメラ片手に住宅や温室を出たり入ったりしているうちに、あっ、また雨が・・・(^^;;;

復路は茶山駅から叡山電車に乗って出町柳まで戻りました。

   ◇  ◇  ◇

駒井家住宅(駒井卓・静江記念館)
1927年(昭和2年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市左京区北白川伊織町64番地

|

25 October 2009

東寺は仏像がすごい

Toji01京都二日目は朝から雨・・・
晴れでも日傘、雨なら雨傘。
大した違いはないさと、ピチピチ♪チャプチャプ♪ 朝の東寺へ出かけてみました。

京都駅から大よその見当をつけて歩き出すと程なく大きな五重塔が見えてきました。さすが日本で一番高い五重塔!
これなら迷子になりませんね。(^^)

Toji02東寺(教王護国寺)は794年(延暦13年)平安遷都の時に桓武天皇によって造営されたお寺だそうで、広い伽藍の雰囲気が奈良のお寺に似ているなと感じたのもそのせいかな?
五重塔はもちろん、南大門、金堂、講堂、どれも大きくて、カメラのファインダーに全体を入れるには下がって下がって下がらないと納まらないのでありました。(^^;;;

Taishakuten

東寺の本格的な活動が始まったのは、823年(弘仁14年)に弘法大師空海が真言密教の道場としてからで、現在も仏像、仏画など密教美術の宝庫なのだそうです。

早速、金堂や講堂に入ってみると、ほんと、すご〜い!仏像がいっぱい♪
そういえば、一日目に巡ったお寺では仏像は一体も拝見しなかったかも?(^^;;;

Tobatsu_bishamontenまずはじめに、拝観受付に近い講堂から。
立体曼荼羅と称される堂内の中は、大日如来さまを中心に21軀もの仏像が所狭しと並んでいます。
とにかく壮観です。圧倒されました。
なかでも象さんにまたがった帝釈天さまの凛々しく美しいこと。惚れました。(^^)

次にまわった金堂には、本尊の薬師如来と両脇の日光、月光菩薩が納められていて、昨年、奈良を旅してから仏像を拝見する楽しさに開眼してしまった仏像ビギナーの私ですが、熱心に本尊に祈りを捧げていらっしゃる方のお邪魔をしないよう、こちらでも、じっくりと鑑賞させていただきました。(^^)

Toji03仏像があるのは、お堂だけではありません。宝物館もすごいです。
ちょうど2009年秋期特別公開「東寺曼荼羅の美」展が開催されていて、平安時代から江戸時代におよぶ40点近い曼荼羅図や仏像を拝見することができました。

中でもステキだったのが兜跋(とばつ)毘沙門天立像♪
まさか、ここで、お目にかかれるとは思いませんでした。(^^)
奈良国立博物館にも、まるで兄弟のようにそっくりな兜跋毘沙門天立像が所蔵されているのですが、このスラリとした立ち姿が大好きです。

Toji04ここまででも充分すぎるくらい東寺の素晴らしさを満喫できたのですが、折角なので、北大門を出たところにある「観智院」も拝見させて頂くことにしました。

1308年(徳治3年)後宇多法皇が東寺に帰依し真言教学を研鑽されていた頃、優秀な学僧が多く輩出され、その中の一人杲宝(ごうほう)によって創建されたのが観智院なのだそうです。

Toji051605年(慶長10年)に再建された客殿は桃山時代書院造り。
弘法大師空海が唐から船で帰国する際、海であった難を海神に守られ無事切り抜けた様子と、五大虚空蔵菩薩像を現している「五大の庭」は、砂紋も荒々しく動的で、前日、観たばかりの龍安寺の石庭とはまるで対照的だったのが面白かったです。

ほかにも宮本武蔵の描いた襖画、唐の青龍寺の本尊だった唐時代の彫刻「五大虚空蔵菩薩像」、江戸時代の「愛染明王像」と見所がいっぱいでした。

すっかり忘れてしまったのが、大師堂と弘法大師像。必ず何か一つ大切なものを見損ねてしまう、おっちょこちょいな私。(^^;;;
もう一度いらっしゃいということかしら?

|

22 October 2009

夕暮れの「大丸ヴィラ」

Daimaru_villa01同志社大学のキャンパスで、私は一体どのくらいの時間をすごしたのだろう?
あっちをウロウロ、こっちをキョロキョロ、もう随分沢山の建物を観たつもりになっていたけれど、あくまで、それは今出川通りに面したほんの一部。
さらに奥へと進めば、「同志社礼拝堂」「彰栄館」「ハリス理化学館」「クラーク記念館」と、まだまだ沢山の重要文化財級建築があるのです。

しかし、ふと気がつくと、頬にあたる風も冷たくなり、太陽も建物の影に隠れ始めていました。

Daimaru_villa02ああ、困ったな。
どうしても、今日中に見ておきたいヴォーリズさんの建物が、もう一つあったんだ!
陽が暮れるまでに間に合うだろうか?


う~ん、悩む。
でも、悩んでいる場合じゃない。
仕方ない、同志社は次の機会に、またお邪魔させていただくことにしよう!

Daimaru_villa06そうと決まったら早いです。
今出川から丸太町に向かって京都御苑を左手に見ながら、とっとこ歩き出しました。
本当は、京都御苑の中を、のんびり歩きたかったのです。でも、私のことだから、またきっとキョロキョロしちゃいそうだったので諦めました。(^^;;;

そして、道すがら現れた日本聖公会の「聖アグネス教会」や平安女学院の建物に寄り道したい気持ちも何とか抑え、まだ見ぬヴォーリズさんに向かって脇目もふらず(^^;;;ひたすら歩いたのでした。

Daimaru_villa04すると右手前方に、煉瓦を独特に積み上げた高い塀が見えてきました。
あ、これだ!この積み方はヴォーリズさんに違いない!間に合った~
何とか暗くなる前に到着です。(^^)

木製の大きな門の装飾窓を覗いてみると、京都に居ることを一瞬忘れてしまいそうなチューダー様式の洋館が建ってます。
以前、winter-cosmosさんのブログ「緑の森を楽しく歩いた」で拝見した時から、京都に行ったら必ずや訪ねてみたいと思っていた「大丸ヴィラ」です。(^^)

Daimaru_villa05もともとは大丸さんを創業した下村家の邸宅として建てられましたが、現在は株式会社大丸が所有しているそうです。

非公開のため、高い塀と固く閉ざされた門と大きな樹に囲まれた建物に接近することは出来ませんが、いつもの如く、背伸びをしカメラを中に差し込む裏技で撮影させていただきました。(^^;;; スミマセン・・・

ところで、京都御苑周辺のあちこちで、藤袴の鉢植えが飾られているのを多く見かけました。
近年、絶滅の危機に曝されている野生種の藤袴を守ろうというプロジェクトなのだそうです。

守ろう!藤袴プロジェクト

わが家の庭にも赤紫色の藤袴はありますが、野生種の淡い紫色の藤袴は初めて見ました。そこはかとなく素朴でステキです。
大丸ヴィラの門の前にも飾られていたので、パチリ!(^^)

   ◇  ◇  ◇

大丸ヴィラ(旧下村邸)
1932年(昭和7年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区烏丸通丸太町上ル春日町

|

21 October 2009

同志社女子大学「ジェームズ館」

Doshisha_james01同志社女子大学の中心となる栄光館の並びに、外観はシンプルではあるけれど何故だかとても気になる建物がありました。

建物側面の扉が大きく開け放されていたので中をのぞかせていただくと、清潔感ある白漆喰の壁や良く磨かれツヤツヤと光る木製の扉や階段、柔らかな光が窓から差し込む廊下の何と優しく暖かで美しいこと! しばらく、ぼおっと見とれてしまいました。

Doshisha_james02

その建物は、同志社女子大学ジェームズ館。栄光館と同じ武田五一(1872~1938)の設計による建築です。

Doshisha_james03武田五一は関西建築界の父と言われるほど著名な建築家だったそうで(知らなかった(^^;;;)生涯に150もの建物を設計しましたが、今ではそのほとんどが取り壊されてしまい、完全な形で残っている最も古い煉瓦造りの建築が、このジェームズ館なのだそうです。

Doshisha_james04武田五一は、同志社に負けない「同女コンパウンド」として、栄光館を真ん中に、両隣りにほぼ同じデザインの旧静和館とジェームズ館を配するという、統一感ある全体計画をしました。
そして、その効果は現在でも抜群に発揮されているなと感じました。

Doshisha_james05また、今出川通りを挟んで、すぐ南側に京都御所、すぐ北側に相国寺という立地にも配慮し、装飾は控えめにし、京都の街並みとの調和も考えて、屋根は和瓦で葺いたのだそうです。

Doshisha_james06そうは言っても、当時、こんなに立派な煉瓦造りの講堂や教室を持つ女学校は他にはなく、女子教育の最先端プロジェクトだったことに間違いはなさそうです。

同志社女子大学のHPには「ジェームズ館探訪」という立派なページもあり、この建物が長く大切に使われてきた同女の誇りであることが、うかがえます。


   ◇  ◇  ◇

同志社女子大学ジェームズ館
登録有形文化財
1914年(大正3年)
設計:武田五一
京都市上京区今出川寺町西入玄武町

|

20 October 2009

同志社大学「新島遺品庫」ほか

同志社大学の今出川キャンパスには、ヴォーリズさんの他にも魅力的な建物が沢山あったので、ここではヴォーリズさんの作品と交えてご紹介です♪

   ◇  ◇  ◇


Doshisha_yushukan西側の門を入ると左奥に見えるのが有終館。
煉瓦が少し黒ずんでいるせいか、いかにも古そうで重厚な雰囲気が漂っています。アプローチの階段も印象的で、なかなかバランスの良いファサードです。
かつて火災被害にあい、取り壊し案も出たそうですが、建築家武田五一からの強い反対にあい修復保存工事が行われました。煉瓦の黒ずみは火災時の傷跡かもしれないですね。
書籍館の役割りを2代目図書館(啓明館)に譲り、現在は事務棟として使われています。

同志社大学有終館(旧書籍館)
重要文化財
1887年(明治20年)
設計:D.C.Green
京都市上京区今出川通烏丸東入


    ◇  ◇  ◇


Doshisha_tienkanこちらは再びヴォーリズさんの設計による建物です。
有終館の斜め向かい側にある致遠館。
周囲に植えられた樹が、すくすく大きく育って、ほとんど建物が見えませんね。(^^;
教室として作られたので入り口を中心にして左右に長く伸びた比較的シンプルな外観の建物ですが、赤い煉瓦に白い石の装飾がさり気なく効いてます。現在は事務棟です。

同志社大学致遠館
1916年(大正5年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区今出川通烏丸東入


   ◇  ◇  ◇


Doshisha_niijimaこの小さな建物もヴォーリズさんです。
女子大側の門を入ってすぐのところにあります。
収蔵庫だから窓が、ぜんぜん無いのですね。(^^;;;
創始者新島襄や同志社関係資料約6,000点が収蔵されているそうです。
原資料は非公開ですがデジタル化されたものはインターネットで閲覧することができます。
新島遺品庫資料の公開

同志社大学新島遺品庫(旧図書貴重品庫)
1942年(昭和17年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区今出川通寺町西入

  
   ◇  ◇  ◇


Doshisha_eikou01新島遺品庫の前を通り、更に奥へ進むと、そのまま隣接している同志社女子大学のキャンパスへ入ることができます。

すると、またまた目をひくステキな建物が次々と現れて来たではありませんか。
その一つが栄光館。女子大の正門からアプローチすれば真正面に位置するシンボル的建物です。
とても個性的なデザインですね。
約1,600人収容できる講堂があり、毎日の礼拝や入学式、卒業式など式典が行われるそうです。

Doshisha_eikou02同志社女子大学栄光館
登録有形文化財
1932年(昭和7年)
設計:武田五一
京都市上京区今出川通寺町西入

|

18 October 2009

同志社大学「アーモスト館」

Doshisha_amherst01一度、門を出て、同志社大学と女子大の間を通っている相国寺の総門へと続く道を進んでゆくと、突如、その瀟洒な姿を現したのが「アーモスト館」でした。

堂々と大きな啓明館とは、まるで対照的な可愛らしい建物は、お伽話に出てくるお屋敷のようで、高い4本の煙突からはサンタクロースばかりでなく妖精や魔法使いも出入りしていそう♪

外観だけでも、これだけ眼を奪われてしまうのだから、内装もさぞかしお洒落なデザインで溢れているのだろうな。

Doshisha_amherst02このコロニアル様式の建物は、同志社大学の創始者新島襄の母校アーモスト大学の卒業生らの寄付で造られた二校の交流のシンボル。
比較的最近まで学生寮として使っていたそうですが、現在は海外からの研究員の長期滞在用の施設として利用されているのだそうです。

Doshisha_amherst03塀や門扉も建物と良く調和していて、洋風建築ばかりの同志社の中でも、この一角だけが特別な空間を作り出していました。

それにしても、何てステキな寮なんでしょう。美しいばかりでなく、良く手入れもされているようで、ここなら快適な研究生活がおくれそうですね。
羨ましい。(^^)

Doshisha_amherst04左の写真は、隣接するアーモスト館の管理棟、こちらもヴォーリズさんの手によるものだそうです。


   ◇  ◇  ◇


同志社大学アーモスト館
登録有形文化財
1932年(昭和7年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区今出川通寺町西入

|

17 October 2009

同志社大学「啓明館」

Doshisha_keimei01京都御所のすぐ北に位置する同志社大学と同志社女子大学は近代建築の宝庫。ため息がでるほど美しい建物がキャンパス内に所狭しとひしめいていて、お目当てだったヴォーリズさんの建物も、もちろん観ることができました♪

Doshisha_keimei02仁和寺を後にしバスで今出川に到着したのは、ちょうど同志社女子中高校生達の下校する時間帯。女子大生のふりをするのは、さすがにもう無理なので(^^;;;学校見学にきた父兄のような顔をして、怪しまれない程度にキャンパス内を散策させていただきました。

Doshisha_keimei03では、まずヴォーリズさんの建物から♪

女子大側の門を入ると、すぐ左側にそびえ建っているのが「啓明館」。
1920年に2代目の図書館として落成した、かなり大規模な建物で、2007年には国の登録有形文化財に指定されたそうです。
現在は、同志社社史資料センターや事務棟として使われています。

Doshisha_keimei06ドッシリとしたアーチ型の庇のついたファサードがとても印象的で、赤い煉瓦と白い窓枠のコントラストが、とても美しいです。
こっそり潜入させていただき、内側から正面アーチ部分の窓や階段も見せていただきました。

Doshisha_keimei05階段手すりの彫刻も手が込んでいて見事です。当時、相当な費用をかけて造られた図書館であったことが、うかがい知れますね。
慌ててシャッターを切ったので(小心者ゆえ(^^;;;)ピンボケ写真です。

   ◇  ◇  ◇


同志社大学啓明館(旧図書館)
登録有形文化財
1920年(大正9年)
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
京都市上京区今出川通寺町西入

|

15 October 2009

宇多天皇と仁和寺

Ninnaji01龍安寺の石庭を眺めていたら、いくら時間があってもキリがなさそうだったので、少し心残りではあったけれど、カメラに数枚写真を納め、次の目的地、仁和寺に向かうことにしました。

Ninnaji02龍安寺を出て、再び「きぬかけの道」を進むと、程なく仁和寺に到着。

広大な境内に足を踏み入れると、真っ直ぐに伸びた幅の広い参道の上に空が大きく開け、すかっと爽やかな気持ちになりました。

Ninnaji03そんな第一印象を持った一方、京都御所の紫宸殿を移築したという金堂や、御殿内の数々の建物や庭は、上品かつ雅やかな趣にあふれていて、書院を結ぶ長い渡り廊下をスルスルとすり足で歩いていると、私まで、どこぞの姫君になった気分でした。(^^;

Ninnaji04それもそのはず、仁和寺は、真夏に「雪景色が見たい!」なんて、とんでもないことを言った宇多天皇が、光孝天皇の遺志をついで落成させた門跡寺院だったのでした。

宸殿や書院は外観も内装も、とても優美。
螺鈿細工の棚や調度品、色鮮やかな襖絵で飾られた部屋が次々と現れました。
これでもかこれでもかと、あまりに沢山あるので、ちょっと見飽きちゃったほど。(^^;

Ninnaji05そんな訳で、飽和状態の目と頭、歩きづめで疲れた足を休めるため、しばらくの間、砂紋の見事な南庭で佇ませていただきました。(^^;;;

Ninnaji06明るい広々とした庭を眺め、元気も回復したところで、そろそろ、今回の旅の、もう一つの目的であるヴォーリズ建築を訪ねるべく動き出さなくてはなりません。
途中、人の多さに閉口してしまいながらも、鹿苑寺、龍安寺、仁和寺で得たものを自分の中に取り込み、再び59番系統の市バスに揺られて町の中心へ戻ることにしました。

まだまだ京都第一日目は終わらない~(^^)

|

14 October 2009

龍安寺の石庭

Ryoanji01そそくさと鹿苑寺を後にし、次は龍安寺へ。

先ほどバスを降りた表通りに戻ってみると、やっぱり、ここもバスを待つ人々で溢れかえっています。
そこで、私は二つの寺を結ぶ「きぬかけの道」を歩いて龍安寺へ向かうことにしました。

Ryoanji02ある夏の暑い日、宇多天皇(867~931)が雪見がしたいと言い出したため、衣笠山を白い絹で覆い雪景色に見せたという話から名づけられた「きぬかけの道」。
その由来から、もう少し風情のある道なのかと想像していたら、結構スピードを出した自動車が絶えまなく通る交通量の多い坂道でした。(^^;

Ryoanji03でも、歩道が整備されていたので、鬱蒼とした竹藪や緑濃い大木に覆われた道を、足元にコロコロと転がる木々の実を観察しながら楽しく歩くことができました。

    ◇  ◇  ◇

さて、龍安寺は、石庭はもちろん、苔むした緑多き境内、そして睡蓮や蓮の咲く池が、とても美しかったです。

Ryoanji04金閣寺から程近い場所なのに、修学旅行生の姿はパッタリと消えてしまったし、グループで訪れている海外からの観光客もドヤドヤと石庭の前まで来たかと思うと立ったままカメラのシャッターを1、2回切るとアッと言う間にいなくなってしまうので、細切れの僅かな時間ではあったけれど辛うじて静寂を取り戻した空間で鑑賞することができました。

Ryoanji05そして、私は、すっかり石庭に魅せられてしまいました。
とても洗練されていてカッコイイ♪

また、長いこと私は、石の庭なのだからモノトーンの世界だろうと思い込んでいたのだけれど、実際に拝見して、それが全くの的外れだったことも解りました。

Ryoanji06光の角度や強さで変化する石の複雑な表情、光を吸収して深みの増す浅緑色の苔、白砂の柔らかな輝き、そして菜種油を練り込んだ築地塀の微妙な色合い、そこには、とても色彩豊かな世界が広がっていました。

そして、極めてシンプルな造りである分、時間の経過や季節の変化によって限りないほど豊かな表情を見せてくれるのだろうなと感じました。
次は、凍てつく冬の日に拝見してみたいな。

|

13 October 2009

金閣寺は大混雑!

Rokuonji0120年ぶりに訪ねた京都(正確には、昨年、奈良の帰りに少し寄り道したけど)のスタートは鹿苑寺。

実は鹿苑寺(金閣寺)を訪ねたのは、この歳にして初めて。(^^;;;
中学校の修学旅行の時も、高校の修学旅行の時も、あえてスルーしたのでした。

なのに今さら・・・
とは思ったけれど、少しでも京都の町の土地勘がつかめればと、一番解り易そうな市バス59番に乗って出かけてみたのでした。

Rokuonji02ホテルに荷物を預けて河原町三条からバスに乗車。

それにしても、京都のバスって揺れる。
道路の舗装が悪いのか?バスの車体が古いのか?運転手さんが元気なのか?
よく解らないけど、とにかく怖かった~(^^;;
途中、京都市役所や同志社大学や冷泉家の前を通ってバスは進み、そして、金閣寺に無事到着。

Rokuonji03案の定、お寺は修学旅行生や海外からの旅行客で一杯でした。

どうもここは長い時間を過ごすような場所ではなさそう。(^^;
三島由紀夫や黛敏郎の作品に思いを馳せてみようと試みてはみたけれど、う~む、さすがにこの喧騒の中では無理かもと、ブログ用に写真を数枚撮影して退散。

やっぱり外観のみの拝観は、ちょっと物足りないですね。(^^;
機会があったら、大書院で若冲の障壁画を観てみたいものです。

|

06 October 2009

アルバン・ベルク《ルル》@びわ湖ホール

Biwakohall012009年10月4日(日)
滋賀県立芸術劇場 ぴわ湖ホール 大ホール

アルバン・ベルク《ルル》
ツェルハ補筆による3幕完成版

指揮:沼尻竜典
演出/装置:佐藤信

ルル:飯田みち代
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:小山由美
アルヴァ:高橋淳
劇場の衣裳係/ギムナジウムの学生/ボーイ:加納悦子
医事顧問官/銀行家/教授:片桐直樹
画家/黒人:経種廉彦
シェーン博士/切り裂きジャック:高橋祐樹

管弦楽:大阪センチュリー交響楽団

   ◇  ◇  ◇

Biwakohall02アルバン・ベルクの《ルル》は音楽的にも演劇的にも大変難しい作品だそうで、上演される機会も少なく、私も初めて観たのは、2003年11月に日生劇場で日本初演された時。(ルルを歌ったのは天羽明惠さん)次は、2005年2月に新国立劇場での2幕版。(ルルは佐藤しのぶさん)そして、今回が3回目。

まずは、飯田みち代さん演じるルルが、とても良かったです。
歌唱は勿論のこと、純真可憐かつ自然体で、男たちを次々と破滅に追い込んでゆくファム・ファタールを見事に演じていて、私がこれまで抱いていたルル像とは少し違う感じでしたが、「うんうん、こういうルルもありかもね。」と、しっかり納得させられました。

ゲシュヴィッツ伯爵令嬢の小山由美さんは、役柄を、すっかり自分のものにされていて、余裕すら感じられ、安心して聴けました。しかも小山さんの男装の令嬢はビジュアル的にもカッコイイ!(^^)

シェーン博士の高橋祐樹さん、アルヴァの高橋淳さん、画家の経種廉彦さんら男声陣も、とても素晴らしく、オーケストラも良い意味で緊張感の保たれた密度の濃い演奏でした。
(これからも、大阪センチュリー交響楽団を応援しなくちゃ♪)

舞台美術は、正直、私の好みではなくて(^^;;; 「あっ!キレイ!」とハッとさせられたのは、唯一ルルが身体に貼りつくような薄いドレスの上に色鮮やかな着物を羽織ったところ位かな? それから、沼尻さんの指揮姿が映しだされた複数のモニターや舞台上のオケの意味が私には良く解らなかった。(^^;;;
でも、限られた道具を色々に見立たり、平面ではなく地下に部屋を配したアイディアは面白かったです。

   ◇  ◇  ◇

Biwakohall03そんな訳で、1998年にオープンした当初から「素晴らしい劇場!」とオペラファンの間で絶賛されていた(なのに一時は休館危機に追い込まれたそう)憧れの「びわ湖ホール」初体験は、とても楽しいものとなりました♪

それにしても、何と贅沢なロケーションの劇場なんでしょう!
第一幕が終わり薄暗い場内からロビーに出ると、そこには青々と広がる雄大な琵琶湖。

簡単に建物の外に出て湖畔を散歩することもでき、パチパチ写真を撮っていたら、毎日、ホール周辺に犬の散歩に来ているという地元の方に「今日は何をやっているのですか?」と声をかけられ、「ルルっていうオペラです。滅多に上演されない珍しい作品なので東京から来ました。」と答えたら驚かれてしまいました。(^^;;;

劇場の運営は色々な面で大変だし、県民の方々にとっては負担かもしれないけれど、これからも良い形で維持していってもらえたら、一音楽ファンとしては、とても嬉しいです。
機会をつくって、また観に行きます♪

|

04 October 2009

びわ湖ホール♪

びわ湖ホール♪
今日は紫式部ゆかりの石山寺で午前中をすごした後、一度は行ってみたかった「びわ湖ホール」で、アルバン・ベルクの《ルル》を観てきました♪

幕間は琵琶湖畔を散歩♪
とてもステキな劇場でした!(^-^)

今、のぞみは名古屋を出たところ。これから東京に帰りま〜す。

|

03 October 2009

近江八幡に来ました!

近江八幡に来ました!
今日は、近江八幡旧市街で分散展示の始まった「ヴォーリズ展in近江八幡」と豊郷小学校旧校舎で、ヴォーリズさん三昧の楽しい一日を過ごしました♪

途中、ちょっと彦根城に寄り道したけど(^^;

写真は豊郷小学校旧校舎階段手摺りの「ウサギとカメさん」

|

02 October 2009

雨の大原三千院

雨の大原三千院
今日は朝から、東寺、ヴォーリズさんの駒井家住宅、大原三千院、そして先斗町と京都を大満喫!(^-^)

晴れ女のパワー不足で、途中びしょ濡れになっちゃったけど、雨にけむる三千院、美しかった〜(^-^)

京都ステキ♪

|

01 October 2009

京都に来ました!

京都に来ました!
竜安寺も仁和寺も金閣寺も人が多くて堪能できず(^^;

帰り道、しょぼんとして立ち寄った同志社大学で、ヴォーリズさんの美しい建物を見たら、やっとテンション上がって来ました〜(^-^)

写真は同志社大学啓明館。

|

« August 2009 | Main | November 2009 »