サントリーサマーフェスティバル2009 オペラ《班女》
2009年8月26日(水)
サントリーホール ブルーローズ
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細川俊夫:オペラ《班女》
三島由紀夫作/ドナルド・キーン翻訳 近代能楽集「班女」による
花子:半田美和子(ソプラノ)
実子:フレドリカ・ブリレンブルク(メゾソプラノ)
吉雄:小森輝彦(バリトン)
指揮:ヨハネス・デビュス
東京シンフォニエッタ
◇ ◇ ◇
昨夜、オペラ《班女》を観てきました♪
とても素晴らしい舞台でした!
2004年にフランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭で大野和士さんの指揮によって初演され、その後、ベルギー、ポルトガル、ドイツなどで上演され高い評価を得た作品が、今回、初めて日本で上演されるとあれば観に行かずにはいられません。(^^;
世阿弥の作とされる能《班女》をもとに三島由紀夫が書き上げた戯曲《班女》をドナルド・キーンさんが英訳したものをオペラ化したのだそうで、会場となったサントリーホール・ブルーローズ(小ホール)も、能舞台を思わせる本舞台と橋掛り、そして正面、中正面、脇正面の座席と、そこはまるでモダンな能楽堂のようでした。
作曲をされた細川俊夫さんご自身による解説があった後、いよいよ開演♪
出演者は3人ともシンプルな黒い装いで、花子と吉雄の持つ大振りな赤と白の扇が印象的でした。
英語による歌唱は、とても聞き取り易く、歌の間に挟み込まれた花子の日本語での台詞は逆に音として聴くと面白いなと感じました。
橋掛りを歩く花子の動作や扇を扱う場面で、ところどころ仕舞の所作を感じる部分もありましたが、音楽から謡や囃子を感じさせることはなく、とても新鮮に聴くことができました。
特にソプラノの半田美和子さん演じる狂女は凄かったです。
実子役のブリレンブルクさんは初演からずっとこの役を歌っているそうで、表情と良い、声の変化のさせ方と良い、すっかり役にはまっていました。
バリトンの小森さんも吉雄という、どうしようもない男のキャラクターを上手く演じていたように思いました。
現代の東京を舞台にした《班女》、登場人物それぞれに思いを寄せてみれば、何となく理解できるような出来ないような・・・
う~ん難しい。(^^;;;
いずれにしても、また時間を経て、このオペラをもう一度観てみたいと思いました。