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11 July 2009

東京国立近代美術館「ゴーギャン展」

Gauguin早めの夏休みをとって「ゴーギャン展」へ行ってきました♪

時間に追われることなく平日の美術館で一日の大半を過ごすことができるなんて、ホント幸せ♪ 久しぶりにアートライブラリにも立ち寄ることができ、以前から気になっていた調べものも片付いてスッキリ!
来る日も来る日も、こんな生活のおくれる身分に早くなりたいものだ~(^^;;;

それはさておき、国内外の秀作が数多く集められた「ゴーギャン展」は、とても見応えがありました。

特に、1897年に家族の中で一番の理解者だと思っていた最愛の娘アリーヌを亡くし落胆したゴーギャンが自殺を決意した上で制作した大作《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》(1897〜98年、139.1×374.6)は圧巻でした。

以前から、ゴーギャンの作品、特に油彩画には惹かれるものがあり造形的には好きな画家だったのですが、人としてのゴーギャンには共感できないところが多々ありました。
しかし、今回《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》を観たり、改めて『ゴーギャンの手紙』(東珠樹訳編、1988年、美術公論社)や『ゴーガン私記 ―AVANT ET APRES―』(前川堅市訳、1984年、美術出版社)を読んでみたところ、「ゴーギャンて、そんなに悪い人間ではなかったのかも?」と、これまで抱いていたイメージが少し変わりました。

それから、『ノア・ノア』の連作版画の展示も良かったです。
ゴーギャン本人による自摺り、ルイ・ロア版、ポーラ版と、同じ版木を使った三種類のバージョンを比較して観ることができ、とても興味深かったです。
自摺りのものは、ぼやけていたりダブっているように見える箇所もあるのですが、かえって、それが表現としての面白さを出しているように感じました。
30版刷られたルイ・ロア版は、ステンシルによる赤と黄の鮮やかな彩色が施されていて、これもまた魅力的でした。
100版刷られた息子ポーラによる機械刷りのものは、彫りの細部まで確認することができ、三種それぞれの異なる味わいを堪能できました。

【関連エントリ】
ポール・ゴーギャン(東珠樹 訳編)『ゴーギャンの手紙』

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08 July 2009

川越市立美術館&川越散歩

Kawagoe06先日、川越市民会館で開かれた知人のピアノ・リサイタルを聴きに、川越まで行って来ました♪

川越となると・・・
なかなか、そう簡単には足を運ぶことが出来ないので、よし!折角の機会だからと少し早めに家を出発し、開演前に川越市立美術館の「相原求一朗記念室」にも立ち寄ってみました。

Kawagoe03蔵造りの街並みが続く界隈は、それはそれは凄い人通りでしたが、街の中心から少し離れた(と言っても徒歩で10分程度(^^;;)川越市立美術館や隣接する川越市博物館まで、わざわざ足をのばす物好きはいないのか? 私以外だ〜れもいない恵まれた環境のもと、久しぶりに相原求一朗の作品を鑑賞できました。

Kawagoe01常設展示室と相原求一朗記念室は、年に4回の展示替えがあるそうで、今回、私は第2期を観させていただきました。

現在、常設展示室ではシャガールやルオーをはじめ難波田龍起ら日本の作家の版画を観ることができ、第2期期間中を更に前期(6/26〜8/9)後期(8/11〜10/4)に分けて展示替えするようです。随分たくさん所蔵しているのですね〜(^^)

Kawagoe02
記念室の相原求一朗(1918〜1999)の作品は、全十数点と決して多いとは言えない数でしたが、昭和20年代のものから平成9年の晩年のものまで相原の作風の変遷をたどれる展示になっていて、どのスタイルも魅力的で目移りしてしまいました。

第4期(2010/1/5~3/28)は、常設展示室で相原の鉛筆やパステルなどで描いた素描類と油彩画が公開され、なんと(まだ予定のようですが(^^;)記念室には北海道の相原求一朗美術館から代表作《北の十名山》がやってくるようです。今から楽しみ♪

Kawagoe04ところで、川越の街は江戸情緒あふれる蔵造りの建物ばかりでなく近代建築も数多く残っていて、思いがけず楽しい散策が出来ました。
次回は川越城址や喜多院も訪ねてみようかな?

Kawagoe05【写真】上から
川越市立美術館&博物館
旧第八十五国立銀行(現埼玉りそな銀行川越支店)1878年
田中屋美術館
旧山吉デパート
小江戸巡回バス
路地裏

【関連エントリ】
日本橋高島屋「相原求一朗展」

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