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28 April 2009

東京国立博物館「国宝 阿修羅展」

Touhaku01この春、奈良 興福寺の「阿修羅像」が、はるばる東京へお越しになられていることは知っていたのですが・・・
混みあう企画展は、どうも苦手。
それに阿修羅さまとは、昨年、興福寺の国宝館で、ゆっくり至福の時を過ごしたばかり。(=^^=)

どうしよう・・・
行くべきか? やめるべきか? それが問題だ!

でも、行かないで後悔するより例え人垣の後ろの方からでもいいから、お姿を拝見して来よう!ということで、比較的すいていると聞いた日曜日の夜間見学時間帯を狙って出かけてみました。

やっぱり行ってよかった♪

Touhaku02トンネルを抜け薄暗い展示室に入ると、博物館だからこそ可能なライティングによって、何とも言いようのない仄かな金色の輝きを放つ阿修羅像が、静かに立っておられました。

その凛とした姿は、まぎれもなくあの阿修羅さま♪ 感動〜

一段高くなった所から、真正面の顔をジッと見つめることもできたし、何より、ガラスケースで遮られることなく360度どの方向からも鑑賞することができたのは、とてもありがたいことでした。

そして、今回、真横から見て解ったのが、背中側に重心が片寄っていて、ちょっぴり不安定な像だったということ。この姿勢で立ち続けるのは、流石に阿修羅でも辛そうだなぁ〜なんて、ついつい要らぬことまで考えてしまった私でした。

Touhaku03さて、この企画展、素晴らしかったのは阿修羅像だけではありません。

時は下って鎌倉時代。康慶作「四天王像」の力強くカッコイイこと!
細長い展示室の奥行きを活かして配置された四体の像と「薬王菩薩立像」の展示の仕方が、なかなか絶妙で、劇的な効果をあげていました。
差し詰め、こちらはヴェルフリンの対立概念で言うところのバロック様式。そして、奈良時代の十大弟子像と八部衆像の展示室は、安定感ある古典様式か?(^^)

そうそう、忘れてはいけない。
阿修羅像を発願した光明皇后の母 橘三千代が拝んでいた法隆寺所蔵の飛鳥時代の仏像「阿弥陀三尊像」と、その「厨子」も出品されていて、保存状態も大変良く、とても見事でした。

【関連エントリ】
私の《阿修羅像》
阿修羅像と興福寺

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