初詣では美術館へ♪
新しい年が明けました。
おくればせながら、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
アメリカの金融危機や国政の失敗に端を発する諸問題やイスラエルのパレスチナ攻撃など心の痛むニュースで始まってしまった年頭、ささやかながら家族そろって健康で和やかな新年が迎えられたことに改めて感謝し、今年こそ平和で誰もが笑顔で暮らせる良い年になりますようにと願わずにいられない元日でした。
新年2日目は、さっそく60号の制作に取り掛かるべく準備開始。
年末、せっかくキレイさっぱり片付けたリビングルームは、早くもモチーフや画材でゴチャゴチャに!
でも、すんなり構図も決まって描く気まんまんです。
今年は、ちょっと考えるところあって少し方向転換を図る予定。
新たな試行錯誤が始まりますが、これからも自分の気持ちと率直に向き合い、勉強を続けて行くつもりです。
3日は、昨年の夏、アメリカで見つかったばかりの天璋院篤姫の乗り物が展示されている特別展「珠玉の輿〜江戸と乗物〜」を観に江戸東京博物館へ。
今、中村彝の《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館所蔵)と鶴田吾郎の《盲目のエロシェンコ》(1920年、株式会社中村屋所蔵)の2点が並べて展示されている滅多にないチャンスだったと思い出したからです。
中村彝の作品は、これまでにも何度か観るチャンスがありましたが、鶴田吾郎の作品を見たのは、今回が初めてでした。
彝のものが、ほぼ正方形の15号位なのに対して、鶴田吾郎のものは一回り大きい20号位の縦型でした。
描かれた角度の異なる二枚のエロシェンコ氏の肖像を交互に見比べていたら、下落合のアトリエでエロシェンコさんを囲んで制作する2人の画家の筆を走らす音が聞こえて来るかのようでした。
また、鶴田吾郎の作品同様、株式会社中村屋が所蔵している中村彝の《少女》(1914年)も出品されていて、モデルとなった俊子へ彝が思いを寄せていたことを、ふと思い出しました。
残念ながら、中村屋さん所蔵の作品は撮影が許可されていなかったので、中村彝の《エロシェンコ氏の像》の画像しかカメラに収めることはできませんでした。
興味のある方は、今月12日まで 4階の特集コーナー「新宿中村屋につどった人々—大正時代の芸術サロン」に展示されていますので、是非、実物をご覧になってください。
ところで、この日の近代美術館は無料入館日だったにもかかわらず館内はとても空いていて、前日の江戸東京博物館の混雑ぶりとは大違い! 静かにゆったりと心ゆくまで作品が鑑賞できました。
その後も、あんまりお天気が良かったので、旧近衛師団司令部庁舎(1910年)の建物を再利用している東京国立近代美術館工芸館にも足を伸ばし珠玉の名品で目の保養をし、そろそろ帰路につこうと東西線竹橋駅に向かって歩いている途中「そうだそうだ!もしかして、このお濠の向こうは篤姫(実は、昨年、NHK大河ドラマに嵌まりました。)が住んでいた江戸城じゃなかったっけ?」と気がつき、北桔橋門から城址に入り、ほころびはじめたフユザクラやロウバイの花を眺めながら歩きました。
現在は、よく手入れの行き届いた芝生の広場になっていますが、僅かに残る番所建物や天守台の跡などから、その広大な江戸城の規模を推し量ることができ、思いがけない楽しい散策になりました。