《紅葉狩》@矢来能楽堂
先週末、神楽坂の矢来能楽堂で《紅葉狩》を観ました。
お能って、静かで、ゆっくりしていて、日本語わからないし、途中で眠くなっちゃいそ〜というイメージが未だあったのだけど、この《紅葉狩》は、戸隠山の鬼が平維茂(たいらのこれもち)を倒そうと美女に化けて近づき最後は本性を現して戦うというスペクタクルな演目で、眠気も吹き飛ぶ面白さでした♪
戦いの場面では、激しいお囃子と謡が続き「喉、大丈夫かしら?」と、こちらが心配になるほど。
ぴょんぴょんと舞台上を飛び跳ねる舞いは抑えられた躍動感とでも言ったらいいのかな?様式化された無駄のない所作にはうっとりするほどの美しさがあって、一瞬たりとも目が離せず舞台に引き込まれていきました。
それにしても、能装束って本当にステキ♪
今回も本来なら見ることの出来ない装束の着付けの様子を拝見させていただき、ごくごく平凡な顔立ちの能楽師さんが面(おもて)をつけた途端、悠久の時を越えた物語の登場人物、しかも美女!に変身してしまったのには何だか神秘的なものすら感じました。
それから、能の公演って、オペラと違ってサッと始まりパッと終わるところも何だか潔くてイイな♪
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能《紅葉狩》
シテ(美女・戸隠山の鬼):桑田貴志
ツレ(侍女):佐久間二郎
ツレ(侍女):坂真太郎
ワキ(平維茂):則久英志
間(侍女):山本則孝
間(男山八幡末社の神):山本泰太郎
笛 :八反田智子
小鼓:田邊恭資
大鼓:亀井広忠
太鼓:小寺真佐人
後見:観世喜正 奥川恒治
地謡:古川充 鈴木啓吾 小島英明 中森健之介