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25 November 2008

《紅葉狩》@矢来能楽堂

Momijigari2008年11月21日(金)
矢来能楽堂

先週末、神楽坂の矢来能楽堂で《紅葉狩》を観ました。
お能って、静かで、ゆっくりしていて、日本語わからないし、途中で眠くなっちゃいそ〜というイメージが未だあったのだけど、この《紅葉狩》は、戸隠山の鬼が平維茂(たいらのこれもち)を倒そうと美女に化けて近づき最後は本性を現して戦うというスペクタクルな演目で、眠気も吹き飛ぶ面白さでした♪

戦いの場面では、激しいお囃子と謡が続き「喉、大丈夫かしら?」と、こちらが心配になるほど。
ぴょんぴょんと舞台上を飛び跳ねる舞いは抑えられた躍動感とでも言ったらいいのかな?様式化された無駄のない所作にはうっとりするほどの美しさがあって、一瞬たりとも目が離せず舞台に引き込まれていきました。

それにしても、能装束って本当にステキ♪
今回も本来なら見ることの出来ない装束の着付けの様子を拝見させていただき、ごくごく平凡な顔立ちの能楽師さんが面(おもて)をつけた途端、悠久の時を越えた物語の登場人物、しかも美女!に変身してしまったのには何だか神秘的なものすら感じました。

それから、能の公演って、オペラと違ってサッと始まりパッと終わるところも何だか潔くてイイな♪

   ◇  ◇  ◇

能《紅葉狩》

シテ(美女・戸隠山の鬼):桑田貴志
ツレ(侍女):佐久間二郎
ツレ(侍女):坂真太郎
ワキ(平維茂):則久英志
間(侍女):山本則孝
間(男山八幡末社の神):山本泰太郎

笛 :八反田智子
小鼓:田邊恭資
大鼓:亀井広忠
太鼓:小寺真佐人

後見:観世喜正 奥川恒治
地謡:古川充 鈴木啓吾 小島英明 中森健之介

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10 November 2008

Bunkamuraザ・ミュージアム「アンドリュー・ワイエス」

Andrew_wyeth01すごいな~
水彩で、ここまで表現できるんだ~
以前から噂には聞いてたけど本当だったんだ~!

荒涼としたアメリカの風景や、内面を深く掘り下げた人物を描くことで知られている画家アンドリュー・ワイエス(1917~ )の展覧会で、その卓越した水彩の描画テクニックに驚かされて帰ってきました。

それは、つい数週間前、先生や仲間と集った時のこと。
ワイエスの水彩技法のことが話題になり、まだ一度も本物を観たことがない私と先生との間で

秩父の加藤近代美術館に6、7点あったはずだけど・・・
確か何年か前に閉館しちゃったんだよね~
あの作品群、今、どこ行っちゃったんだろうな?

へえ、そうなんですかぁ・・・
それは残念だなぁ、観たかったな・・・

Andrew_wyeth02なんて話をした矢先、街で偶然見かけたポスターで「アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)」と題された展覧会がBunkamuraザ・ミュージアムで始まることを知りました。

そして、おぅ!なんてタイムリー!まるで私のための展覧会ね(オメデタイ私)と、早速、開催初日に足を運びましたよ〜♪

今回の展覧会では、テンペラの作品を制作する準備として描かれた鉛筆や水彩による習作が、それぞれ比較できるように展示されていたのも私にとってラッキーでした。

テンペラ作品にみられる堅さのようなものもワイエス独特の世界を作り出していて惹かれましたが、水彩画のほうにはテンペラ作品にはない勢いがあり、画家の息づかいまでもが伝わって来るようで、習作と言えども作品としての魅力を充分に備えているなと強く感じました。
それにしても、あのセピア色の水彩画は本当にステキ♪

お薦めの展覧会です。

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