渋谷区立松濤美術館「池口史子展 −静寂の次−」
しばらく前から開催を楽しみに待っていた、池口史子(いけぐちちかこ)さんの回顧展を観てきました。
期待通りの、とても素晴らしい展覧会でした。
私が池口さんの作品と初めて出会ったのは、3年前のちょうど今くらいの季節に損保ジャパン東郷青児美術館で開催された「池口史子展」でのこと。以来、ずっと注目し、尊敬している画家のお一人です。
今回も、学生時代の作品から最新作までが出品されていて、その変遷を楽しむと共に、常に新しいものへと挑戦されている精力的な活動に目を見張りました。
私自身、ここ2、3年の間に現代作家や作品に対する見方が急激に変化しているのですが、池口さんの作品からは前回同様パワーをいただき、単なる具象画に納まらないセンスの良さを、今回もまざまざと感じました。
ところで、私が美術館を訪ねた土曜日の午後、多摩美術大学教授で府中市美術館館長の本江邦夫さんによる講演会が開かれるとのことだったので、地下2階のホールへ向かってみると、何と!池口さんご本人も会場にいらっしゃるではありませんか!
思わず感激~♪
とても小柄でホッソリとした美しい方で、数々のダイナミックな風景画の大作やシャープでモダンな人物画が、あの細腕から生まれてくるなんてと、ちょっと驚き!
そして、本江さんから求められ少しお話もしてくださったのですが、とても謙虚でらっしゃるのにも好感を覚えました。
時間を搾り出してでも、会期中もう一度足を運びたい展覧会です。