国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ」
デンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864〜1916)の展覧会を観ました。
名前を聞くのも作品を観るのも初めての画家だったという新鮮さも手伝ったのかもしれませんが、久しぶりに満足感の得られた良い展覧会でした。
余分なものを極力そぎ落とした構成、対象を大胆に切り取った構図、グレイッシュトーンの抑えられた色彩の作品には、洗練された上品さがあって、独特の静けさと美しさを醸し出していました。
風景を描いたもの、室内を描いたもの、人物を描いたもの、どれも単に対象を写し取った具象ではなく、これらは画家の心象風景だなと感じました。
そう言えば、どことなくタルコフスキー監督の「サクリファイス」を髣髴させる作品群だったなぁ・・・
また、当時としては、かなり斬新と思える大胆な構図やS型が多いなぁと思ったら、最初、大きなカンバスを用意し、描き進めながら画面のサイズを決めトリミングする制作方法をとっていたそうで、ああ、やっぱりな~と思いました。
大人のための展覧会かなぁ。
お薦め!