ベン・シャーン&アーサー・ビナード『ここが家だ』
以前、ブリヂストン美術館「コレクションの新地平 − 20世紀美術の息吹」 で版画集《リルケ『マルテの手記』より一行の詩のために》を観て以来ずっと気になっていたベン・シャーンの展覧会が、8月8日まで丸の内ギャラリーで開かれていたので観てきました。
生誕110年を記念して開かれた展覧会は、初期のデッサンから油彩画、水彩画、版画、ポスターと、ベン・シャーンの幅広い創作活動の軌跡を見ることができ、とても充実したものでした。
そして、その会場で、絵本『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』のことを知りました。
東京都立第五福竜丸展示館を訪ねたのは、もう随分と前のこと。
それも、わざわざ足を運んだわけではなく、同じ公園内にある夢の島熱帯植物館で開かれてた日本画家 田中一村にちなんだ企画展を観たついでに、何だろう?この建物?と、その斬新な外観の建物に興味を持って立ち寄ったのでした。
あの時、深い悲しみと強い憤り、核への恐怖を感じたはずだったのに・・・
ダメですね・・・
時間が経つにつれ、その時のショックは薄らいでしまいました。
こんな忘れっぽい私は、こういう本こそ、いつでも手の届く本棚に並べておこうと思いました。
不謹慎かもしれないけれど、ベン・シャーンの絵が、とても力強くステキだし、アーサー・ビナードさんの詩も素晴らしいから。
◇ ◇ ◇
ベン・シャーン(絵)アーサー・ビナード(構成・文)
『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』2006年、集英社