B.A.ツィンマーマン《軍人たち》@新国立劇場
昨夜、《軍人たち》を観てきました。
1999年に若杉さん&東京交響楽団でヴォーカルシンフォニー版を聴いているのに、正直あまりよく覚えてないという、どうしようもない私(^^;なのだけど、今回は、大規模オーケストラに加えて特設スピーカーやジャズコンボまで入る、そう簡単には上演できない20世紀傑作オペラの”日本初演”と聞いて、すご~く楽しみに出かけたのでありました。(^^)
B.A.ツィンマーマンの音楽も楽しめたし、演奏も良かったし、歌手のみなさんは歌も演技も、それはそれは見事でした。
演出は、元々はドレースデン国立歌劇場で初演されたプロダクションを借りてきたのだそうですが、さすが2005年ザルツブルク音楽祭の《椿姫》を手がけたウィリー・デッカーさんだなぁと感心させられるところが一杯。
あっという間の2時間半でした。
そして、新国立劇場で、こういう舞台が観られただけでも、すごく画期的!と思ったは思ったのですが・・・
期待しすぎたかな?(^^;;;
座席から立ち上がれないほど打ちのめされる、もっともっと衝撃的な舞台を体験できるのかと・・・
勿論、その内容は、あまりに悲しすぎる卑劣なもので、随分と考えさせられながら見ました。
でも、あの坊主頭や白塗りのメイク、単色の衣裳で登場人物群をグループ分けした舞台美術や、シンプルな箱の中で物語を展開させる手法は既視感があったし古臭ささえ感じてしまいました。
そういえば、2004年に松本で観たサイトウ・キネン・フェスティバルの《ヴォツェック》を思い出しちゃいました。
ひょっとすると、こういう演出は、数年で色褪せて見えちゃうものなのかもしれないですね。(^^;
つくづく、オペラを上演までこぎつけ成功させるって、本当に大変なことなのだなぁと思った公演でした。
◇ ◇ ◇
ベルント・アロイス・ツィンマーマン《軍人たち》
指揮:若杉 弘
演出:ウィリー・デッカー
美術・衣裳:ヴォルフガング・グスマン
マリー:ヴィクトリア・ルキアネッツ
シャルロッテ:山下 牧子
ヴェーゼナー:鹿野 由之
ヴェーゼナーの老母:寺谷 千枝子
シュトルツィウス:クラウディオ・オテッリ
シュトルツィウスの母:村松 桂子
デポルト:ピーター・ホーレ
ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人:森山 京子
若い伯爵・伯爵夫人の息子:高橋 淳
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団