プッチーニ《ラ・ボエーム》@新国立劇場
昨夜、新国立劇場で、マリア・バーヨを聴いてきました♪
あ〜 この日が来るのをどれだけ待ったことか。思えばドレースデン・ゼンパーオパーでのキャンセル以来だもの。
艶やかで張りのある透明な声。
独特の歌いまわし。
それは、もう紛れもなくマリア・バーヨでした。(^^)
兎に角、今回の上演で強く感じたのは、明らかにバーヨが良くも悪くも他の歌手のみなさんから頭一つ抜きん出ていたことでした。
もちろん、ロドルフォ役の佐野さんをはじめ、歌手のみなさんそれぞれが高水準の歌と演技を披露してくださいました。
けれど、一番小柄でほっそりしているはずのバーヨの歌声だけが、特別な音のかたまりになって4階席の私のところまで届いて来るのです。
それは、単に声量があるというのでもなく力に任せて歌っているという訳でもないのにです。
むしろ発声はとても自然で、低音から高音まで常に安定していてムラがなく、言葉の発音も明瞭でした。
逆に言えば、そのせいでバーヨ独特の歌いまわしのようなものが感じられ、もしかすると聴き手によっては好き嫌いがはっきり別れたかもしれません。でも、その個性こそがバーヨの最大の魅力であり強みなのかもしれないと思いました。
それから、オーケストラの東京交響楽団も良かったです。特にピアニッシモになっても鮮明に音を響かせているのが印象的でした。
そして、個性的な歌手、合唱、オケを、手堅くまとめあげた指揮者バルバチーニさんに拍手です。
派手さはないけれど職人技を持ったオペラ指揮者という感じでした。
ところで、このプロダクションでの《ラ・ボエーム》上演は3回目。
今回は、バーヨを聴くのが主目的で、《ラ・ボエーム》を観ようと思って出かけていった訳ではなかったので、別にいいのだけど・・・
何度見ても私には全く響いてくるもののない演出や舞台美術でした。
◇ ◇ ◇
プッチーニ《ラ・ボエーム》
指揮:マウリツィオ・バルバチーニ
演出:粟國 淳
ミミ:マリア・バーヨ
ロドルフォ:佐野 成宏
マルチェッロ:ドメニコ・バルザーニ
ムゼッタ:塩田 美奈子
ショナール:宮本益光
コッリーネ:妻屋 秀和
べノア:鹿野 由之
アルチンドロ:初鹿野 剛
パルピニョール:倉石 真
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:TOKYO FM少年合唱団
管弦楽:東京交響楽団