R.シュトラウス《ばらの騎士》@新国立劇場
昨夜、新国立劇場の《ばらの騎士》を観てきました。
とても良かったです!(^^)
名演とされているカルロス・クライバー&ヴィーン国立歌劇場の映像ですら、第1幕の途中でイヤになっちゃうくらい苦手なオペラだったのに、今回の上演で長らく抱いていた、その悪い(?)イメージが払拭されました。
もう一度観てもいいかなと思うほどです。(^^)
とにかく良かったのが、オクタヴィアンのエレナ・ツィトコーワ!
《フィガロの結婚》のケルビーノを聴いた時から「イイ! カワイイ!」ってチェックしていたのだけど、やっぱり彼女のズボン役って私の好みだったんだなぁ。
今となっては、もう遅いけど、昨年、多忙で見逃してしまった《こうもり》のオルロフスキー役も、無理してでも聴いておけばよかったぁ。
さらに良かったのが、元帥夫人のカミッラ・ニールント。
気品のある美貌の持ち主で、大人の女性の雰囲気にピッタリでした。
第3幕で、若い二人を残し「これで、よかったんだわ」と部屋から立ち去る後ろ姿の潔ぎよいこと。
なんてステキなんだろうとジ~ンときました。
オックス男爵のペーター・ローゼも、田舎貴族を好演してました。
節操のない、女の敵みたいな、どうしようもない役柄で、私が《ばらの騎士》が好きになれない理由のひとつが、このオジサンの存在だったのだけど、ローゼさん演じるオックス男爵は、ちょっと憎めない感じもあって、ま、許せる範囲かな。(^^;
ゾフィーのオフェリア・サラも、か弱い面とシッカリとした面とを併せもつ、若い娘をうまく演じていました。
オクタビアンとの二重唱も美しかったです。(^^)
そのほかの歌手のみなさんも、役がらにピタッとあった歌と演技を披露してくれて、大満足でした。
それから、舞台美術も、とても良かったです。
第1幕と第3幕は、淡いトーンでまとめられ、全体の調和がとれた品のあるものでした。
第2幕のファーニナル邸も、深紅を基調に美しくまとめられていました。
遠近感を強調し、長い廊下を縦長に配した舞台は、最初一見、奇抜にも思えたのだけど、それが舞台に視覚的な奥行きと時間的厚みを感じさせる良い効果を出していました。
それから、女性たちの美しい衣裳も堪能しました。(^^)
今回の演出は、時代設定が本来の18世紀中ごろから、20世紀初めに舞台が移されていたので、コルセットでウエストをしぼりあげ曲線を強調したアール・ヌーボー(ヴィーンだからユーゲント・シュティール?)風のドレスから、ポール・ポワレっぽいハイ・ウエストのドレスやキモノ・スリーブのドレスまで登場し、「ああ、ちょうどアルマ・マーラーなんかが着てた感じね」なんて思いながら、楽しく見てました。(^^)
そうそう、忘れてはいけない。
東フィルの演奏も良かったです。
劇場内に響き渡る、R.シュトラウスの華やかでクラッとくるような音楽を、たっぷり堪能しました。
これって、ペーター・シュナイダーさんの指揮によるところも大きいのだろうな。(^^)
そんな訳で、ジョナサン・ミラー演出の《ばらの騎士》は、舞台全体に品の良さが漂う厭味の無いサラッと口当たりの良いステキな舞台でした。
そして、最後になっちゃいましたが、もしかしてこの作品、20世紀初めという設定が、意外にもピッタリ合ってるのではないかしらと思ったのでありました。
あ、それって単に、私がフリフリ、キラキラのバロック・ロココ様式が嫌いなだけだったりして?(^^;
◇ ◇ ◇
R.シュトラウス《ばらの騎士》
指揮:ペーター・シュナイダー
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:磯野 睦
舞台監督:大澤 裕
元帥夫人:カミッラ・ニールント
オックス男爵:ペーター・ローゼ
オクタヴィアン:エレナ・ツィトコーワ
ファーニナル:ゲオルグ・ティッヒ
ゾフィー:オフェリア・サラ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
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Comments
YASUさん、こんにちは。
新国の《ばらの騎士》、楽しめたようで何よりです。(^^)
私も、これをきっかけに、他のプロダクションの《ばらの騎士》も
積極的に見てみたいと思うようになりました。
それから、そうなんです。今、TB止めちゃってるんです。(^^;
お手数おかけしてしまい、ごめんなさい。
私からYASUさんのブログへTB送らせていただきますね。
Posted by: snow_drop | 21 June 2007 12:52
snowさん、
観てきました!日本でこんな素晴らしい「ばらの騎士」の舞台が見られるなんて感動です。
TBしようとしたら、TB機能を止めているのですね。下にURLを記載しました。
http://kawai0925.cocolog-nifty.com/yasu47/2007/06/post_8678.html
Posted by: YASU47 | 20 June 2007 22:17
にけさん、こんにちは。
チューリヒ歌劇場の《ばらの騎士》だなんて、とても羨ましいです。
チューリヒの舞台美術って、どれも高級感があって、すごく洗練されていてステキですよね。(^^)
カサロヴァのオクタヴィアンも聴いてみたいけれど、私には財政的に、とてもとても無理です。(^^;
今年は、ドレスデンの《ばらの騎士》も11月に来るそうですね。
「ばら」ブームなのかしらん?(^^;
ところで、《ファルスタッフ》、私も先日、観てきました。
舞台美術が「フェルメール」してて、とてもナイスでしたよ。(^^)
Posted by: snow_drop | 15 June 2007 13:01
とてもよかったみたいですね。
失敗しました!ばらはチューリッヒを取ったので、新国はやめておいたのです。来週ファルスタッフもあることだし、再演時に見ます。
Posted by: にけ | 14 June 2007 23:08
YASUさん、こんにちは。
今回、ツィトコーワのオクダヴィアンに接し、やっぱり私はアンネ・ゾフィー・フォン・オッターが苦手だということが、よく解りました。(^^;
歌や声は嫌いじゃないのだけど・・・
やっぱり、あのネットリした演技がダメですぅ(^^;;;;;
日曜日、フレッシュな新国立劇場の《ばらの騎士》も楽しめるといいですね。いってらっしゃい。
Posted by: snow_drop | 14 June 2007 12:42
わぁ、snowさん、観に行ったんだぁ・・・。
僕は今度の日曜日に予定しています♪ このオペラは大好きな作品で、クライバーのバイエルンとウィーンの映像盤を(snowさんとは違って(^^;))何度も見返しています。クライバーの音と錚々たる歌手たちの歌唱が刷り込まれてしまっているので新国立の舞台に失望してしまうのではと心配だったのですが、snowさんの記事を読んで安心するとともに一層楽しみとなりました。
また見終わった後に報告しますね。
Posted by: YASU47 | 13 June 2007 21:06