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25 June 2007

損保ジャパン東郷青児美術館「ペルジーノ展」

Pereginoしばらく前になりますが、「ペルジーノ展 ~ラファエロが師と仰いだ神のごとき人~」を観ました。

新宿西口でポスターを見かけた時から「わぁ! ペルジーノが来るの? うれしいな! 損保ジャパンて、なかなかやるよね~ 絶対に観に行こう!」って楽しみにしていたのですが、その期待に違わぬ、とても良い展覧会でした。

金曜日夜間の会場は、そこそこ入館者がありましたが、混みあって鑑賞を妨げられるようなこともなく、ゆったりと静かな空間でルネサンス時代のテンペラやフレスコの作品を心ゆくまで鑑賞でき、イタリアの小都市にある小ぢんまりとした美術館を訪ねた時のような幸せ気分をたっぷり味わうことができました。(^^)

明るい色彩、均整のとれたプロポーション、安定した構図、甘く優しい表情、大げさで無いポーズ、そして背後に広がる青く透き通った空と明るい緑のウンブリア地方の風景。

う~ん
いい~
うつくし~

作品を観てまわっているうちに、言葉にできない穏やかなものが、すぅ~っと私の中に入り込み、いつの間にかとても清清しい気分になっていたのでした。
私、相当疲れていたのかしらん?(^^;

それにしたって、すごいぞペルジーノ・パワー!
やっぱり私、好きだったんだなぁ~ イタリア・ルネサンス!(^^)
久しぶりに、纏まった数の作品を一度に鑑賞し、改めてその素晴らしさを認識したのでした。


さて、ペルジーノと言えばピエロ・デッラ・フランチェスカから学んだ遠近法(どうも最近、遠近法づいてるなぁ?)を使って描いたヴァチカン・システィーナ礼拝堂のフレスコ壁画《ペテロへの鍵の授与》(1481~82年)が有名ですが、私が好きなのはフィレンツェのピッティ宮パラティーナ美術館にある《マグダラのマリア》(1496~1500年頃)です。

Maria_magdalenaとにかくパラティーナ美術館は右を見ても左を見ても名品だらけだし、ティツィアーノが描いた金髪の巻き毛を身体にまとった、ものすご~く妖艶な《悔悛するマグダラのマリア》(1533年頃)なんていうのもあるしで、サイズも小さく地味目なペルジーノの《マグダラのマリア》は膨大なコレクションの中に埋もれてしまい、見つけ出すのが、もう大変でした!
もと宮殿だった展示室は結構複雑で、同じ部屋を何度も行ったり来たりウロウロ。
でも見つからな~い!(^^;

もう、こうなったら最後の手段だ!
監視係りのおじさんに「ペルジーノのマリア・マダレーナはどこ?」と尋ね、案内までしてもらって(おじさん親切(^^))やっと会えた時は感激もひとしおでした。

かろうじて光輪があるので聖女であることは解るけれど、特別なアトリビュートもなく、ドレスの襟元の「MARIA MADALENA」がなかったらマグダラのマリアとは思えない女性像は、とても艶やかで丁寧な仕上げの作品でした。

流し目が、何気にコケティッシュな雰囲気を漂わせているものの、胸の前にキチンと重ねられた手の指はほっそりと上品で高貴な生まれを感じさせ、ほんのり赤い頬やはにかんだような可憐な口元は無垢な少女のよう。
こんな穏やかで親しみやすい顔立ちこそがペルジーノの魅力の一つなのかもしれないなぁ?
そして、今回、ペルージャのウンブリア国立美術館からやってきた作品の中にも、それを感じることができました。

そのウンブリア国立美術館から、名品の《慰めの聖母》や《カナの婚礼》が、そして、ウフィツィ美術館からも《少年の肖像》が来ています。
レオナルドの《受胎告知》の影で、ひっそりと開かれていたこの展覧会、絶対おすすめです!

【画像】
ピエトロ・ペルジーノ《マグダラのマリア》1496~1500年頃
テンペラ・板 47×34cm
パラティーナ美術館(ピッティ宮)、フィレンツェ
※この展覧会には出品されてません。

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22 June 2007

ヴェルディ《ファルスタッフ》@新国立劇場

Falstaff2007年6月13日(水)
新国立劇場 オペラ劇場

《ばらの騎士》を楽しんだ翌日、またもや新国立劇場で、今度は《ファルスタッフ》を観ました。

ほんとうは違う演目のオペラを二日連続で観るなんてしたくなかったのだけど、チケット発売日に新国のwebボックスオフィスにアクセスして「最安席」「平日」という条件で絞っていったら結果的にこうなっちゃいました。(^^;
という訳で、前夜の《ばらの騎士》の余韻も冷めぬまま《ファルスタッフ》に臨むという、無謀というか、勿体ないというか、何とも贅沢な鑑賞となってしまったのでした。

The_loveletterさて、その《ファルスタッフ》、難しいことは一切ぬきに、ユーモア溢れるヴェルディの音楽とストーリーを堪能することができました。
そして、何よりも楽しめたのが舞台美術でした。

そうなんです!
もう既にチラシでお解りのとおり、衣裳にはじまり、リュートやヴァージナルなど楽器、光の射し込む窓や白黒の大理石の床など室内装飾に至るまで、舞台の上すべてが「フェルメールの世界」だったんです。

The_concert特に、フェルメール自身も作品制作に取り入れていた「二点透視描法」を使って表現された床の模様は、舞台袖に深い奥行きを作り出し、とても強いインパクトのある舞台になっていました。

それにしても、ジョナサン・ミラーさんて「遠近法」好きなのかしらん?(^^;
《ばらの騎士》では「一点透視描法」を使っていたものね。


Lperspektive01【左】《ばらの騎士》の舞台で使われた
一点透視描法
【下】《ファルスタッフ》の舞台で使われた
二点透視描法

Perspektive02







   ◇  ◇  ◇


ヴェルディ《ファルスタッフ》

指揮:ダン・エッティンガー
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:ペーター・ペッチニック
再演演出:田尾下 哲
舞台監督:大仁田 雅彦

ファルスタッフ:アラン・タイタス
フォード:ヴォルフガング・ブレンデル
フェントン:樋口 達哉
医師カイウス:大野 光彦
バルドルフォ:大槻 孝志
ピストーラ:妻屋 秀和
フォード夫人アリーチェ:セレーナ・ファルノッキア
ナンネッタ:中村 恵理
クイックリー夫人:カラン・アームストロング
ページ夫人メグ:大林 智子

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団


   ◇  ◇  ◇


【画像】
ヨハネス・フェルメール《恋文》1670年
44×38.5cm 油彩・カンヴァス
アムステルダム国立美術館(アムステルダム)

ヨハネス・フェルメール《合奏》1665~1666年頃
72.5×64.7cm 油彩・カンヴァス
イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館(ボストン)
※1990年盗難にあい現在行方不明

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18 June 2007

Bunkamuraザ・ミュージアム「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」

Amedeo_modiglianijpg6月はじめの日曜日、Bunkamuraザ・ミュージアムで「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」を観ました。

この展覧会は、エコール・ド・パリの画家アメデオ・モディリアーニ Amedeo Modiglianiと、彼の二十数点におよぶ作品のモデルでありパートナーでもあったジャンヌ・エビュテルヌ Jeanne Hebuterneとの、3年余りと短かったけれど、それぞれの創作活動に互いに影響を与えあった、その軌跡をたどったものでした。

Jeanne_hebuternejpgモディリアーニと知り合った当時のジャンヌは、まだ18歳の画学生でした。
間もなく二人は生活を共にするようになり、ジャンヌの絵はモディリアーニから強い影響を受け大きく変化したことが解ります。でも、そのいかにもモディリアーニ風のそれはジャンヌのものになっていないし、モディリアーニとの力量の差は歴然。
そうだなぁ。やっぱり私はモディリアーニと出会う前のジャンヌの絵のほうが好きだなぁ。
その一つ《ピッチャー、瓶、フルーツ》は、瑞々しい光に溢れ、リズム感があって、とても良い作品だと思いました。

Jeanne_hebuterne02_1一方、モディリアーニは若く美しいジャンヌをモデルにして、ますます制作に勢いがつき、次々と傑作を生み出します。
モディリアーニ独特の人物描写は造形的にも魅力があるし、背景の処理の仕方には、セザンヌと共通するものも感じられ、すごく上手いです。
また、的確な無駄のない勢いある線で描かれた鉛筆デッサンからも、モディリアーニの才能が、あふれ出ていました。

それから、モディリアーニは比較的多作な画家だと思うのですが、35歳で亡くなるまでの6年間という、ほんの短い期間に集中して沢山の作品を残したことに驚きました。
迫りくる死を本人は予感していたのでしょうか?

Jeanne_hebuterne04それにしたって、ジャンヌというミューズを得、徐々に作品も世の中で認められるようになっていたはずなのに、どうしてモディリアーニは酒や麻薬をやめられなかったのだろう?
生来から病弱だったとは言え、早くそれらを断っていれば、もしかして・・・
と思うと残念で仕方ありません。

そして、もっと残念でショックだったのが、モディリアーニを追って、ジャンヌは幼い娘ジャンヌ(母娘ともジャンヌ)を残し、モディリアーニの死の二日後に投身自殺してしまったことです。
お腹の中には8カ月になる赤ちゃんもいたそう。

Jeanne_hebuterne03_1ジャンヌにとってモディリアーニが全てだったのだろうか・・・
う~む、そっくりな絵を描いていたことからも、それは察することができる。

でも、だからこそ生きて欲しかった。
そして、ジャンヌ自身の絵を描いてほしかった。

なんだか、とても切なく悲しい展覧会でした。


【画像】
アメデオ・モディリアーニ《赤毛の若い娘、ジャンヌ・エビュテルヌ》 1918年 個人蔵
アメデオ・モディリアーニ《肩をあらわにしたジャンヌ・エビュテルヌの肖像》1919年
ジャンヌ・エビュテルヌ《ピッチャー、瓶、フルーツ》油彩・カンバス 65×50cm 個人蔵
16歳のジャンヌ・エビュテルヌ

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13 June 2007

R.シュトラウス《ばらの騎士》@新国立劇場

Der_rosenkavalier2007年6月12日(火)
新国立劇場 オペラ劇場

昨夜、新国立劇場の《ばらの騎士》を観てきました。

とても良かったです!(^^)

名演とされているカルロス・クライバー&ヴィーン国立歌劇場の映像ですら、第1幕の途中でイヤになっちゃうくらい苦手なオペラだったのに、今回の上演で長らく抱いていた、その悪い(?)イメージが払拭されました。
もう一度観てもいいかなと思うほどです。(^^)

とにかく良かったのが、オクタヴィアンのエレナ・ツィトコーワ
《フィガロの結婚》のケルビーノを聴いた時から「イイ! カワイイ!」ってチェックしていたのだけど、やっぱり彼女のズボン役って私の好みだったんだなぁ。(^^;
今となっては、もう遅いけど、昨年、多忙で見逃してしまった《こうもり》のオルロフスキー役も、無理してでも聴いておけばよかったぁ。

さらに良かったのが、元帥夫人のカミッラ・ニールント
気品のある美貌の持ち主で、大人の女性の雰囲気にピッタリでした。
第3幕で、若い二人を残し、「これで、よかったんだわ」と部屋から立ち去る後ろ姿の潔ぎよいこと。
なんてステキなんだろうとジ~ンときました。

オックス男爵のペーター・ローゼも、田舎貴族を好演してました。
節操のない、女の敵みたいな、どうしようもない役柄で、私が《ばらの騎士》が好きになれない理由のひとつが、このオジサンの存在だったのだけど、ローゼさん演じるオックス男爵は、ちょっと憎めない感じもあって、ま、許せる範囲かな。(^^;

ゾフィーのオフェリア・サラも、か弱い面とシッカリとした面とを併せもつ、若い娘をうまく演じていました。
オクタビアンとの二重唱も美しかったです。(^^)

そのほかの歌手のみなさんも、役がらにピタッとあった歌と演技を披露してくれて、大満足でした。


それから、舞台美術も、とても良かったです。
第1幕と第3幕は、淡いトーンでまとめられ、全体の調和がとれた品のあるものでした。
第2幕のファーニナル邸も、深紅を基調に美しくまとめられていました。
遠近感を強調し、長い廊下を縦長に配した舞台は、最初一見、奇抜にも思えたのだけど、それが舞台に視覚的な奥行きと時間的厚みを感じさせる良い効果を出していました。

それから、女性たちの美しい衣裳も堪能しました。(^^)
今回の演出は、時代設定が本来の18世紀中ごろから、20世紀初めに舞台が移されていたので、コルセットでウエストをしぼりあげ曲線を強調したアール・ヌーボー(ヴィーンだからユーゲント・シュティール?)風のドレスから、ポール・ポワレっぽいハイ・ウエストのドレスやキモノ・スリーブのドレスまで登場し、「ああ、ちょうどアルマ・マーラーなんかが着てた感じね」なんて思いながら、楽しく見てました。(^^)

そうそう、忘れてはいけない。
東フィルの演奏も良かったです。
劇場内に響き渡る、R.シュトラウスの華やかでクラッとくるような音楽を、たっぷり堪能しました。
これって、ペーター・シュナイダーさんの指揮によるところも大きいのだろうな。(^^)

そんな訳で、ジョナサン・ミラー演出の《ばらの騎士》は、舞台全体に品の良さが漂う厭味の無いサラッと口当たりの良いステキな舞台でした。
そして、最後になっちゃいましたが、もしかしてこの作品、20世紀初めという設定が、意外にもピッタリ合ってるのではないかしらと思ったのでありました。
あ、それって単に、私がフリフリ、キラキラのバロック・ロココ様式が嫌いなだけだったりして?(^^;


   ◇  ◇  ◇


R.シュトラウス《ばらの騎士》

指揮:ペーター・シュナイダー
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:磯野 睦
舞台監督:大澤 裕

元帥夫人:カミッラ・ニールント
オックス男爵:ペーター・ローゼ
オクタヴィアン:エレナ・ツィトコーワ
ファーニナル:ゲオルグ・ティッヒ
ゾフィー:オフェリア・サラ

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

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12 June 2007

「第81回 国展 彫刻部門」@国立新美術館

Kokuten_sculpture01絵画部門の膨大な数の作品を一通り見終えると、さすがの私もグッタリ。
足も痛くなってきたし、頭の中もパンパンの飽和状態(^^;
かといって、これで帰るのも、なんとなく心残り。
ということで、一旦ロビーに出て、少し休憩し、再び気合をいれて「第81回 国展 彫刻部門」も拝見させていただきました。(^^;

彫刻部門も、木彫あり、鉄あり、ブロンズあり、石ありと、素材も表現方法も様々で、所狭しと展示された作品の間を縫って歩くのはなかなか楽しかったです。


Kokuten_sculpture02ぶらぶら気の向くままに観ていると、屋外にも作品がある模様。
へぇ! 国立新美術館には屋外展示スペースもあるんだぁ。

見たい!(^^)

と思って進んで行くと、展示室の裏側にある休憩スペースの大きなガラス越しに、屋外に展示された巨大な作品がみえてきました。

すご~い! 迫力あるな。
どうやって搬入したんだろう? クレーンかなぁ?
随分と費用もかかるだろうな。
なんて、極めて現実的なことを考えてしまったり。(^^;

Kokuten_sculpture03それにしたって、戸外は5月だというのに真夏のような強い日差しが燦々。
う~む、ちょっと紫外線が怖いけど(^^; 出てみようかな。

そんな訳で、屋外展示スペースは、コンクリートからの照り返しが眩しかったけれど、とても広々として気持ちよかったです。
贅沢いえば、鑑賞のあい間に休憩できるベンチや木陰があったら、もっといいな~と思いました。(^^;

あ、そうそう、借景の東京ミッド・タウンの高層ビルはいかがでしょうか?(^^)
これも、超巨大な作品だよね?!

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10 June 2007

「第81回 国展 絵画部門」@国立新美術館

Matsuoka順序が逆になってしまいましたが、5月の上旬、出品している知人から招待券をいただいたので「 国展」を、初めて観させていただきました。

国展は、国画会の公募展で、絵画ばかりでなく、彫刻、写真、工芸、版画の部門もあり、国立新美術館の1階から3階、さらには屋外展示スペースまで使った、とても大規模な展覧会でした。

Sugano

この日は、時間と私の体力と気力の都合により(^^; とてもとても全ての部門をまわることができず、絵画と彫刻にしぼって拝見させていただいたのですが、作品の傾向がバラエティーに富んでいて、斬新かつ個性的なものも多く、とても新鮮で良い刺激になりました。

Momose

また、会員の作品には、数点の作品を一組にした連作ものが多くみられ興味深かったです。サイズは、どれも大きく、連作のものでも一枚が80号クラス、大きなものでは150号クラスのものもありました。
一般公募の作品は、なぜか圧倒的にS型(正方形)のものが多かったです。流行なのかな?(^^)

Tokuhiroそれから、今回もデジカメを持参してたので、受付で「会場内での撮影は可能ですか?」とおうかがいしたら(大抵の公募団体展で撮影は許可されていますが、混雑具合などによって禁止になることもあるため、その都度確認してます。)「ご自身の先生の作品ならば・・・」ということだったので、私にとって気になる作品が全て先生!?という都合の良い拡大解釈にのっとり、しっかり何点もカメラに収めさせていただいちゃいました。ごめんなさい。(^^;

Maeda

【画像】上から
松岡 滋《'07-室内風景》
菅野充造《TWIN 07-1》《TWIN 07-2》
百瀬郷志《葡萄》
徳弘亜男《秋日》
前田宏子《March-2007》

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05 June 2007

東京藝術大学大学美術館「パリへ - 洋画家たち百年の夢」

Veas_paris5月も終わりの土曜日、東京都美術館で開催された「女流画家協会展」と、東京藝術大学大学美術館の「パリへ - 洋画家たち百年の夢」へ行ってきました。

上野公園へ足を運ぶのは3月末以来のことなので随分と久しぶり。

真夏を思わせる強い日差しを避けて木立の中を歩いたり、古い建物を眺めたり、国際こども図書館のカフェテラスでティータイムをとったり、上野ならではの落ち着いた雰囲気を味わいながら、のんびり気ままな休日をすごしました。(^^)

Western_womanそれにしても、老若男女が様々な目的を持って集う公園って、よくよく観察してみると、けっこう面白いですね。
時代錯誤なものやキッチュなものに新鮮さを感じたり、きれいごとではすまされない社会の現実が垣間見えたり・・・

六本木界隈よりも人間味にあふれていて、アート発信地としての役割は衰えるどころか、むしろ層の厚さや、底のほうから湧き上がってくる力強さは、今後かえって際立って行くのではないかなと感じました。

Urashima_zuさて、今回、藝大美術館を訪ねた第一の目的は、以前から、ぜひ実物を観たいと思っていた山本芳翠の代表作《浦島図》が岐阜県立美術館から来たからです。

こうして初めて目にした《浦島図》は、予想に違わぬ強いインパクトある作品でした。
10年間のフランス生活を終え日本に戻った芳翠自らの姿を描いたとされるこの作品は、日本の民話の世界を超越してました。
う~ん、どこからくるのだろう、この不思議な雰囲気は。

ところで、山本芳翠と言えば、明治のはじめ、ヨーロッパで本格的にアカデミックな西洋絵画を学んできた代表的洋画家の一人で、法律を学ぶためフランスに留学中だった黒田清輝に画家の道を勧めたことでも知られてます。
パリ滞在中には、親交のあった詩人ジュディット・ゴーティエや西園寺公望と共に、古今和歌集などから選んだ歌を仏訳し挿絵をつけた詩画集『蜻蛉集』も刊行したのだそうです。

《西洋婦人像》のモデルは、そのジュディット・ゴーティエ。
とても美しい横顔ですね。(^^)


   ◇  ◇  ◇


この展覧会、お目当てだった芳翠の他にも、良い作品に沢山出会えました。

ラファエル・コラン《田園恋愛詩》1882
和田英作《法隆寺金堂壁画第五号壁(半跏形菩薩像)模写》1943(紙・油彩)
大島和代《平和への願い-138のくるみの赤ちゃん》2000-2006

が特に印象に残りました。

そうそう! 帰りに立ち寄った藝大アートプラザで、大島さんの《くるみの赤ちゃん》が一つ7万円!で販売されてました。(^^)

ってことは・・・
138体×7万円で・・・
お~っ! あの展示室にあった《くるみの赤ちゃん》は、〆て966万円な~り!?(^^;

それから、同時に開催されていた「新入生歓迎・春の名品展」に展示されていた、奥谷博さんの《貝と白珊瑚》1966が、とてもステキでした。

【画像】
山本芳翠《西洋婦人像》1882 板・油彩 41.0×32.9
山本芳翠《浦島図》1893-95

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