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15 May 2006

タルコフスキー『サクリファイス』

The_sacrificeアンドレイ・タルコフスキー監督の映画を初めて観ました。
1986年に亡くなられた監督の遺作となった『サクリファイス』。

まず流れてきたのは、バッハ《マタイ受難曲》の「憐れみたまえ、わが神よ」。
そして、画面はレオナルド未完の《東方三博士の礼拝》。
そうなんです! もうこれだけで、私はタルコフスキーに夢中になりそうな予感がしました。(^^;

そして、まず「室内風景」とでも言っていいような美しい室内の映像にしびれました。
そのモノトーンの静謐な世界は、ホイッスラーの絵画を思い起こさせ、家具と人物との空間の取り方、椅子の置き方、人物の座らせ方の上手さに思わず唸ってしまったのでした。
ちょうど今、自分も椅子をテーマに作品を制作しているからかもしれないけれど、椅子が、この映画では結構重要な役割を果たしているように思えました。

その美しい映像だけでも充分すぎるほど魅力的な上に、言葉を話さない“子供”の存在と「はじめに言葉ありき」という『ヨハネ福音書』冒頭との関係や、無神論者であったはずの主人公が核戦争の勃発を知った後、神に自らを捧げるような行動をしたりと謎めいたものを多く含んだ作品に、私は最初の予感どおり、すっかり夢中になってしまいました。

それから、映画の中で、主人公が、誕生プレゼントにもらった美しいロシア・イコンの画集はアンドレイ・ルブリョフのイコンのようで、タルコフスキー監督は同名の映画を残しているので、こちらも見てみたいと思いました。

それから『惑星ソラリス』と『ストーカー』も見たい!(^^)


◇  ◇  ◇

『サクリファイス』 Offret / The Sacrifice
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:エルランド・ヨセフソン、スーザン・フリートウッド、アラン・エドワール
1986年(スウェーデン、フランス)

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10 May 2006

池上英洋『ダ・ヴィンチの遺言』

Ikegamiきっと、もうすぐ映画「ダ・ヴィンチ・コード」が封切られるからかな? 映画そのものの宣伝に始まり関連企画やら便乗商法やら、街中もインターネットの世界も「ダ・ヴィンチ! ダ・ヴィンチ!」って大賑わいの今日この頃。(^^)

芸術関係の書籍を探すには物足りないなぁと、普段は不満に思ってる自宅近くの本屋さんも、その例にもれず、小説の文庫版は山積みになってるし、新書売場にはレオナルド関連の本が平積みになっているしで、この池上英洋さんの『ダ・ヴィンチの遺言』もかなり目立ってました。

今のところ、小説を読むつもりも映画を観るつもりもない天の邪鬼な私は、一旦「はいはい、ダ・ヴィンチ・コードにあやかって書かれた新書ね。」と、ちょっと醒めた目でスルーしかかったのですが・・・
「あれ?見覚えのある名前だなぁ。池上英洋? あれ? 以前、私のレスタウロの記事にトラックバックを送ってくださった池上さん? おお!それなら読まなきゃ!」ってことで、一冊お持ち帰り〜となったのでありました。(^^)

著者は、独立した章で小説『ダ・ヴィンチ・コード』にも触れてらっしゃり、小説が、歴史的事実と不確かな情報とを同レベルで扱っている点に多少なりとも危惧をもたれ、具体的に解りやすくそれら誤解を正してらっしゃいました。

また、レオナルドの出生の秘密や母親への思いと作品との関係などなど興味深い様々なエピソードが「偉大なるレオナルド」を、ちょっぴり身近に感じられる存在へと導いてくださいました。

そして何より驚きだったのが、レオナルドが世の中に名を知らしめるようになった最初のきっかけが「音楽家」としてだったということ。
レオナルドは、自ら発明した楽器を演奏し、その美しい歌声は、多くの人々を魅了したのだそうです。

それから、巻末にレオナルド関連の参考文献が多数紹介されているのが嬉しいですね。
ヴィンターニッツ『音楽家レオナルド・ダ・ヴィンチ』金澤正剛訳、音楽之友社は、ぜひ読んでみたいなと思いました。

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