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09 January 2006

佐藤洋子『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー』

paula佐藤洋子著『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 表現主義先駆けの女性画家』を読みました。

1876年ドレスデンに生まれ1907年に31歳で亡くなった女性画家パウラ・モーダーゾーン=ベッカーの評伝です。

著者は、パウラにゆかりのある街や建物を実際に訪れての取材に加え、パウラと交友のあった詩人リルケをはじめとする芸術家たちとの書簡や、夫の日記などを織りまぜ、生前のパウラの姿をイキイキと著してゆきます。
しかも、彼女を悲劇の女性画家として必要以上に美化することもなく、淡々と書きつづっているところに、私は好感が持てました。

女性が自立して生きてゆくことが今のように容易ではなかった時代、一人の画家として自立しようと苦悩し成長してゆくパウラの短い人生には、考えさせらるものが沢山ありました。

私は、彼女の作品を実際にまだ見たことがないのですが、収録された図版は、どれもとても魅力的で、その内面の表出には、時代の数歩先をいっていた非凡な才能が感じられ、驚くばかりです。
そして、忍耐と寛容で彼女を支援した画家でもある夫、物心共に理解のあった実家、そして友達。それらの存在も忘れてはいけないものだと感じました。

彼女が夭折した後、ドイツは芸術の大きな革命を迎えます。
もし、パウラが生きていたら、どんな絵を描いていたのでしょうか・・・

そのパウラの展覧会が神奈川県立近代美術館 葉山館で、3月26日まで開催されているそうなので、海でも見ながら出かけてみようと思っています。


関連エントリ 神奈川県立近代美術館 葉山館「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展」

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Comments

ちまさん、こんばんは。
おっしゃるとおり!
パウラの絵には、外界から得たインプレッションでもなく、フォーブでもなく、彼女独自の世界観がありますよね。
ヴォルプスヴェーデっていう田舎の芸術家村を拠点にしながら、度々パリを訪れ、当時、最先端だった芸術を肌で感じていたからこそなのかもしれないですね。
特にゴーギャンやセザンヌからは強い影響を受けたみたいです。
本の中の図録にも、セザンヌ風の静物画やゴーギャン風の人物画がありますが、どんな風にそれらを自分のものにしていったのか、もっと沢山作品を見て、その変遷も知りたいですよね。
それから、神奈川県立近代美術館の後、4月2日〜5月28日の日程で栃木県立美術館にも巡回するようです。でも、ちまさんも神奈川のほうが近いですよね。

Posted by: snow_drop | 10 January 2006 at 21:38

今使ってる古いPCに残ってるノートが、ドイツ絵画だけなので、この間、ひたすらドイツ画家の絵ばかり観てました。モーダーゾーン=ベッカー、いました、いました。ドイツ印象派でもなく、ドイツ表現主義とも違う、特異な位置ですよね。

田舎(農村かな)の素朴な人々が描かれていて、彼女の絵は、画家とモデルの「距離」のようなものが感じられません。ゴーギャン風の、ベタリとした色面も、素朴さの一因かも。でもゴーギャンみたいにどぎつくないし、輪郭線による強調もなくて。結構好きな絵です。神奈川に来ている? う~む、ぜひ行ってみたいですが。

Posted by: ちまる | 10 January 2006 at 20:55

こだまさん、こんばんは。
パウラはテンペラも使っていたらしいです。どんなマチエールか、やっぱり実際に作品を見たいですよね。
来られると、いいね。(^^)

Posted by: snow_drop | 09 January 2006 at 23:49

名前は聞いたことありますが、彼女の作品を実際にみたことはありません。 3月までにはそちらのほうに行くチャンスがあるといいなぁ。 原美術館も行きたいし。

Posted by: こだま | 09 January 2006 at 21:49

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