芦原義信『街並みの美学』
芦原義信さんの『街並みの美学』を読みました。
最初、「美学」っていうので、ちょっと構えてしまったのだけれど、通勤電車の中でも大丈夫な、読み易く、解りやすい本でした。
画家佐伯祐三がパリから帰国し、下落合で制作を始めたものの、次第に日本の街並みに満足できなくなり再びパリに渡ったのは有名な話ですが、この本の著者も日本の街並みはなかなか絵にならないと言っています。
その理由として、日本は街並みを規定する建物のしっかりした外壁のような第一次輪郭線以外に、壁面から突出した看板や電柱など第二次輪郭線が多いからだと。
なるほど、確かに第二次輪郭線の存在は、日本の街並みが絵にならない理由の一つかもしれないですね。
他にも、色彩や材質、一つ一つの意匠、そしてそれが集まった時のバランスなど、たくさんの問題があるのでしょうが・・・
それから、著者が20年にわたって訪れた海外の街の紹介も興味深かったです。
陣内さんの著書にも度々登場する南イタリアのチステルニーノは、よほどインパクトある街なのですね。いつか訪ねてみたいな。
また、最近気になりだしたイスラム文化圏の街イランのイスファハーンも出てきました。
この街は泥の日乾しレンガで造られた街だそうで、街というのは、そこに住む人々が長い年月をかけ、その土地の気候風土に合わせて出来あがってゆくものなのだということが良く解る二つの例でした。
その一方で、ル・コルビュジエが手がけたインド・チャンディガールの都市計画。
良し悪しは別として、凄いことやっちゃったんだなぁと思いました。
ところで、私が手にしたのは2001年の文庫版ですが、元々は1979年に出版された本です。ということは、書かれてから既に四半世紀以上が経過している訳です。
少なくとも著者は1970年代終りに、日本の商業主義一辺倒の街づくりに危惧し、もっと人間的な街をつくる必要があると警鐘を鳴らしていたのですね。
私も、落ちつきのある、人々が優しい気持ちになれる街になっていってほしいと思います。
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Comments
こだまさんのお母様は、イタリアの美しい街並みの中で暮らし勉強に励まれていたのですね。うらやましいなぁ。
そうそう、日本のあの混沌とした街並みは、またそこに面白さがあるのは確かですよね。東京の下町も、ごちゃごちゃしてるけど楽しいです。
それから、毎朝、通勤電車の中から見る隅田川と橋、その両岸の街並みなども、悪くないなぁ、きれいだなぁと思うことありますよ。(^^)
Posted by: snow_drop | 15 December 2005 at 13:07
オフクロが留学していたイタリアは本当に素晴しい街並みだったみたい。 それを維持するために行政も住人も並々ならぬ努力をしてるようでしたが。 日本の街並みはカオスですもんね。 猥雑な面白さがあるとは言えると思いますが(笑) snow dropさんの書評とっても面白いので、参考にしながら図書館に行ってきます!
Posted by: こだま | 15 December 2005 at 09:06