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26 November 2005

佐伯祐三のアトリエ

saeki01今日、新宿の世界堂まで画材の買い出しにでかけたので、ちょっと足をのばして下落合界隈を散歩してみました。

その目的は、佐伯祐三のアトリエを見るため。

ソラリスの青い海のアシュラさんの記事を読んで是非訪ねてみたくなったのです。


saeki02高田馬場駅から賑やかな商店街をぬけて神田川を渡り、小鳥のさえずりを聞きながら氷川神社と薬王院の間を進むと、やがて聖母病院が現れます。
そのすぐ裏手の住宅街の小道をはいると、小さな木立の中に佐伯のアトリエはありました。

聞こえてくるのは木の葉の落ちる音だけ。
まるでアトリエの周りだけ、時間の流れが止まっているかのようでした。


亡き画家は画帳を携えこの道を歩みて何を描かんとする
あるじなきアトリエの戸は開かずとも画家の背中を冬空に見る
コンクリに固められし神田川こぼれてたまる落ち葉は紅(あか)く

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21 November 2005

原田満『オペラ放浪記2』もうすぐ発売!

operahourou昨年11月、発売されるやいなや「ヨーロッパでは、こんな気楽に、しかも安くオペラが見られるの?」と、日本の音楽ファンに衝撃を与えた、美学者でありクラシック音楽にも造詣の深い原田満さんの著書『オペラ放浪記 2001年編 ヨーロッパ・オペラ鑑賞旅行記』

その第二弾『オペラ放浪記2 2002〜03年編』が、この12月に、いよいよ発売されるそうです。

第一弾では、ヨーロッパ諸国(ドイツ、イタリア、フランス、スイス等)を61日間縦横無尽に動き回られ、59本のオペラと12回のコンサートを何と60万円で納めてしまった、そのテクニックにまず驚かされたのでした。
そして、時にアクシデントに遭遇してハラハラドキドキさせられたり、心温まる出会いがあったりと読み物としても楽しむことができました。
もちろん、オペラやコンサートの詳細なデータや上演の様子もしっかり掲載されていて、読み応え充分でした。

opera2_coverそして、第二弾2002〜03年編では、さらにスペインやカナリア諸島のラス・パルマスの劇場が加わり、何やら、陣内先生の番組「イタリア縦断1200キロ」でも紹介された、イタリア屈指の景勝地チンクエ・テッレにも足を伸ばされたとか!
あああ〜早く読んでみたいです。
今度は、どんなオペラやコンサートを聴かれたのでしょうか?
音楽ファンはもちろんのこと、ヨーロッパを経済的に旅行してみたいなぁという方にも是非読んでいただきたいお薦めの本です。

その第二弾の発売は、12月の予定だそうですが、11月中に予約をしてくだされば、割引価格でご購入いただけるそうです。
詳しくは下記をどうぞご覧ください。


お申込み方法

原田満「オペラ放浪記2」・ヨーロッパ オペラ鑑賞旅行記
2002&2003年編  知玄舎刊(発売:星雲社)
定価:2,520円(税込み)

・ご予約(割引価格)方法
(1)事前予約による割引は、前金でお願いしております。
お手数ですが、下記の要領でお振り込みをお願い致します。

郵便振替:00100・3・408707
(加入者名) 株式会社 知玄舎

(2)通信欄に、
原田「オペラ放浪記2」(×部数)
とご記入下さい。

(3)1冊、2,300円で、国内送料無料(何冊でも)です。

(4)お渡し
恐らく、12月の中頃までには、届くと思います。お届けは、クロネコ・メイル便を予定しています。もし、発送時期に大きな変更が生じるようでしたら、改めてお知らせ致します。

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20 November 2005

箱階段

hakokaidan「池口史子展」の記事をきっかけに知ったKENJIさんのスローな食に、スローな家。は、その建物が国の登録有形文化財に指定された気仙沼のお米屋さんが舞台のブログです。

昭和初期に造られた建物は、右から左に向かって読む看板もそのまま残されているそうで、現在も、そこで生活されご商売もされているなんてステキですね。

建物を維持保存するためには、さまざまなご苦労があるだろうことは想像に難くないですが、これからも永く残されてゆくに違いないし、そうして欲しいし、私たち日本人にとって間違いなく素晴らしい財産になりますね。

ところで、この真っ黒けな写真、解りづらいのですが、我が家にある箱階段です。

かつては栃木にある父の実家のものでした。江戸時代後期のものだそうです。

階段と箪笥がドッキングした不思議な家具には不思議な魅力があって、子供の頃、正月や夏休みに田舎に連れて行ってもらう楽しみの一つが、この箱階段でした。
大人の目を盗んで、手すりをスルーッと滑り降りて遊んだりもしました。

味わいのある深い色と艶は、長年の囲炉裏や竈で燃やされた火の煤や煙によるもので塗りでは決して再現できないそうです。
取手金具も一つとして壊れておらず、引き出しの歪みもなく今もスイスイ開閉でき、当時の職人さんの腕の高さも感じられます。

数年前、田舎の家が老朽化を理由にとうとう取り壊されることになった時、私はこの箱階段が古物商の手に渡るのが、どうしてもイヤで、伯父にお願いし譲ってもらいました。
いざ東京に運びこんだら、大きすぎて玄関から入らないは廊下は曲がれないはで、窓や格子を外して搬入という大騒動となったのですが、今は私の画材道具をしまったり、踏み板に本を並べたりして活用しています。

結局、古い家の全体像は、僅かに残された写真や8ミリフィルム、そして、私たち家族の朧気な記憶の中に残るのみとなってしまいました。
だからこそ、せめて形としての残ったこの箱階段、何とかして私が死んだ後も残せたらいいなと思うようになりました。

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16 November 2005

森直義『修復からのメッセージ』

shuhuku森絵画保存修復工房の修復家、森直義さんの『修復からのメッセージ』ポーラ文化研究所(2003年)を読んでみました。

ヨーロッパの美術館や教会を訪ねると、お目当ての作品に会えなくて、ガッカリすることがよくありますよね。

その理由が他の美術館の企画展への貸し出しだったりすると悔しさが倍増しちゃうけど、修復中の時は「しょうがないかぁ」って、なぜか許せちゃうんですよね。(笑)

さて、その「絵画修復」が具体的にどんなことをするのか解りやすく紹介されているのがこの本で、入門書とも言えるとても読みやすいものでした。
作品の調査や修復方法だけでなく、材料についての解説もあり、絵を描く立場からも、とても勉強になりました。
これから自分が制作する時のヒントや注意としても参考になりそうです。

また、過去、数多く間違った修復がなされてきた事、画家による修復と修復家による修復との違いなど、とても興味深い記述もありました。

次は、ブランディの『修復の理論』に挑戦。手ごわそ〜

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12 November 2005

たまにはフルートもいいものだ。

Pahudアファナシエフのピアノ・リサイタル以来、「秋の空にシューベルトのピアノ・ソナタはぴったり〜」なんて言って、ケンプの古い全曲録音まで引っ張り出してきて聴いてたら、さすがに飽きました。

そこで、気分を変えて、たまにはフルート!

エマニュエル・パユ『巴里の誘惑 20世紀フランスのフルート音楽』

プーランクからメシアン、ジョリヴェまで、現代フランスを代表する作曲家のフルート曲がいっぱい。
ううん、やっぱりフランスものも良いなぁ。
って浮気者な私。

小曲ばかりなので、フルートは聴いたことがない、20世紀音楽も初めて、という人にもお薦めです。
来日公演でもいつも一緒のピアニスト・ルサージュとの息もピッタリ。
もちろん、パユのフルートは相変わらず美しいです。
お洒落で、どこかアンニュイなパリの香りがしてきます。

少しばかりフルートのピアノ伴奏をしていた頃、勉強になるかなと集めていたフルート曲の中の一枚。

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08 November 2005

民岡順朗『「絵になる」まちをつくる イタリアに学ぶ都市再生』

tamioka都市計画の専門家であり、一級建築士さんでもあり、5年間イタリアに滞在し修復を学ばれ実務にも携われたことのある民岡順朗さんの著書『「絵になる」まちをつくる イタリアに学ぶ都市再生』を読んでみました。

しばらく前から、民岡さんのブログ「パトス ΠΑΘΟΣ」や修復関連サイトにお邪魔させていただいていた私は、この本の発売を、ずっと心待ちにしていました。
そして、本が到着するやワクワクしながら読み始めたのでした。

が、いきなり序章で、ガ~ンと一発ショッキングな事実を突きつけられてしまったのです。

100年後の日本は、このままでゆけば人口が今の半分になってしまうのだそうです。

確かに、今も巨大な高層ビルがニョキニョキ建つ都市開発や、郊外のニュータウン計画は相変わらず続いてるけれど、100年後、それらはどうなっているんだろう?
老朽化もするだろうし、人口半分になるんだから空洞化してスラム街になってしまうかも。
どうする?!

そこでヒントとして登場するのが、現在のイタリアの姿なのです。
そうです、チェントロ・ストリコ(歴史的都心)です。

日本とイタリアを比べる詳しいデータも満載で、ひとつひとつ納得させられながら、あれよあれよと読み進んでいったのでした。
イタリア、日本それぞれの文化、歴史的背景、価値観の相違を、哲学的に分析している章や、イタリアの修復理論についての紹介も読み応えがあり、私にとって、とても役立つ情報もいっぱいでした。

そしてそして、最終章(第5章)、著者は100年後の日本の街を、東京を、どう変貌させるのか!?

私は、その斬新なアイディアに、にんまりしながら読み終えたのでした。
それは何かって?

ヒ・ミ・ツ。

答えは、本を読んでくださいね。(笑)

「いいなぁ、イタリアはどこを見ても絵になるものねぇ。それに引き換え日本には"絵になる風景"がないもん。」と嘆き外にばかり目が行ってしまいがちな私ですが、自分の問題として日本の将来を考える機会を与えてくれた本になりました。

もちろん、イタリアのレスタウロには、ますます感服!

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07 November 2005

損保ジャパン東郷青児美術館「池口史子展」

ikeguchi01「池口史子展」を観てきました。

先生に「勉強になるから是非みてらっしゃい。」と、強く勧められたからで、どんな画家なのか全く知らぬままノンキに西新宿の高層ビル街へと足を運んだのでした。

一言 「行ってよかった!」

洗練された「女性像」、独特な色彩世界を持った「風景画」、沈黙の「静物画」、怪しげな「花々」。
それらは、どれも個性的で、はじめ圧倒されて跳ね飛ばされてしまいそうだったのだけど、いつの間にか魅せられ、最後はすっかり池口ファンになっていたのでした。

東京芸大在学中に描いた骨太で堂々とした「裸婦」をはじめ、約40年にわたる池口さんの画業の変遷を見ることが出来たのも収穫でした。

ikeguchi02

また、カナダ、アルバータ州で見た光景に強烈な印象を受けて以来、多数描かれた小麦倉庫が林立する荒野の風景や、アメリカ北西部の寂しげな街は、オレンジ色の大地と緑がかった青い空が、パーシー・アドロン監督の映画「バクダッド・カフェ」の世界って感じで、とても印象的でした。
ヨーロッパに追いつこうと必死になってる、けれど、やっぱりどこまでもチャチで大雑把なカナダやアメリカの田舎町に「はかなさ」を読み取ってしまう画家の鋭い眼差しにも感心しました。

そして、温かい微笑と冷たさを備えた女性たち。
ひとつの画面の中に二面性を持たせ、いつまでも飽くことなく向かい合える作品。
やっぱり凄いなぁと圧倒された展覧会でした。


【画像 上】
池口史子(1943~  )《ワイン色のセーター》
2002~2003年
油彩、カンヴァス
第27回損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞作品

【画像 下】
池口史子 《WHEAT POOL Ⅱ》
1990年
油彩、カンヴァス
 

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05 November 2005

新国立劇場バレエ団 オルフ《カルミナ・ブラーナ》

Carmina012005年11月3日(木)
新国立劇場オペラ劇場

1995年に初演されたバーミンガム・ロイヤル・バレエ芸術監督デヴィッド・ビントレーの《カルミナ・ブラーナ》が、新国立劇場で上演されることになったので観てきました。

新国立劇場《カルミナ・ブラーナ》

《カルミナ・ブラーナ》は、ドイツの修道院で発見された12~13世紀のものとされる詩集のことで、後にカール・オルフがその中から選んだ詩に音楽をつけ「世俗カンタータ」として1937年にフランクフルトで初演されました。

今も演奏会形式の上演は時々あるけれど「楽器の伴奏を持ち、舞台場面によって補われる独唱と合唱の為の世俗的歌曲」という副題どおりの上演は珍しく、私も初めて観ることができました。

オケピットには、オケ(東フィル)だけでなく合唱、3人のソロ歌手も入って大混雑でしたが、指揮者バリー・ワーズワースさんは手堅い音楽を聴かせてくれました。
それにしても、カウンターテナーのブライアン・アサワさんは、あれっぽっちの出番のために来日してくれたの?
う〜ん、新国って太っ腹!(笑)

さて舞台ですが、モダンでシンプル、いつものことですが私の好きなタイプでした。

踊りは、何といってもバーミンガム・ロイヤル・バレエから招かれたシルヴィア・ヒメネスさんの運命の女神フォルトゥナが、ひときわ光っていました。
carmina02

真っ黒なピチピチのキャミソールドレスとハイヒール、目隠しをして踊り出した瞬間、これは魅せてくれる舞台になりそうと思いました。
一体何なのでしょう? あの存在感は。

躍動感あふれるコールド、怪しく官能的なパ・ド・ドゥ。
そして迫力ある合唱に独唱。
なかなか楽しめた1時間でした。

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02 November 2005

観てきました「第73回 独立展」

dokuritsu01一昨日、東京都美術館での「第73回 独立展」を観てきました。

独立美術協会「独立展」

出品している方から招待状をいただき、きらく~に足を運んだ私。
お粗末ながら、行って初めて、日本の美術史を語るに欠かすことのできない画家が名をつらねる歴史ある団体だということを知ったのでした。
前身の協会展は佐伯祐三もメンバーだったのですね。
なんか最近、佐伯づいてるなぁ。

一般入選作品に黒い作品が多いのに驚きました。仮縁も黒が多かった。(最近の学生さんの好みなのでしょうか?)
そのせいか、私にはどれもこれも同じに見えてしまいました。(笑)

そんな中で強く印象に残ったのが、片岡伸介さんの「肖像」でした。
温かく甘い色調なのに、きちっとした人体のフォルムと、しっかりと構成された画面が、適度の緊張感を保つ、良い作品だなぁと思いました。
油彩なのに、ねっとりコテコテしておらず、さらっとした画肌も好きです。

それにしても独立展て、会員の作品がどれも大きい!
片岡さんの作品も200号はあるでしょうか?


【画像】
片岡伸介(1935~  )《肖像》
油彩・カンヴァス

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