対談「歴史的都心を豊かに育むイタリア」
イタリア文学者でエッセイストの須賀敦子さんの著書は、言葉一つ一つに優しいリズム感と品のよさが漂っていて、大好きなのだけど、ご自身の生き方も、ピンと一本筋がとおっていて、私の憧れの人です。
なんと、その須賀さんと、あの陣内さんの対談記事を発見してしまいました。
「歴史的都心(チェントロ・ストリコ)を豊かに育むイタリア」
初出は、日本ホームズというハウスメーカーが出しているらしい1993年4月15日の「Mr.&Mrs」という宣伝情報誌のようですが、『須賀敦子全集 別巻』 2001年、河出書房新社にも入っているので、今でも読むことができます。
ここでもイタリアの小さな地方都市が持っている底知れない魅力や、古いものを残し新しいものと融合させてゆくために辛抱強く取り組んでゆくイタリア人の価値観などが、お二人によって語られています。
規制が甘いゆえ大企業的なスクラップ&ビルドな建設産業化してしまった日本の建築と、形式の規制をなくし、韻もふまず、シブラルも定型も捨ててしまった結果、貧しくなってしまった日本の詩が並べて語られているのも、建築史家と文学者の対談らしいなぁと、妙に感心してしまいました。
ちなみに、イタリアは建築物に対しての規制が厳しいために、色々な次元から考えた結果、総合的空間デザインとなり、手作り的な温かみもあって、人々も生活しやすいものとなっていくのだそうです。
それにしても、須賀さんと陣内さんが、こんなところで繋がっていたなんて、ちょっと嬉しい!
The comments to this entry are closed.
Comments