小澤征爾音楽塾 公開リハーサル
昨夜、東京オペラシティ・コンサートホールへ小澤征爾音楽塾の公開リハーサルを聴きに行ってきました。
小澤征爾音楽塾は、2000年に始まった、オペラを通じて若い音楽家を育成し飛躍の場を与えようというプロジェクトで、今年は6回目。
(一応、私も最初3年間のシリーズ、モーツァルト三部作は観ました。)
今回は中国の若い演奏家と合唱団と共に、ロッシーニ《セビリアの理髪師》を10月に日本各地で上演し、その後、中国でも上演する計画なのだそうです。
オペラやオーケストラのリハーサルやゲネプロは、華やかに上演される舞台の裏側を覗かせてもらっているような、いつもとちょっと違った楽しみ方ができるので、機会があれば時々出かけていきます。
小澤征爾音楽塾のリハーサルは、今回が2度目でした。
まず、練習が始まる前に、指揮の小澤さんから「普通、公開リハーサルは、何度か練習をして、みなさんには曲をとおしで聴いていただくことが多いのですが、今回はメンバー揃って合わせるのが、本当に今日が初めてなんです。その辺をご了解ください。」とのお話がありました。
そして、中国からやってきた若いメンバーの紹介もありました。
小澤さんは指揮者用のイスに座ることなく、楽団員の間に歩み入って、日本語と英語で熱心に指導されていました。
中国語で通訳をするスタッフもいました。
それから、チェロの原田禎夫さんやフルートの工藤重典さん、オーボエの宮本文昭さん、ヴァイオリンの豊嶋泰嗣さんらベテラン勢が、10代後半から20代前半と思われるとても若い学生さん達の中に混じっていたので、かなり目立っていました。
それにしたって、こうした世界の舞台で大活躍されている経験豊富な演奏家の傍らで演奏する機会が得られるということは、とても素晴らしいことですね。
一人でコツコツ練習することも、もちろん大切だけれど、レヴェルの高いメンバーの中に入っての練習は、持っている力をググッと引き上げる良い効果があるのではないかなと思いました。
ちなみに、この日、私はてっきり《セビリア》を練習するのかと思っていたら、ロッシーニのロの字もなくて、ベートーヴェンの交響曲7番の練習でした。
小澤さんが最初に明言されていたとおり、とおしでの演奏はなく、かなり細かなフレーズに区切った練習だったので、正直、聴き心地のいいものではありませんでしたが、小澤さんのいつもながらの温かい人柄を感じさせる指導と、食い入るようについてゆく若い音楽家、そして傍らでサポートするベテラン演奏家のみなさんの、ひとつの音楽を作り上げてゆこうとする姿は、とてもステキでした。