08 May 2008

B.A.ツィンマーマン《軍人たち》@新国立劇場

Die_soldaten2008年5月7日(水)
新国立劇場 オペラ劇場

昨夜、《軍人たち》を観てきました。

1999年に若杉さん&東京交響楽団でヴォーカルシンフォニー版を聴いているのに、正直あまりよく覚えてないという、どうしようもない私(^^;なのだけど、今回は、大規模オーケストラに加えて特設スピーカーやジャズコンボまで入る、そう簡単には上演できない20世紀傑作オペラの”日本初演”と聞いて、すご~く楽しみに出かけたのでありました。(^^)

B.A.ツィンマーマンの音楽も楽しめたし、演奏も良かったし、歌手のみなさんは歌も演技も、それはそれは見事でした。
演出は、元々はドレースデン国立歌劇場で初演されたプロダクションを借りてきたのだそうですが、さすが2005年ザルツブルク音楽祭の《椿姫》を手がけたウィリー・デッカーさんだなぁと感心させられるところが一杯。
あっという間の2時間半でした。
そして、新国立劇場で、こういう舞台が観られただけでも、すごく画期的!と思ったは思ったのですが・・・

あ~ 私、期待しすぎたのかな~(^^;;;
座席から立ち上がれないほど打ちのめされる、もっともっと衝撃的な舞台を体験できるのかと・・・

勿論、その内容は、あまりに悲しすぎる卑劣なもので、随分と考えさせられながら見ました。

でも、あの坊主頭や白塗りのメイク、単色の衣裳で登場人物群をグループ分けした舞台美術や、シンプルな箱の中で物語を展開させる手法は既視感があったし、古臭ささえ感じてしまいました。
そうそう、2004年に松本で観たサイトウ・キネン・フェスティバルの《ヴォツェック》を思い出しちゃいました。
ひょっとして、こういう演出って、数年で色褪せて見えちゃうものなのかもしれないですね。(^^;
つくづく、オペラを上演までこぎつけ成功させるって、ほんとうに大変なことなのだなぁって思った公演でした。

   ◇  ◇  ◇

ベルント・アロイス・ツィンマーマン《軍人たち》

マリー:ヴィクトリア・ルキアネッツ
シャルロッテ:山下 牧子
ヴェーゼナー:鹿野 由之
ヴェーゼナーの老母:寺谷 千枝子
シュトルツィウス:クラウディオ・オテッリ
シュトルツィウスの母:村松 桂子
デポルト:ピーター・ホーレ
ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人:森山 京子
若い伯爵・伯爵夫人の息子:高橋 淳

指揮:若杉 弘
演出:ウィリー・デッカー
美術・衣裳:ヴォルフガング・グスマン
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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07 May 2008

【LFJ2008】マンメル&カサール:シューベルト 歌曲集《白鳥の歌》より

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 公演番号333
2008年5月4日(日)13:15
東京国際フォーラム ホールB7[テレーゼ・ブローブ]

テノール:ハンス・イェルク・マンメル
ピアノ:フィリップ・カサール

シューベルト:「鳩の使い」(歌曲集「白鳥の歌」D957より)
シューベルト:「生気」D937
シューベルト:「愛の便り」「戦士の予感」「春のあこがれ」「セレナード」「わが宿」(歌曲集「白鳥の歌」D957より)
シューベルト:「秋」D945
シューベルト:「遠い国で」「別れ」「アトラス」「彼女の絵姿」「漁夫の娘」「海辺で」「都会」「影法師」(歌曲集「白鳥の歌」D957より)

   ◇  ◇  ◇

ラ・フォル・ジュルネ2008のプログラムが発表された時、ラーンキ&クルコンさんのピアノが昨年に引き続き聴けるとことも、もちろん、とても嬉しかったのだけど、もう一つの大きな楽しみは、バリトンのヴォルフガング・ホルツマイアーさんのリートが、それも《白鳥の歌》が聴けることでした。(^^)

ホツルマイアーさんの歌は、実は録音でしか聴いた事がないのだけど、そのビロードのように滑らかで、しっとりとした暖かさを持った声が、私、大好きで、一時は眠れぬ夜のための子守唄CDにしていたほど。(^^;;;

そのホツルマイアーさんが来日する!
キャ~ 絶対に聴く~
そんな、かなりミーハーなのりで入手したチケットだったのでした。(^^;;;

ところが・・・
しばらくして、何気なくLFJのサイトを見てみると・・・

出演アーティスト一覧にホルツマイアーさんの名前が見つからない。
あら? 見過ごしたかしら? 何度も何度も見直してみる。
ない、ない、ない~ 消えてる~

慌ててタイムテーブルも確認してみると
ああああっ やっぱり変わってる。
ウォルフガング・ホルマイアーからハンス・イェルク・マンメルに変わってる。

がくぅ~
思わず、力が抜けちゃった。

でも、すぐに立ち直れるのが私。(^^)v
アーティストだって人間だもん、そういうこともある。
楽しみは先にとっておこうって。
それにしても、ハンス・イェルク・マンメルさんて、どんな歌手なんだろう?
テノールで聴く《白鳥の歌》っていうのもイイかもね、なんて具合に。(^^)

ああ、すっかり前置きが長くなりましたが(^^; そんなこんなで臨んだ音楽祭3つめのコンサートが、歌曲王シューベルトの歌曲《白鳥の歌》でございました。

それで、肝心のコンサートはどうだったかって?

もう、それはすばらしい《白鳥の歌》でした。
音楽を聴いて、背筋がゾクゾクっとすることなんてそう滅多にないのに、マンメルさんの第一声で、それが来たのです。(^^)
自分でも驚きでした。

マンメルさんは、身長が180センチを楽に超えていると思われる大きな歌手。
その体格から単純に想像すると、バリトン?いやバスかしら?と思えるほどなのに、テノール歌手なんですね~(^^)

明瞭な発音。スッと素直に伸びる清潔感のある発声。テノールとはいえ包容力のある落ち着いた声質は私の好みにピッタリだったのです。(^^)
おまけに客席の一人一人に向かって丁寧に語りかけるように歌ってくださって、シューベルトの音楽が、私の心にジンジンと響いてきたのでした。

ホールB7は、客席数が250席しかない上に、舞台を中心にコの字型に椅子が配置されているため、演奏家を観客が囲むようにして聴ける点も良かったのかもしれません。
アーティストもお客さんも全てが一つになる瞬間が感じられて、私も、このホールの雰囲気、とても気に入りました。(^^)

そして一緒に聴いた3歳と6歳の姪っ子たち。
いざとなったら途中で退席する覚悟もしていたのですが、最後まで何とか持ちました。(^^;;;(さすがに終わりの頃はモゾモゾしてましたが。周辺の方、落ち着かなくてゴメンナサイ。)

何も解ってなさそうな子供さえひきつけてしまう音楽の力。
理屈ではなく良い演奏って解るのですね。
何故なら、子供向けに企画されたコンサートより、彼女たちったら、ずっとずっと楽しかったようなのです。(^^)
来年のバッハも行くのだそうです。(^^;;;;

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05 May 2008

【LFJ2008】ラーンキ&クルコン:シューベルト《アレグロ イ短調 D947》ほか

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 公演番号352
2008年5月4日(日)11:45
東京国際フォーラム ホールD7[ヒュッテンブレンナー]

ピアノ:デジュー・ラーンキ
ピアノ:エディト・クルコン

シューベルト:アレグロ イ短調 D947
シューベルト:エロルドの歌劇「マリー」の主題による変奏曲 ハ長調 D908
シューベルト:幻想曲 へ短調 D940

   ◇  ◇  ◇

音楽祭2日目最初のプログラムは、昨年、バルトークのピアノ・デュオで、とても素晴らしい演奏を聴かせてくれたクルコンさんとラーンキのピアノ連弾♪
お二人は、今年のシューベルトでも溜息がでるほどステキな演奏を聴かせてくれました。
高音部をクルコンさんが担当し、たっぷりと美しいメロディを聴かせてくれ、ラーンキが低音部をしっかりと支えてました。
ん? ま、奥さんのクルコンさんが、しっかりリードしていたのかなぁ? なんて感じもしなくはありませんでしたが。(^^;;;

一曲目は、重たい雲の切れ間からサッと光が射し込んでは、また雲が垂れ込んでくる、そんな描写が、何度も繰り返される、とても印象深い曲でした。
「人生の嵐」という副題が、シューベルトの死後つけられたそうですが、なかなか上手く言い当てた題名かも。

二曲目は、可愛らしく親しみやすいメロディで始まる変奏曲。
主題はオペラ《マリー》の二重唱の一部なのだそうですが、エロルドっていう作曲家も《マリー》っていうオペラも、私、知らなかった。(^^;;; 当時は良く知られたオペラだったのかしらん?
楽しい曲でした。(^^)

三曲目も、モーツァルトを思わせるような美しいメロディが顔をのぞかせたり、重厚な響きが登場したりと終始耳の離せない充実した曲でした。
三曲とも初めて聴く曲ばかりだったのですが、みんなとてもステキだったので、今後、シューベルトの四手用の曲も、もっと聴いてみたいと思いました。

ところで、シューベルトの連弾は、互いの手を交差させなければ弾けない箇所もあるし、大人二人が一台のピアノの前に並ぶと、かなり窮屈そうなのだけど、シューベルトは二台のピアノ用にするつもりはなかったのかしら?
やっぱり演奏会用というよりは家族や知人が集まって楽しむ為の曲だったからなのかな? ピアノが二台もあるお家って、そうはなかっただろうし・・・

それにしても、ラーンキとクルコンさんのデュオは、ほんと見事なくらい息ピッタリでした。(^^)
譜めくりも、昨年同様ご自分たちで弾きながらやってました。すごい!
あ、ラーンキが2ページめくってしまって、クルコンさんが、すかさず1枚戻す場面もありましたけどね。(^^;;;

これからも、ピアノ・デュオの活動を、二人でますます深めていってくれたら良いなぁ。(^^)

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03 May 2008

【LFJ2008】ラーンキ:シューベルト《ピアノ・ソナタ第17番》ほか

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 公演番号224
2008年5月3日(土)15:30
東京国際フォーラム ホールB7[ショーバー]

ピアノ:デジュー・ラーンキ

シューベルト:3つのピアノ曲より 変ホ短調 D946-1
シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番 二長調 作品53 D850

   ◇  ◇  ◇

Ranki_schubert大型連休のもう一つの恒例行事「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が今年も始まりました!
2008年のテーマは「シューベルトとウィーン」。
ということで、私のシューベルト漬けの休日の幕開け最初のプログラムはラーンキのピアノ♪と相成りました。(^^)

さて、第一曲目の「3つのピアノ曲」より変ホ短調 D946-1 は、とても懐かしく聴きました。
何故って、この曲、1973年にラーンキが「さすらい人幻想曲」や「ピアノ・ソナタ第18番」と共に収録したシューベルトのアルバムに入っているからです。(^^)
ほとんど観客を意識せず、自分とシューベルトと二人で対話するような演奏スタイルは、ああ、ラーンキらしいなぁと思いました。

第二曲目のピアノ・ソナタ第17番は、速めのテンポで始まりました。
ちょっとアクセントの強い、先へ先へと急ぐような奏法が気になりましたが、ま、これがラーンキのシューベルトなのだなと納得しながら聴きました。
そして、いつの間にか、少しゆったり目のシューベルトが、私の好みになっていたことに改めて気がつきました。(^^;
そんな訳で、正直言って、ラーンキのシューベルトには、変に緊張させられ、何だか疲れましたぁ〜(^^;;;
それから、ホールB7って、やっぱり音響がイマイチだなぁ(^^;

さぁ! 明日は、朝から晩までコンサートがビッシリです。
早起きに備えて、そろそろ寝ま〜す。

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イタリア映画祭2008『カラヴァッジョ』

Cinema_italiano20082008年5月2日(金)
有楽町朝日ホール

大型連休恒例のイタリア映画祭で日本初公開の新作『カラヴァッジョ』を観てきました。
とても見応えがあり、面白かった!(^^)

ミケランジェロ最期の地ポルト・エルコレに向かう小さな漁船の上で意識朦朧としながら波乱の生涯を回想するという作りは映画としては平凡かなぁ?とも思ったけれど、デレク・ジャーマン監督の作品のように偏ることなく、ミケランジェロを多くの人々から愛された人間味あふれる魅力的な人物として、それも比較的淡々と描いていて、私としては大満足の作品でした。(^^)

ま、確かに、ミケランジェロの作品を観れば、頭に血ののぼりやすい熱い人間だったろうことは解るのだけど、彼の起こした傷害事件や殺人事件がミケランジェロの類い希な才能や魅力に嫉妬した者たちの挑発によって起こったことがキチンと描かれていたし、それ以上に彼の人間的魅力や才能を認め擁護する人々が周囲に大勢いたことが、とても良く解る映画でした。

そして何より感心したのは、ミケランジェロの絵のモデルとなった映画の登場人物が、どこで探してきたの〜?と驚くほどソックリだったこと。(^^)
マルタ騎士団長のヴィニャクールを演じた役者さんも絵の中から出てきたのかと思う程でした。(^^)
そうそう、忘れてはいけない! ミケランジェロを演じた俳優さんも良く似ていたし、なかなかのハンサムでした〜♪

映画の中には沢山のカラヴァッジョ作品が出てくるのは勿論、素描や下絵を使わずモデルを使って制作する様子や、当時おこった社会的事件によってインスピレーションを得たことなどカラヴァッジョ研究や史実に則って描かれていた点も良かったです。
当時の街の様子や衣裳なども見応えがありました。
マルタ島のハチミツ色の建物も忠実に表現されていたのにも感心感心。(^^) 現地でロケしたのかなぁ?

この映画、当初、この秋にも一般公開されると発表されていましたが、没後400年に当たる2010年に延期になったそうです。
イタリア美術や西洋美術史好きだったら見逃すと絶対に後悔する映画だと思います♪
私も、もう一度みるつもりです。(^^)

  ◇  ◇  ◇

『カラヴァッジョ』(原題)

制作年:2006年
監督:アンジェロ・ロンゴーニ
脚本:ジャイムズ・H・カリントン、アンドレア・プルガトーリ
美術:ジャンティート・ブルキエッラーロ
衣裳:リア・フランチェスカ・モランディーニ
音楽:ルイス・バカロフ

カラヴァッジョ:アレッシオ・ボーニ
ミンニーティ:パオロ・ブリグリア
オノリオ・ロンギ:ベンヤミン・サドラー
コンスタンツァ・コロンナ:エレナ・ソフィア・リッチ
デル・モンテ枢機卿:ホルディ・モッラ
ベアトリーチェ・チェンチ:マリア・エレナ・ヴァンドーネ
ドゥ・ヴィニャクール:フランソワ・モンタギュ

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